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21/07/24(土)01:08:27 4月。そ... のスレッド詳細

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21/07/24(土)01:08:27 No.826801075

4月。それは出会いの時期。新しい生活が始まる時期。 東京都府中市にあるウマ娘を養成する施設、トレセン学園にも桜が咲き誇り、新入生達が入学し、希望と新しい生活に胸を躍らせている。 そしてそれを抱えているのはウマ娘達だけではない。トレーナーにとっても、新しいウマ娘との出会いの時期なのだ。今年はどんなウマ娘が入ってくるのか、どんな素質があり、どのような未来を描けるのか。責任感と期待と不安、それらを一緒くたに抱えつつ、新入生の姿を見るトレーナー達の熱い視線。春には少し早い熱のこもったそれを、新入生のウマ娘達は、遠くから近くから、表から裏から受ける、そんな時期が訪れていた。

1 21/07/24(土)01:08:59 No.826801214

トレセン学園の練習場にて。 新入生のウマ娘達が入学早々模擬レースを行っている。 「いっちゃーく!」 芝1600m。あるウマ娘が先頭にたってゴール板を駆け抜ける。 「すごいな、あの子これで3回連続だ」 「結構いい素質もってるんじゃない?」 ギャラリーとして見守るのはトレーナー達。成績のいいウマ娘を見付けると、スカウトしたくなるのがトレーナーの性である。 「あぁ、君」 ふんわりとした雰囲気のパーマをかけた男性トレーナーが、ウマ娘に話しかける。 「はい?」 振り向いたウマ娘の視線の先には、優しそうな男性の姿があった。 「いい末脚だったね、今のレース」 「あ、ありがとうございます!」 トレーナーの言葉に眼を輝かせるウマ娘。

2 21/07/24(土)01:09:37 No.826801393

「よければ、僕のチームに入らない?」 と、爽やかな笑顔で話しかける男性トレーナー。 スカウトの誘いに眼を輝かせるウマ娘だったが 「ちょっと待って」 それに割り込んできた女性の声。 「この人は中距離やダートだと実績あるけど、短距離やマイルのウマ娘で実績を残したかというと、そこまでではないわ」 そう言い放ったのは、腕組みをした目つきの鋭い女性トレーナー。 「お前、余計なことを・・・」 怪訝な顔をして男性トレーナーが睨むが、それもどこふく風で 「私はマイル・中距離のウマ娘を育てるのが得意なの。どう?私のチームに入らない?」 と勧誘の言葉を口にし、手を差し出す。

3 21/07/24(土)01:10:06 No.826801542

その声に引かれて、ちょっと遠慮がちに手を出したウマ娘だが、 「待った待った!」 それに対して、またしても割り込んできた声がする。野太い男性の声である。 「君の実績もティアラ路線やG2なら安定するけど、シニアになるとちょっと弱いじゃないか」 筋肉質な男性トレーナーがそう茶々を入れる。 「余計なこと言わないでよ!」 「本当のことじゃないか」 かみつく女性トレーナーに対して、不敵な笑みを浮かべ、筋肉質のトレーナーは胸を張る。 「僕のチームからは、過去、安田記念や秋の天皇賞を取ったウマ娘もいるし、君の素質を伸ばせると思うんだ?どうかな?」 にっこりと白い歯が覗く。その顔をまじまじと見るウマ娘だが、 「でも先輩のチームって、クラシックはズタボロな事多いですよね」 それを見て、若いトレーナーが毒を吐いた。

4 21/07/24(土)01:10:20 No.826801624

「・・・君、言い方がおかしいよ」 顔に青筋を浮かべながら笑顔で威圧する筋肉質のトレーナー。 そんなやりとりを見ながら、当のウマ娘は困ったような顔をして三者三様の顔を眺めている。 毎年、よくある光景である、素質のあるウマ娘の取り合い。 そしてそれを見る他のウマ娘達にも対抗意識が湧く。 あのウマ娘みたいにスカウトされたい。私もいいチームに入りたい。その心が、宿る闘志が、模擬レースをさらに熱いモノとする。 4月ののどかな日差しとは対象的に、府中の空には熱気を伴った上昇気流が湧いているようだった。

