ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
21/07/31(土)08:34:57 No.829433358
「ゴルシ、次のトレーニングだけど予定通り月曜からな。ゆっくり羽伸ばしとけ」 「おーう任せとけってゴルシちゃんウィングで木星まで行ってやんよ」 レース後でもないのに連休が挟まるのは珍しい。そういえば一昨年や去年もトレーナーはこの時期に休みを入れてた気がする 唐突にアタシの芦毛色の脳細胞が閃き、そして口を開いた 「トレーナー、どっか出掛けんなら一緒に行く!」 「ん?別に構わないが…面白いもんじゃないぞ?」 「バッカおめートレピッピよーアタシを誰だと思ってんだ?究極のエンターテイナーゴルシ様だぞ お前のつまんねー人生アタシ色にしてるウマ娘が彩りを与えてやんよ!」 「ん、じゃあ…いいやどうせお前ロクなもん準備しないし服装だけ気をつけてくれ」
1 21/07/31(土)08:35:20 No.829433416
そして当日。車に揺られる事数時間 はしゃぎまくったアタシがドライブインで明石焼きとたこ焼きの食べ比べして戻すというアクシデントはあったが やがて車は山中に入り蝉時雨の中長い階段の数をかぞえているうちに目的地に到着していた 「おいおいトレーナーよー…」 「なんだよ」 「ゴルシちゃんだって空気位読めんだよ…あれか?芸人殺しか?」 「悪いけどこの古い花向こうのゴミ捨て場に持ってってくれるか」 「……」 無言で手渡された献花を手にその場を離れる トレーナーがなにやら墓に話し掛け始めたのでアタシは耳を閉じた
2 21/07/31(土)08:35:40 No.829433467
墓石は新しく、知らない女の名前が書いてあった 享年は、アタシとトレーナーが出会った年 「まあ、お前と会う数日前だよ。容態が悪化してあいつぽっくり行きやんの」 帰りの道すがらトレーナーは元カノの事をぽつり、ぽつりと語り始めた 「君が立派なトレーナーになるの見届け無いとね!なーんて行ってた癖にさ まあゴルシにもつまんねー奴に見えてもしょうがねえわなあ」 「まったくトレーナーはよー…何でゴルシちゃん連れてきたんだよ!」 「あ?俺の生きる理由なんだから1度見てた貰いたいなと思ってさあ」 「重いっつーの!ブラックホールできるわ!」 「ハハハ悪い悪い。帰りに何かうまいもんでも食ってこうぜ」 「明石焼き!」 「また吐く気か!」
3 21/07/31(土)08:36:01 No.829433528
と、先を行くトレーナーの背後… 電信柱の影に揺らめくものがあった 「それ」は随分と薄くて見辛かったが やがてウマ娘のカタチを取りトレーナーの傍らに寄り添おうとして… 「おい」 ゴッ、と アタシが電信柱を蹴ると途端に「それ」が霧散する 「悪ぃけどトレーナーの邪魔すんなよ。コイツはまだそっちにゃ行かねーよ せめて輪廻転生し終えるまで待っとけ それができねーっつうならゴルシちゃんとアイツの子供として生まれてこいよ。前世の分も可愛がってやる」 「ん?おいゴルシなにやってんだ」 「いや電信柱が喧嘩売ってきたから買ってたんだよ」 「ほどほどにしとけよー」
4 21/07/31(土)08:36:21 [オワリ] No.829433574
アタシはそのままトレーナーの傍らに駆け寄ると連れ立って歩きだした
5 21/07/31(土)08:39:52 No.829434178
ウワッー!もう子作りする気だ!!
6 21/07/31(土)08:48:06 No.829435612
ゴルシ強くない?
7 21/07/31(土)08:50:41 No.829436082
これゴルシ居なかったらトレーナーどうなってたんですかね…
8 21/07/31(土)08:57:03 No.829437190
>これゴルシ居なかったらトレーナーどうなってたんですかね… あの世で彼女とよろしくやってたさ
9 21/07/31(土)09:10:06 No.829439583
夏の朝は爽やか怪文書が合う
10 21/07/31(土)09:24:32 No.829442597
やっぱつえぇぜ…ゴルシ! いやホントにゴルシ以外だったら潰れてそう
11 21/07/31(土)09:37:22 No.829445462
強い…状況を把握したうえでいま隣にいるのは自分アピールしちゃうの強すぎる…