虹裏img歴史資料館

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21/07/11(日)01:22:19 七夕の... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1625934139338.png 21/07/11(日)01:22:19 No.822212691

七夕の夜に降る雨のことを、催涙雨と言うらしい。一年に一度の逢瀬も叶わぬ織姫と彦星が、その無念を嘆いて流す涙なのだと。 それほどに会いたいものなのだろうか。私は今、大切な人に会いたくなくて仕方ないから、こんな雨の中で走っているというのに。

1 21/07/11(日)01:23:37 No.822213082

放った糸が外れたなら、もう一度戻せばいい。 でも、放ってしまった言葉をなかったことにしたいと思ったときは、どうすればいいのだろうか。 先の宝塚記念の後。細くなる一方だった道が遂に見えなくなって、絶望のあまりに発した言葉。 それを取り下げることも、本当の気持ちを打ち明けることもできずに、私は3年目の夏を迎えていた。

2 21/07/11(日)01:23:47 No.822213131

合宿で練習をしていれば、当然ライバルたちの奮闘も耳に入る。その中でも昨年に輪をかけて過酷になったはずのトレーニングを越えて、天にも登る勢いで実力を仕上げている彼女──スペシャルウィークの完成ぶりは、合宿に集まったウマ娘たちの耳目を集めずにはおかなかったのだ。 自分のトレーニングの前に、彼女を見に行った。半分は好奇心で。もう半分は、怖れで。 ──彼女の走りを見て、頭が真っ白になった。 宝塚からそう時は経っていないはずなのに、あのときの彼女とは、まるで別物の走り。 どこまで強くなれば気が済むのだろう。何度勝っても、勝ち続けられる気がしなかった彼女は、遂に私の想像の範疇を越えてしまった。 その日のトレーニングは、私らしくなく過分に熱の入ったものになった。まだ彼女に勝てる目が残っていると信じたかったのだ。 けれど、幾度も彼女に勝つための策を講じてきた私の頭は、正確で残酷な計算結果を弾き出してくる。 どうやっても、勝てない。逆さにひっくり返しても、もう何も残っていない。

3 21/07/11(日)01:24:29 No.822213365

鬼気迫る様子の私を心配したトレーナーさんに私ができたことといえば、心中穏やかならざる私の動揺を悟られないように、必死で取り繕うことだけだった。それもきっと満足にはできなくなっていたのだろう。トレーナーさんの午後は休みにしようという提案を、呑まざるを得なかった。 合法的に休めるはずなのに、まるで嬉しくない。私の好きな川縁の木陰に寝転んでも、浮かんでくるのは彼女の走りだけ。 眠れない。夢にまで彼女が出てきそうになる。 起きていられない。走る彼女の姿が、頭から離れない。 浅い眠りと目覚めを繰り返して、眠ることにも疲れて、やっと彼女の姿の解像度がぼやけてきたときには、もう日が傾いていた。

4 21/07/11(日)01:24:40 No.822213436

しかし、合宿所に帰って、味のしない夕食をつついたその後で、呆けていた私の頭は唐突に叩き起こされた。大切なことを忘れていたからだ。 トレーナーさんにもらった猫のキーホルダーがない。昼までは確かに持っていたのに。 あるとすれば一箇所だけ、あの河川敷の樹の下だろう。今日はトレーニングの他にはそこにしか行っていないのだから。 窓の外の空はもう暗くなっていて、分厚い雲が覆っている。せっかくの七夕なのに、と残念がる声を尻目に、私は合宿所を飛び出していた。 雨が降ると言われていたが、だったらなおさら今拾いに行かなくては。雨で水嵩の増した川に落ちでもしたら、もう二度と見つけられなくなる。

5 21/07/11(日)01:25:04 No.822213556

「どこ、どこ──!」 降り出した雨が背中を叩いても、手を止めようとは思わなかった。水で貼りついた服の感触はひどく深いだったけれど、それでも必死に叢をかき分けた。 でも、見つからない。どれだけ探しても見当たらなかった。見通しの悪い夜に草の生い茂る中で、小さなキーホルダーを探すのだから、考えてみれば当たり前のことだ。 でも、やめたくなかった。あれを失くしてしまったら、見つけるのを諦めてしまったら、もうトレーナーさんに向き合えなくなる気がした。 そんな私の想いを嘲笑うかのように、雨は激しさを増していった。 大物を一緒に釣ろうって。釣り上げる喜びを教えてあげるって、約束したのに。 その言葉で、彼がどれほど傷ついたか。 あのひとは多分わかってくれるだろう。つまらない、と言ったのが、勝てなかったからではないことくらい。 でも、もしかしたら本当に、もう終わりなのかな。 あんな情けないことを言ってしまった自分は、誰が見ても本当につまらないだろうから。