5 21/07/24(土)01:10:54 No.826801809

そんな練習場の一角にて。 「あ、あのっ!」 ある女性トレーナーがウマ娘に声を掛けた。 「はい?」 振り向いたウマ娘。彼女の視線の先には、ショートボブに髪を整えた、垂れ目がちの丸眼鏡をかけた若いトレーナーの姿があった。その表情はどこか緊張しているようで、引きつったような笑みを浮かべている。 「わ、私に貴方を指導させてもらえませんか?」 その言葉に少し違和感を覚え、 「チームでは、なく。指導ですか・・・?」 と問いかけるウマ娘。 「えっと・・・」 と少し困った顔をした若き女性トレーナーは 「じ、実は私、今年からトレーナーになったばっかりで・・・。まだ自分のチームがないんです・・・」 と頬をかきながら応える。

6 21/07/24(土)01:11:27 No.826801988

「そう、ですか」 とウマ娘は応え 「すみません、実はもう既にトレーナーさんを決めているんです。本当に申し訳ございません」 と深々と頭を下げる。 「い、いえ!そうだったんですね!こちらこそ、すみませんでした!!!」 そう若き新人トレーナーは同様に頭を下げ、逃げるようにその場を立ち去った。 トレーナー達がいるコース外に向かい、彼女は、彼らに紛れるようにその姿を沈めていく。 「また・・・断られちゃった・・・」 ついつい彼女の口から言葉が漏れる。実はこれが初めてのお断りではなかった。何度目のお断りだったかも定かではないが、少なくとも彼女の自信を喪失させる回数、彼女は断られてきた。それもある意味仕方の無いことだった。ウマ娘からすると、トゥインクルシリーズで栄光をつかみたくてトレセン学園に入ってくる。指導者に仰ぐのであれば、優秀な人がいい。そしてそれはある程度、実績のある指導者がいいと皆一様に思うのは致し方のない事。新人のトレーナーに自分の学園生活を委ねるなど、よっぽどの酔狂な考えを持つウマ娘でない限り、思いつかないことだった。

7 21/07/24(土)01:11:39 No.826802037

「どうすれば・・・いいんだろ」 ターフの上で熱狂する勧誘合戦をぼんやり眺め、彼女は途方に暮れる。 出会いの場は戦場でもあった。そして、新人の彼女にとって、蟷螂の斧がごとく、太刀打ちすることなど叶わない場所でもあった。

8 21/07/24(土)01:12:04 No.826802175

夕方になり、若いウマ娘達の達の練習も終わりを迎えはじめる。 他のトレーナー達の熱視線を尻目に、一足先に、あてがわれた小さなトレーナー室に向かう彼女。 誰もいないトレーナー室。その殺風景な雰囲気に、ただただ夕日の赤色が差し込んでいる。 新人トレーナーの彼女は、椅子に座ると、ノートパソコンを開き、メールに目を通した。 そこに並んでいたのは、スカウトしたウマ娘達のメールの数々。いずれもお断りのメールだった。 「はぁ・・・」 思わず天井を仰ぎ、出てきたのは重い重いため息だった。 今日もダメだった。今日もウマ娘をスカウトできなかった。その結果だけが重苦しく彼女の心臓をつかみかかる。 「私・・・ウマ娘のトレーナーになれるのかな・・・」 不安の種が心に根を張り始める。行き詰まった先行きの暗さに眼がくらむ。 「あっ・・・」 こぼれてきたのは暖かい滴。彼女の瞳は潤み、涙という名のそれが一筋流れ落ちる。

9 21/07/24(土)01:12:40 No.826802340

(いけない、いけない・・・!) そう思って彼女は眼をこすった。まだ4月だというのに、憧れのトレーナーにようやくなれたのにこの始末。これじゃダメだ、と彼女は思い、両手で顔を、ぱんぱんっと叩いた。 そんな中である。 不意に部屋のドアをノックする音がした。その音を聞き、背筋を張り、急いで手鏡を見る。そこに写ったのは少し目の赤い、若い女性の顔。作り笑いの表情を一瞬確かめると 「どうぞ」 とドアに向かって声を掛けた。 「失礼します」 ドアを開けて入ってきたのは、駿川たづなだった。 「たづなさん」 「こんにちは、トレーナーさん」 笑顔を見せて部屋に入ってきたたづなを、出迎えるトレーナー。応接用のソファにたづなを座らせると、トレーナーも向かい合うように対面のソファに腰を下ろした。

