虹裏img歴史資料館

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21/07/29(木)00:00:35 ターボ... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1627484435614.jpg 21/07/29(木)00:00:35 No.828683094

ターボね、テイオーと友達になりたかったんだ─── 薄暗い冷たさが学校中を覆う。いつも通りの日常を過ごしながら、多忙な日々を送る一人の教師がいた。名を、ツインターボ。 くたびれたローブをまとい新しめの教科書を小脇に抱え、学校中を走り回る。途中挨拶をする生徒もいるが目もくれず、次の授業へ向かう。 「絶対おかしいもん…こんなの違法だもん…」 絵空事のように嘯きながら足を前に出す。次はなんだったか思い出す暇すらなく駆け回る。彼女の授業が終わり、細やかな安息が訪れるのは学校中が寝静まってからだった。 ローブを壁にかけ、軽く水浴びをしてから椅子に座りコーヒーを作る。明日までに仕上げておかないといけない資料が山ほどあるため、安らぎの時間を有効利用するしかない。 「えーと、これはハンコでこっちは…。もう!これ絶対ターボ一人の仕事じゃないもん!」 危うく焼き捨てそうと杖を取り出すが、噴火の寸前に衝動が収まる。ばかくさいもん、なんて言いながら作業に戻って、なんとか夜明け前に終わらせる。

1 21/07/29(木)00:00:57 No.828683222

「…えーと…明日、は…。」 明日の予定に目を通すと、体が固まった。 「…理事長、との。面、談…」 結構な因縁がある理事長との、二人きりの面談。予定は珍しくそれっきりだったが、何故か頭の中で行きたくないと叫ぶ何かがいた。 「…行くしか、ないもん。」 自分にそう言い聞かせながら、無理やり眠り込む。数時間も睡眠がとれないが、明日の予定をちゃちゃっと終わらせればきっと久々の半休だろう。そう思って、少しの間だけ意識を闇に落とした。

2 21/07/29(木)00:01:23 No.828683408

理事長の部屋の前に来ると、重々しい足取りがさらに重くなって。行きたくない気持ちがぞくぞくと心の大半を占めていくが、それでも不本意に腕はノブへと伸びる。ぎぎぃ、という重苦しい重厚音を響かせて、理事長の部屋に踏み込んだ。 「…待望ッ!よく、来てくれた。」 ばさっ、という音と共に扇子を開いてターボを迎える。立ち尽くしていると、理事長は自らの椅子に座ってこう話をつづけた。 「既知ッ!この場に呼んだ理由、お前には分かるな?」 分からない、とは言えなかった。何故なら、かつては自分で望んだことへの後悔を、吐き出してしまうから。 「…ターボも、薄々分かってたもん。」 後悔をなるたけ口にしないよう、理事長に察してもらえるぐらいの声色で返答する。またしてもばさっ、と扇子を広げて凍てつくような目でこちらを見据える。 「重畳ッ!…心理状態を確認しよう。今だけ、今日だけは好きに話したまえ。」 威厳をもって、飼い主が犬の首輪を取るように促す。そっか、今日は言っていいんだ。そう思うと、喉の奥がつるつると潤っていく。

3 21/07/29(木)00:01:49 No.828683594

「…テイオー。テイオーは今、クィディッチのプロ選手。ターボが目指しても、目指せなかったプロに、今なってるもん。たまーに、中継が見れる。元気そうに、楽しそうに飛んでるテイオーが見れたら、なんだかほっとして。テイオーのチーム、すごーい強い。ターボと一緒にやってた時とは比べ物にならないくらいに上達してる。…あの選択は、後悔してない、けど。でも…やっぱり、ターボは───」 そう言いかけたところで、理事長が待ったをかけた。 「…分かった、それ以上は…」 その静止を振り切って、ターボは涙をにじませてこう言い放つ。 「…!ターボはっ!また、テイオーと友達になりたいもん!」 ああ、言ってしまった。言わないようにとしまい込んでいた気持ちを、全部ぶちまけてしまった。理事長の顔が徐々にきつくなっていくのを感じて、ターボは顔をしわつかせた。

4 21/07/29(木)00:02:15 No.828683751

「…まだ安定しないようだ。よろしい、今日の面談は終了。仕事も今日は軽めにしといてやろう、くれぐれも倒れぬように。」 「…って、えっ?今日お仕事あるもん?」 「当たり前だ、お前が居なきゃ学校自体が回らなくなる。なに安心しろ、いつもの1/3の量だ。終わったらすぐに上がっていい。」 嵐のようにまくしたてられ、その手に落とされる資料と教科書類がこの後の地獄を物語っていた。 「…やっぱりおかしいもーん!」 噴き出たどす黒い感情を抑えながら、無理やり理事長室から退室させられる。はぁ、とため息を一つついてから走り出す。今日もまた、忙しい学校生活の始まりだ。

5 <a href="mailto:s">21/07/29(木)00:02:43</a> [s] No.828683909

ツインターボ先生のお話 かなり雑だけどすまん

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