虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

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    21/07/28(水)00:59:36 No.828349609

     朝日と言うには角度の付きすぎた光が顔を照らすのを感じて目が覚める。時計を見れば2限目は遠に始まっている時間だった。 「あ〜……」  やってしまった、そう思う。なんとなしに見渡したせばメジロの屋敷から持ち出してきたゴルフクラブや申し訳程度の家具、そしてあちらこちらに散らばっている下着がこの部屋の全てだった。 「……薄情者」  なんて呟きながらシャワールームへ向う。全裸だが気にするような人はこの部屋に入る事はないし……何よりも今、この部屋に居るのは私一人なのだ。書き置きに残されていた『先に行ってる』という一言が昨夜から今朝にかけての彼の動きがどのようなものかを語ってくれていた。優しいのだ、多分。起こすか起こさないか悩んでくれたのだろう。でも── 「起こして欲しかった、かな?」 我儘な乙女心はいつも突然湧くものなのだ。せっかくの朝は……一緒に過ごしたかった、そんな事。

    1 21/07/28(水)00:59:53 No.828349685

     熱いシャワーを浴びて汗を流す。夏も盛りを感じさせる蝉の音が二人で決めたセーフティハウスに響いて消えていく。それを聴きながら身体を拭いて身だしなみを整える。制服は……どうしようか迷ったが下着姿のままで出歩くわけにもいかないのだ。 「どうしましょうかね?」  誰に言うでもなく一人呟くのはどうしたいか決めかねていたから。つまるところこのまま今日は逃げるか、逃げないか、だ。でも考えていてもなかなか結論はまとまらないものであるのが常なのだ。結局悩みながら体液で湿ったシーツを洗濯籠に放り込み布団を干すところまでやることになっていた。それでも結論は出てこない。開け放った窓からの風を受けつつこのまま時間が過ぎていけば良いのにな、なんて事も頭に過る始末だった。

    2 21/07/28(水)01:00:18 No.828349799

     でもそういう時に助けは案外来るもので── 「……ん?」 ポケットに入れていたスマホが鳴動しているのを感じる。充電も半分を切っていたそれを見てみると 「……ちょっと、遅かったかな?」 待ち人からの電話であった。 「おはよー」 『おはよう。今日は学園には来てないのか?』 「あー……うん。お恥ずかしい限りですけど」 『……学校には来ないと駄目だぞ?って言ってはみるけど──』 「説得力無いですよ?」

    3 21/07/28(水)01:00:30 No.828349852

    『……解ってるよ。ま、気が向いたら来てくれ』 話したいことあるし、と言って電話は切られる。 「話したいこと…。話したいこと、かぁ……」 口の中で転がす言葉は多分自覚してないだけでいろんな意味を持たせようとしている真っ最中で── 「なら……行ってみますか?」 そんな中途半端な理由でも今の私の背中を押すには十分だった。 「今日は十分逃げた事ですし、ね」  重たい腰を上げて部屋を出る。今から行けば午後には間に合いそうだし……と頭で計算機を弾くも心はなんだか浮足立っていて── 「……あははっ!」 アスファルトを蹴って駆け出していたのだった。  そんな夏の昼前の事。

    4 21/07/28(水)01:01:07 [s] No.828350012

    パーマーいいよね……

    5 21/07/28(水)01:07:13 No.828351710

    夏より先に盛ってるデース!

    6 21/07/28(水)01:14:32 No.828353761

    なんか爽やかな雰囲気出しといてヤることヤってる……

    7 21/07/28(水)01:15:30 No.828354025

    ある種の爽やかさすら感じる これが逃げを超えた爆逃げか

    8 21/07/28(水)01:23:47 No.828356167

    爽やかなのに爛れた大学生みたいになってる…

    9 21/07/28(水)02:06:41 No.828364504

    流石メジロ本家の懐刀