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21/07/23(金)21:15:46 こんに... のスレッド詳細

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21/07/23(金)21:15:46 No.826679067

こんにちわ、ジャスタウェイです。私達二人…つまりは我が友シップは凱旋門賞のレースに出るべくしてフランスへと赴いている訳ですが、肝心のシップはと言うと… 「Bonjour, France ! Comment allez-vous ? (おはようフランス! 元気してっかー!?)」 えぇ、相変わらずご機嫌な様子。まぁ私も多少はワクワクして居ますが。 「いやー流石に飛行機の時間長くて関節バキバキだわ。MSVのガンプラみたいによう」 「何言ってるんですか我が友ってば」 然し、ファーストクラスとは言え成田―フランス間の10数時間強の飛行機の旅は確かに疲れる物でして。現在の時間帯は夕方。時差を考えれば眠いやらどうやら… 「取り敢えず其処のカッフェーでお茶の一杯でもしばいて行こうぜ。大和撫子ちゃん!」 「…もう!」

1 21/07/23(金)21:16:52 No.826679683

実の所、この度のフランスへの遠征に辺り、緊張が解れない私は思いきって私服を全て着慣れた和服にしたのです。 上着に羽織りを肩にかけ、襟巻きを巻いて足下は履き慣れた革靴のブーツ。えぇ。小説の中からぴょいっと飛び出てきた大正昭和ロマンティカルなウマ娘その物です。 対する我が友はトップスはトレンチコート。ネックにはマフラー。その下にツーピースのドレス。スカートはややタイト。ですがそのおみ足は確りロングソックスでガードされてます。後は膝下程のロングのハイヒール。 嗚呼なんでこの人は何着てもファッションショーに成るんでしょうね。行く先々ざわめきが止まないんですよ。大小の差はあれ。 (※恥ずかしくて気付いて無かっただろうけども、ジャスタの可憐さにそわそわ囁いてたヒトも沢山居たんだぜ! byゴルシちゃん)

2 21/07/23(金)21:17:11 No.826679869

さて、最寄りの喫茶店に入るなり我が友は 「Pops ! Deux chocolat, s'il vous plaît ! (おっちゃん! ココア二つ頂戴!)」 「はいよぉ」 ペラッペラなんですよね。一日仏会話のガイドブック読むだけで。私なんてコンニチワとハウマッチ程度しか覚える余裕が無いって言うのに。 「美人のお嬢ちゃん、見掛けない娘だね。旅行かい?」 「おうよ! 凱旋門に来たんだぜ! レースするんだよレース!」 「ほほー、そりゃ凄い。おじさんも見に行くよ」 「アタシの相棒ともども、このゴルシちゃんを宜しく! ぴすぴーす!」 始終こんな感じ。歩く翻訳機です。私限定の。他人には使い熟せない的な意味で。

3 21/07/23(金)21:17:29 No.826680040

その後はお邪魔した喫茶店で軽食のサンドイッチを頂き、ホテルへと向かいました。(サンドイッチは何故か値引きして貰えました。如何してでしょう。胡乱なキーワードが脳裏を過るのは…) さて、チェックインを済まして部屋に着くなり我が友は「疲れた~」等と言いながらベッドに突っ伏しました。 「こらこら我が友、そんな事をしたらお気に入りの服にシワが入りますよ」 「だってだりぃもんはだりぃんだもんよ」 やれやれ、と思いながら私はシップのトラベルバッグに失礼してラフな服を引っ張り出しました。バッグの中は雑な様に見えて実はキチンと何がしたいのか分かる辺り、我が友は天才なんですね。

4 21/07/23(金)21:17:50 No.826680245

「はい、我が友、ばんざーい」「ばんじゃ~い」 のそのそとパワーの低いシップを着替えさせてあげて、私も浴衣に着替えると不意に背中から手が伸びてきて、優しくムギュッと捕まえられると私はベッドに吸い込まれました。 「ちょっと、シップ?」 私は少しドキマギしながら我が友に声を投げ掛けますが当の本人はと言うと… 「ぁ~…ジャスタは良い匂いがするなぁ…布団も爺ちゃんちの畳も恋しいけど、ジャスタが居るだけで凄い幸せだなぁ…」 なんとまぁ…一人だけ幸せモードに突入しますわ、私の項に鼻先を擦りつけたり匂いを嗅いだりとやりたい放題…私はそんなシップの我が儘に顔がどんどん熱くなるのでした。 「ぁん…? ジャスタ。興奮しちゃったか?」 「滅相も御座いませんとも、我が友」 等と強がって見せましたが、後ろから首筋を甘噛みされては堪った物では無く、私はキャヒンッ! と悲鳴を上げるのでした。 …結局その日の晩、火の付いた我が友に美味しく食べられたのは言うまでもありません…

5 21/07/23(金)21:18:14 No.826680517

さて、それからと言う物。午前中はコースで芝の具合を確かめたり体を温めるテストラン。午後からは自由時間と言う日が続き、私は我が友に連れられてシャンゼリゼ通りを歩いたり、凱旋門を見学したり、美術館をブラついてみたり宮殿にお邪魔したりと自由を満喫していました。 勿論料理もあれこれ頂きます。正しレストランの料理は一度きりでもうお腹いっぱい。精神的に何だか疲れてしました。其処で私達は食堂に足を運び、タルティフィレットやアッシ・パルマモンティエにラクレット等々、色んな家庭料理を楽しみました。 そして我が友シップは、大人の葡萄ジュース(健全)を飲んで意気揚々の気分はフワフワ、サンシャインと言った具合。そんな我が友に肩を抱かれてホテルに帰り、甘い言葉を囁かれる日々を凱旋門賞の当日が来るまで繰り返していました。さて、その間フランスのウマッターでは謎の美女のウマ娘と、その彼女の和服美人のウマ娘の話で持ちきりに成っていたそうですが、私達の知る余地ではありませんでした。

6 21/07/23(金)21:18:31 No.826680701

あ、さて…その後の顛末は皆様もご存知の通り。ある日のトレーニングでは森の中をジョギングしていた我が友は急にテンションが爆上げになり、サポーターさんを置き去りにするわ、凱旋門賞のレース当日では其れまでの元気は何処へやら、テンション駄々下がりで競バ場まで移動するにも手間は掛かるわ、その癖競バ場に入れば入ったで、一人勝手に観客に向けてアピール投げるわ。もう違う意味でやりたい放題で散々です。結局、此れらの奇行により、我が友シップのフランス凱旋門賞への旅は『フランス旅行』と言われるのでした。 どっとはらい。

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