ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
21/08/08(日)01:53:30 No.832405064
芝2400m。トレセン学園での模擬レース。参加人数12人。 この日、初めて、マーベラスサンデーはマヤノトップガンと一緒に走った。 マヤノトップガンは一着、マーベラスサンデーは三着だった。変幻自在の脚質と呼ばれるマヤノトップガンだったが、今回の戦法は先行。その後ろにマーベラスサンデーはつけ、徹底マークをしたまでは良策だった。しかし、最後の直線で伸び悩み、いつものように差し切ることは出来ずに終わったのだった。 ターフの上で息を整えるマーベラスサンデー。一着になれなかったにも拘わらず 「マーベラァァーアス☆☆☆」 その顔は満面の笑顔だった。心の底からターフでの走りを楽しんだ顔。今までにないレースに向かい合い、新たな輝きを目の当たりにした喜び。それが彼女の体中から溢れ出しているようだった。
1 21/08/08(日)01:56:13 No.832405828
「おつかれ!マベちん!」 そう話しかけてきたのはマヤノトップガンだった。汗だくの身体に、一着になった喜びと、そしていいレースができたことに対する歓喜の表情をひっさげている。 「うん、お疲れ☆マーベラスなレースだったね!!!」 悔しさのかけらもない屈託のない笑顔を見せるマーベラスサンデー。 そのまま楽しそうに話す二人。その一方で、周りのウマ娘は皆かなりの焦りの気持ちを持ち始めていた。 今までクラシックで目立った成績のないウマ娘が三着。どこに今まで隠れていたのか、いつからこんなに強くなったのか。そして10月に控える菊花賞に間違いなく彼女、マーベラスサンデーは出てくるだろう。 それを思うとうかうかしていられない。一生に一回しかないクラシックの機会で輝きたい。そんな思いも手伝ってか、授業が終わるころには、ウマ娘たちの間に張り詰めたような緊張感がほとばしり始めていた。 太陽の光が熱くトレセン学園を照らしている。間違いなくそれは夏の空だった。遠く広い青い空がどこまでも広がっている。今にも駆けだしたくなるようなその青さが、ターフを懸命に走るウマ娘たちの心を騒がせる。 もうすぐ、夏合宿が始まる。
2 21/08/08(日)01:56:51 No.832405988
「と、言う訳で夏合宿に行きます」 放課後、トレーナー室にて。ソファにて向かい合うトレーナーとマーベラスサンデー。トレーニング前の打ち合わせにて、トレーナーはそう彼女に話しかけた。 途端、マーベラスサンデーは目を輝かせる。 「本当!?」 と思わず出た言葉に 「はい!!」 笑顔でトレーナーは返事をした。 「期間は二ヶ月間。7月と8月をすべて費やし、菊花賞へ備えます」 「マーベラース☆」 夏合宿の提案に対して、椅子から立ちあがり、喜びを全身で表現するように両手を振り上げるマーベラスサンデー。 その姿を見て、トレーナーも嬉しそうに笑った。
3 21/08/08(日)01:57:17 No.832406114
「さて、現状の菊花賞について私なりにまとめたの。その展望を聞いてほしいのですが、大丈夫かな?マベちゃん」 「うん!!」 マーベラスサンデーが再び椅子に座ると、 「では」 と、一息つき彼女は語り始めた。 「単刀直入に言います。今年の菊花賞は、主役不在と言われています」 「主役不在?」 「はい。皐月賞ウマ娘のジュラルミンさんは長距離が苦手。そのため菊花賞は回避し、同じ時期に行われる秋の天皇賞に向かうとの噂です。そして今年のダービーウマ娘さんは、……残念ながら日本ダービーの後スランプに陥ってしまい、トレセン学園を退学されました。そのため、有力ウマ娘がいない、大混戦になるとの評判です」 逆に言えば、マーベラスサンデーにも十分勝機があるということだ。特にスタミナが十分にある彼女のこと。長距離への適正には期待が持てる。 「そんな中で、私が目をつけている有力ウマ娘さんがいます」 「誰なの?」 そう聞いてきたマーベラスサンデーに、トレーナーは彼女を見つめる。
4 21/08/08(日)01:57:40 No.832406206
そして真剣な顔のトレーナーから語られたその名前。 「マヤノトップガンさん」 それは今日初めて一緒に走ったウマ娘の名前だった。 「マヤちん…!」 眼を見開き、輝かせるマーベラスサンデーに 「あれ?知り合い?」 と問いかけるトレーナー。 その問いににっこり笑って 「実は今日、授業で一緒に走ったの☆」 と話すマーベラスサンデー。 「ど、どうだった!?」 慌てた様子で身を乗り出すトレーナーに 「すっごく速かった☆それに、どんなレースの状況でも対応できる脚をもってる感じ☆すごいよあの子☆」 なんの緊張も屈託もしがらみもないように、マーベラスサンデーは、さも楽しそうにマヤノトップガンのことを語るのだった。
5 21/08/08(日)01:58:13 No.832406349
7月上旬。トレセン学園 夏合宿用地付近にて。 夏の日差しが大地を照り付け、そして青い空には白く大きな入道雲が立ち上る。夏真っ盛りの空の下には青く穏やかにしぶきを上げる広い海。絵葉書から切り取ったような夏の海が、その天然色を誇るかのようにただ広がっていた。 そんな中、水色のトヨタ・ポルテが海沿いの道路を通っていた。 トレーナーが車を走らせ、助手席にいるマーベラスサンデーは、楽しそうに窓の外を眺めている。 「トレーナーちゃん!窓開けていい?」 「いいよー。マベちゃん」 助手席の窓が開き、夏の空気と潮風の香りが車の中に入ってくる。マーベラスサンデーの黒髪がたなびき、夏の海の空気と交じり合う。 「見て!海だよ海!!」 「そうね。海ねー」 太陽の光を受けて白く輝く海を、しぶきを上げる砂浜を見て、マーベラスサンデーは楽しそうにはしゃぐ。自然とその感情にあてられて、トレーナーも笑顔が心の底からにじみでるようにあふれてくる。
6 21/08/08(日)01:58:49 No.832406506
クラシックに挑むの練習のために、2人はこの海沿いの土地にやってきた。しかし二人ともすっかり心が躍っていた。トレーナーにとっては初めてのウマ娘と過ごす練習の夏だ。マーベラスサンデーにとってはトレセン学園に入っての初めての夏合宿だ。青い空に吸い込まれるように、2人の胸に、それぞれに高揚感が立ち上っていた。 こんな話を私は読みたい 文章の距離適性があってないのでこれにて失礼する fu229269.txt
7 21/08/08(日)02:12:00 No.832409857
おい待てェ失礼するんじゃねェ まだこっちが感想も言えてねえだろうが いつも楽しみにしてるぜ
8 21/08/08(日)02:13:45 No.832410291
マーベラスはレースに対してどんなマーベラスで挑むのか気になるよね 悔しがるマーベラスなのかニコニコマーベラスなのか分からないが取り敢えずこの怪文書はとってもマーベラス☆
9 21/08/08(日)02:26:35 No.832413394
読んでて早く育成したくなってきた 地下馬道で放尿する癖とかいうよくわからん特徴を再現したらどうなるのか気になって眠れない
10 21/08/08(日)03:22:20 No.832423377
トレーナーはジュニアの夏も一緒に過ごしてなかったっけ