ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
21/07/11(日)03:25:45 No.822236686
─────瞳が見ている。 地も凍てつくほど無感動に。何もかも灼き尽くすほどに淡々と。 ふと宙を見上げて、クソ喰らえな恒星に唾を吐きかける。自分がマスターとして選ばれたことと、今更ながらに自分なんかを見つけてしまった世界を正しく呪うために。 吐きかけた唾は太陽熱を受けて大した距離も飛ばずに蒸発して消えていく。それでいい。どんな卑小な存在でも役目を果たせなかった無念はある。その無念に指向性を持たせて、呪いの行き先を誘導してやれば、それは恒星すら穢す呪いになるのだ。 例えそれがブラフマーから見た人間の一日よりも無意味でも、自分という惰弱な存在が世界の中心、恒星を呪ったという事実は刻まれるのだから。
1 21/07/11(日)03:26:41 No.822236809
「ンンンッ!!なかなかのお手前でございます、マイマスター。拙僧、感心の念が堪えませんぞ!」 [……俺は、お前のマスターじゃない] ヨヨヨ、と口元を隠しながら科を作るようにこちらを嗤い見る道化師風の男に答える。……確か、この奇怪な男の名前は蘆屋道満だったか。いつも薄い意識を通してよく見ていたから、こいつのことを俺は知っていた。 「いえいえ、貴方様は正しく我がマスターですとも。とはいえ、拙僧は既に契約済みの身。ですので拙僧が貴方様に行えるのは助言のみ。どうかご堪忍くださいませ?」 道満は全く堪えた様子も無く、そう俺の耳元で囁く。
2 21/07/11(日)03:27:36 No.822236937
[要件はなんだ。さっさと話せ] この奇怪な男が嗤っているときは、大概悪事を働いていると理解している俺は、この男を跳ね退けたい衝動をこらえて聞き返す。 何せ、今の俺にはカルデアのマスターとしての記憶がところどころ虫食いにあったかのように欠けている。いや、欠けただけで済んでいる、と言い直すべきかもしれない。 ともかく俺には、絶賛何かを企んでいるであろう陰陽師の計画を打ち破り、カルデアに正しく戻るためにもこのふざけた熱さの大地であてもなく迷っているという今の状況から脱するだけの指針を必要としていた。 「ンンンンンン!!素晴らしい決断力!何を優先すべきかしかりと理解をされていて、拙僧は安心しておりまする…。 ハハハ、そう急かすべく拙僧の脇腹を小突き召されるな、マスター」 ンンッとわざとらしい咳払いの後、道満は語り出した。
3 21/07/11(日)03:28:38 No.822237069
「マイマスターお好みの単純な解を出すのなら、このままでは拙僧が大量召喚した魔性魍魎の類がマスターに襲い掛かり、マスターは不幸にも亡くなられまする」 [そんなことは理解してる] 「うーん、なかなかの塩対応!やはり記憶が虫食いでも拙僧のことをよく理解しておりますなぁ!」 流石我が主、そうケタケタと耳元で嗤う陰陽師に更に先を促すため、脇腹をまた小突く。 「なに、難しいことではございませぬ。今までの人理を取り戻す旅と同じように貴方様は手足となるサーヴァントを召喚し、その力でこの難局を乗り越えられるのがよいかと…」 そういって道満は言うことを言って満足したのか、空気に溶ける様に消えた。
4 21/07/11(日)03:29:53 No.822237218
そして気付くと俺は、周りを黒い和鎧を着たエネミーの群れに取り囲まれていた。彼らはこの灼熱の中でもその生を永らえさせるために、目の前の新鮮な魂を欲している。 だけど、俺はカルデアに帰らなくちゃいけない。だからこの身体が覚えているままに俺は彼を呼んだ。 「召喚に応じ参上した。貴様が俺のマスターか?」 それは燃え盛る恒星の如しサーヴァント、その瞳が俺を見ていた。
5 21/07/11(日)03:31:03 No.822237343
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6 21/07/11(日)03:32:58 No.822237546
なんか夏怪文書を見てたら変な設定が浮かんできてそれを出力するために書きました てかスレ画のカルナさんが最後にしか出てきてない…
7 21/07/11(日)03:51:56 No.822239540
書き込みをした人によって削除されました
8 21/07/11(日)05:05:46 No.822244373
誰かと思ったらカルナさんか
9 21/07/11(日)07:29:09 No.822252959
太陽の力を持つ英霊...