虹裏img歴史資料館

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21/07/24(土)21:21:11 「スズ... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1627129271859.jpg 21/07/24(土)21:21:11 No.827105498

「スズキ…しっぽ乾かしてほしいし…」 「はいはい、じっとしていてね?」 少女はブラシとドライヤーを用い、丹念に優しく尻尾を乾かします。 膝の上に乗ったたぬきは満足そうに目を細めていました。 「スズキ…寝るまでそばに居てほしいし…」 「はいはい、ゆっくり休みましょうね」 ぽんぽん、と背中を軽く撫でると、安心したのか静かな寝息が聞こえはじめました。 「スズキ…テレビ見たいし」 「はいはい、こっちへいらっしゃい?」 とてとてと歩いてきた子を膝の上に抱え、テレビを見やすいようにしてあげます。最近はたぬきショッピングなる番組がお気に入りのようでした。 ここはウマ娘寮、その中のサイレンススズカの部屋の中。一人とたくさんのたぬきたちが穏やかな時間を過ごしていました。

1 21/07/24(土)21:21:31 No.827105673

また一匹、別のたぬきがスズカへのお願いをしに近づいてきました。 「スズカさ……ス、スズキ……!お願いがあるんです……あるし…!」 「はいはい、なにかし……ウソでしょ……」 それは、たぬきというにはあまりにも大きすぎた 大きく 耳も多く 尾も重なり そして大雑把すぎた それはまさに、同居人だった

2 21/07/24(土)21:21:52 No.827105836

「……スペちゃん、何をしているの?」 「ち、ちちちがいますっ!私はスペシャルウィークなんかじゃありませ……!ないし……!」 慌てた様子でパタパタと手を振るたび、頭につけたカチューシャ式のたぬき耳やベルトで巻いたたぬきしっぽがズレて落ちそうになっています。 同居人の突然の奇行に、スズカはまずお話を聞くことにしました。 「……なにか悩み事かしら?」 「いえ……悩みとかそういうのじゃないんですけ……ないし……」 しばし下を向きもじもじとしていたコスプレウマ娘が、意を決したようにばっと顔を上げました。 「私も……スズカさんとお話したいんです!」 「あら……」 そんなことで?そう思ったけれど口には出さず、続きを促しました。 「だって最近スズカさんずっとたぬきちゃん達のお世話ばっかりで……なかなか時間も取れなくて……」 だからちょっと寂しくなっちゃったんです。そう告げる彼女の表情はまるでたぬきちゃん達みたいにしょんぼりとしていました。

3 21/07/24(土)21:22:08 No.827105973

「……そういうことだったのね。言ってくれればよかったのに」 そう言うとスズカは、自身の横へ座るよう手で示しました。 大きなたぬきは大人しく従い、隣にちょこんと座ります。 その子の手に自身の手を包むように重ね、スズカは優しく語りかけました。 「なら今日はたくさんお話しましょう?あ……でももう遅い時間だから……そうだわ、今日は一緒に寝ましょう?」 いいんですか?と顔を輝かせる大きなたぬきにもちろんよと応え、二人は一つのベットに身を寄せ合うように寝転がりました。 その日二人はたわいのない話に花を咲かせ、その部屋は遅くまで静かだけれど賑やかな時間が流れたといいます。 小さな同居人である他のたぬき達はというと、空いたもう片方のベッドに集まり、手足を動かして二人の仲をじたばたと祝福し続けておりましたとさ。 おしまい

4 21/07/24(土)21:22:26 No.827106139

「何かってにおわりにしてるし……(ジタバタ)」 「おっきなやつにスズキ取られたし……(ジタバタ)」 「NTRだし……(ジタバタジタバタ)」 「「寝てからいえし……」」 ジタバタ ジタバタ… ジタバタ…… 動き疲れて眠りに落ちるまで、たぬき達のふしぎなおどりは続きましたとさ。 ほんとうのおしまい

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