10 21/07/24(土)01:13:13 No.826802499

「どうです、トレーナーさん。担当となるウマ娘さんと出会えましたか?」 「ええと・・・」 たづなの問いに、困ったように視線を逸らすトレーナー。 「ごめんなさい。まだ、です」 頬をかきながら、トレーナーは応える。 「私がぶきっちょなせいだと思うんですけど、中々・・・。みんな他のトレーナーさんのところに行ってしまって」 苦笑いを浮かべてそう話すトレーナーを、たづなはただ見つめていた。その視線の先にある、彼女の顔は、どこかぎこちなく、そして弱々しくも見えた。 「そうですか・・・」 とたづなは一息つき、 「よろしければ、一人紹介したい子がいるんですけど、いかがでしょう」 とトレーナーに切り出す。 「紹介、ですか」 「はい」

11 21/07/24(土)01:13:43 No.826802646

トレーナーの視線がたづなの方に向く。 そこには柔らかな微笑を浮かべるたづなの姿。 ふがいない新人トレーナーの自分を、救ってくれるような優しさを漂わせた、まるで母親のような雰囲気の女性の姿。 「私からのお願いです。中々、トレーナーさんが決まらないウマ娘さんがいまして」 続けざまにたづなはそう話す。 「そう、ですね・・・」 その提案に少し迷いを感じた彼女である。 本来は願ってもいない話だった。トレーナーになりたての、実績の無い自分に、ついてきてくれるウマ娘を見つけるのは至難の業だ。それは彼女も何度も何度もスカウトという機会で、何度も失敗してきたその場所で、既に実感し、嫌というほど味わってきた現実だ。 だが、それでも彼女はウマ娘を自分でスカウトすることを諦め切れていなかった。自分の教えるウマ娘は、自分でスカウトしたい。その信念は意外な程にも固く、鋼のようだった。 トレーナーの迷ったような態度を見て、たづなは微笑み 「そんなに深く考えなくてもいいですよ。少し会ってみるだけ、そうお考えください」 と彼女に話しかける。

12 21/07/24(土)01:14:38 No.826802899

その言葉に少し迷いを持つ心が和らいだ。というより、和らがざるを得なかった。たづなの何もかもを見通した瞳が彼女をそうさせた。 たづなもこのトレセン学園で数多のトレーナーを見てきた。そして新人トレーナーが考える事はある程度分かっている。 本当は彼女も近道を知っているはずである。実績の無いトレーナーが、ウマ娘をスカウトするのは非常に難しい。一番の近道は、実績のあるトレーナーからウマ娘を紹介してもらうこと。ただその選択肢を取ろうしない新人トレーナーも中にはいる。そう言ったトレーナーを支えるのも、自分の役目だと、たづなはそう考えていた。そうした意志の強いトレーナーを導くには、強制するのは却って逆効果であるとも、たづなは考えている。だからこそ、根気強くトレーナーを導かねばならないとも。 しばらく迷ったように視線を泳がせていた新人トレーナーだが 「・・・わかりました」 と、意を決したように言葉を返した。 たづなはにっこりと笑い、 「では、明日の13時。練習場にいらっしゃってくださいね」 とトレーナーに話しかけるのだった。

13 21/07/24(土)01:15:02 No.826802994

次の日の13時。トレーナーとたづなは練習場にいた。 彼女たちの目の前で、何人かのウマ娘が模擬レースに励んでいる。 「あの子です」 そうたづなが指を差した先。トレーナーはそこに居るウマ娘を瞳に捉える。 そんなに身長は大きくない。どちらかというと小柄なウマ娘。大きなツインテールをたなびかせ、派手な金色の髪飾りを両方の髪につかせた、栃栗色のウマ娘だ。 「マーベラスサンデーさーん!ちょっとこっちに来てもらえますかー!?」 たづなが彼女の名前を呼ぶと、大きな金星色の瞳が二人の方に向いた。にこりと笑った彼女が、二人の元に近寄ってくる。 「こちら新人のトレーナーさんです」 「こ、こんにちは」 たづなに紹介され、どこか緊張した様子で頭を下げるトレーナー。 そしてその緊張とは裏腹に、『トレーナーが決まらない』理由が少しだけ分かった気がした。 一目見たマーベラスサンデーの印象は、手足が細く、頼りない身体をしているな、というものだった。新人の自分がそう思うのだ、ベテランのトレーナーからも大体そう思われているだろう、とトレーナーは考える。

14 21/07/24(土)01:15:27 No.826803128

そんなトレーナーの気持ちを一切察することなく 「こんにちはッ!マーベラースー☆」 とマーベラスサンデーは元気いっぱいに挨拶を返す。 「ま・・・?」 聞き慣れない言葉にきょとんとしたトレーナーだが 「マーベラース☆」 それも意に介すことなくマーベラスサンデーが再度挨拶をする。 「ま、マーベラース・・・」 苦笑いを浮かべつつ (すごいテンションの子ね・・・) とトレーナーは思った。

15 21/07/24(土)01:15:44 No.826803212

「どうです?マーベラスサンデーさん。調子はいいですか?」 「たづなさん!調子はマーベラス☆最高だよッ☆」 そのまま他愛のない会話をし始めるマーベラスサンデーとたづな。それにトレーナーは混じることなく、どこかおろおろとした気持ちを抱える。 何か話した方がいいんじゃないか。そう考えているうちに時間は過ぎ 「あ、模擬戦がまた始まるようですよ」 「あ、ホントだ☆またね、たづなさん!新人トレーナーさん!」 二人の元をマーベラスサンデーは去って行った。 何も話せずがっくりと肩を落とすトレーナーを、たづなは困ったような笑顔を見せ、ただ佇んでいた。

16 21/07/24(土)01:16:17 No.826803385

模擬レースは芝1600m、右回り。 8人のウマ娘がエントリーして始まった。 一斉に走り出すウマ娘たち。その中でもマーベラスサンデーは、大きなツインテールもあり、非常に目立っている。8人中三番手に位置したマーベラスサンデーは、回りをじっくりと見るように、ペースを合わせてバ群の中を駆けている。 (先行が得意・・・なのかな) トレーナーはマーベラスサンデーのポジションを見てそう思った。 そしてレースは進み、最終コーナーを迎える。デビュー前のウマ娘達だ、そんなに大きな差はない。皆が皆、最後のストレートを目指して、一心不乱に走り始めた。 そんな中でマーベラスサンデーは外をついて順位を二番手に上げる。 (・・・あれ?) トレーナーは何か彼女の走り方に違和感を感じた。他のウマ娘とは違う違和感。その正体に気づけぬまま、遂にホームストレッチに差し掛かる。 そして最後の直線。ウマ娘達の集団が、ゴール目指して飛ぶように走り始める。 あと600m。あと400m。どんどんとゴールが近づくが、トレーナーはマーベラスサンデーの走りに対する違和感を抱えたままだった。

17 21/07/24(土)01:16:37 No.826803479

(何なんだろ・・・何か、何かが・・・変) そして残り200m。レースがようやく終盤になるころ 「あ!」 ようやくその違和感の正体に気づいたトレーナーは思わず声を上げた。 一方マーベラスサンデーはじわりとスピードを上げ、一番手のウマ娘をじっくりと眺めるように併走し、そして 「マーベラース☆」 一着で、クビ差で、模擬レースのゴール板を駆け抜けた。 模擬レースが終わり、ウマ娘達は息も絶え絶えにクールダウンを始める。その中でマーベラスサンデーは、息を整えながらも、くるくると踊るようにターフを歩いていた。 「やっぱり・・・」 トレーナーがそう呟いたのを聞いて 「どうかしましたか?」 とたづなは尋ねる。

18 21/07/24(土)01:17:01 No.826803610

トレーナーは少し声を落として 「たづなさん・・・あの子、全然本気を出してません」 と耳打ちするようにたづなに話しかけた。 それを聞いて、たづなはにっこり笑う。 トレーナーの違和感の正体、それはマーベラスサンデーの視線だった。 普通、ウマ娘は、ゴール板が見えればゴール板の方に視線が向く。順位が低いウマ娘であれば、前のウマ娘が視界に入ることはあるにしろ、それでもライン取りなど、全体を俯瞰して、もしくは目の前のウマ娘を追い越すような意気込みで走るのが一般的である。 対して、マーベラスサンデーの視線は、最初から最後まで他のウマ娘に向いていた。ゴールを殆ど見ていなかったのである。 所謂これは、トレーナー達が『物見』と呼ぶ悪癖である。このことは新人である彼女も知っていた。今は一着を取ったとしても、いずれその癖は、一着を取るのに大きな障害となる厄介なものであると言うことを。 だからこそ気になった。だからこそ声が出た。

19 21/07/24(土)01:17:27 No.826803743

「あ、あの、マーベラスサンデーさん!」 ターフの外からトレーナーの呼ぶ声に応え、マーベラスサンデーがゆっくりと歩み寄ってくる。 「どうしたのッ?」 「その・・・あなたは、どんなレースがしたいんですか?」 と、トレーナーは話しかける。 それに対して、眼の中にきらめきを宿らせた光はそのままに、眩しいばかりの笑顔がトレーナーに向け 「えっとね☆アタシはみんながマーベラスになるレースをしたいの☆」 と、彼女は元気よく応えた。 「マーベラスなレース・・・」 「そう!マーベラスっていうのは驚きだよっ!感動・幸せ・そして奇跡みたいなそんなことッ☆そんなレースをしてね、みんなが輝ける、そんなレースがしてみたい☆」 聞いていない説明まで、はしゃぐように話すマーベラスサンデー。 自分の世界観がかなり強い、ウマ娘の言葉を聞きながらも、新人トレーナーの彼女は、どこかその言葉に好奇心をそそられ、光を見ていた。

20 21/07/24(土)01:18:06 No.826803927

「あ、あの!」 「?」 首をかしげたマーベラスサンデー。 それを見てまごつくトレーナー。一瞬脳裏をよぎったのはウマ娘から一緒に歩むことを断られてきた苦い経験の数々。しかしそれよりも、彼女の勇気が、ほんの少し勝った。 「わた、私に、その・・・お手伝いをやらせてもらえませんか?」 「お手伝い?」 「そ、そうです!私、あた・・・、あなたのトレーナーとして、そのお手伝いをしたいなって!」 作り笑顔など、新人トレーナーの顔にはなかった。どこか必死な顔をした目の前の若い女性トレーナーを、明けの明星のような大きな瞳が捉えている。 トレーナーはひりつくような心を抱えて目の前の小さなウマ娘を見ていた。悪癖の物見を持ち、お世辞にも立派な体つきをしていないウマ娘。ただその『みんなが輝けるレース』とは何だろう。先ほど見せた余裕の走りが出せる潜在能力はどこまであるんだろう。それらの期待が、それらの向かう先が、彼女の心をわしづかみにしていた。

21 21/07/24(土)01:18:30 No.826804045

マーベラスサンデーはにっこりと笑い 「マーベラース☆☆☆」 と、両手を挙げて飛び跳ねた。 そして、トレーナーの手を握ると 「うんっ☆いいよ☆これもマーベラスだね☆奇跡の出会いだねッ☆☆☆」 と言い、彼女と歩む決心をしたのだった。 こんな話を私は読みたい 文章の距離適性があっていないのでこれにて失礼する

22 21/07/24(土)01:20:17 No.826804561

おい待てェ 既に3600mも走り切れそうなスタミナで失礼してんじゃねェ

23 21/07/24(土)01:21:43 No.826804972

適性が合ってないっていうのは、嘘つきの言葉なんですよ

24 21/07/24(土)01:22:15 No.826805121

おい待てェ 適性の輝きを見せておいて失礼するんじゃねェ

25 21/07/24(土)01:25:39 No.826806150

おい待てェ このまま育成シナリオ書ききれェ

26 21/07/24(土)01:25:39 No.826806152

>文章の距離適性があっていないのでこれにて失礼する 適正因子注ぎ込んででも書かせてやるから書け!!

27 21/07/24(土)01:28:13 No.826806868

おい待てェ 感謝の言葉言わせてもらってねぇぞのめり込んじまったぜありがとうな

28 21/07/24(土)01:34:27 No.826808494

名ステイヤー来たな...

29 21/07/24(土)01:51:05 No.826812813

最初の一年は2人にとっても試練の年になりそうなのがいいよね…

30 21/07/24(土)02:03:52 No.826816138

ぶっちぎりで完走してから距離適正を悩むな

31 21/07/24(土)02:17:56 No.826818968

いい話だったけど流石にちょっと長い

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