6 21/07/11(日)01:25:24 No.822213666

「──あっ」 川面に近づきすぎたのがいけなかったのだろうか。濡れた草に足を取られて、坂から下に落ちてしまった。 ぽっかりと口を開けた黒い水面に、真っ逆さまに落ちてゆく。レースで転んだときと同じだ。反転してゆく景色がゆっくりに見える。 ああ、でも、もうそんなこと考えなくてもいいかな。あんな深い流れに落ちちゃったら、もう助からないだろうし。 本当におしまいかな。だって、トレーナーさんが見えるもの。 ──せめて、最後に謝りたかったな。

7 21/07/11(日)01:27:22 No.822214221

「──イ、セイ!」 意識がゆっくりと浮上していく。焦点が合うと、トレーナーさんの顔があった。 「よかった…!」 「あれ…わたし…」 安堵した様子のトレーナーさんから一気に力が抜ける。握った手がひどく冷たくて、また心が深みに沈みそうになる。 「…トレーナーさん、ずぶ濡れ」 本当に馬鹿だ。ひとりでずっと悩んで、大事なものも失くしてしまって。 「…寒いでしょ?」 トレーナーさんのことも、こんな目に遭わせてしまった。 「…こんなになって。ほっとけばよかったじゃん、こんなだめな子なんて」 「できるわけないだろ、そんなこと…!」

8 21/07/11(日)01:27:37 No.822214274

ああ、このひとはほんとにやさしいんだ。全部私の我儘のせいでこんなことになってしまったのに、恨み言のひとつも言わないなんて。 私には、勿体ないよ。 「…トレーナーさん。嫌だったら、もう辞めていいんだよ。 こんなだめな子に付き合ってたら、トレーナーさんのこれからも台無しになっちゃうよ」 だから、怒ってよ。もううんざりだって、言ってよ。 そうじゃないと、私が私のこと、許せないよ。

9 21/07/11(日)01:28:22 No.822214485

物理的に湿度が高い

10 21/07/11(日)01:29:37 No.822214819

「…嫌だ」 「…なんで!私、ずっと迷惑ばっかりかけてたんだよ!?トレーナーさんにあんなこと言って、ひとりで勝手に諦めて! …こんな私なんて、つまんないでしょ?だったら、もう、いなくなっちゃえば──」 「嫌だ!」 どうして。 わたし、もう走れないよ。もう、トレーナーさんに応えてあげられないんだよ? トレーナーさんに、ふさわしくなんか、ないよ── 「でも、わたし」 「セイがぼろぼろになるほうが嫌なんだ!」

11 21/07/11(日)01:29:48 No.822214875

不思議だ。濡れているのに、彼の腕の中はひどく暖かい。 「いいんだ。辛いなら、辛いって言っていいんだ。 ごめんな。ずっと気づいてあげられなくて」 心の温度。暖かくて、やさしくて。 もう、涙が出そう。 「…セイのこと、受け止められるようになりたいんだ。俺じゃ足りないかもしれないけど、そのためなら何だってするから。 だから、いなくなればいいなんて、言わないで──」 だめだよ、トレーナーさん。泣かないでよ。 私だって、もう、泣きそうなのに。

12 21/07/11(日)01:30:13 No.822214994

「ごめんね、トレーナーさん、ごめんね…!」 でも、今は大丈夫だから。雨が何もかも隠してくれるから。 ──だから、今だけは泣いていいよね。

13 21/07/11(日)01:30:51 No.822215181

「…トレーナーさーん、恥ずかしいからセイちゃんそろそろ離してほしいなー」 「だめだ。またどこかに行っちゃうかもしれないだろ」 「…わかりました、もうあんなこと言いませんから」 そう言うと、漸く腕を解いてくれた。想いを伝えてくれたのは嬉しいけれど、いくらなんでもこれは焦りすぎというものだろう。 暫く経って、少し気持ちは落ち着いた。恥ずかしいことだけれど、泣いて少しだけ楽になった。 でも、やっぱり気分は晴れない。結局、あのキーホルダーは見つからなかったのだから。 「でも、よかったよ、間に合って。あのまま川に落ちてたら、もう助けられなかったかもしれない」 彼がポケットをまさぐる。取り出したものを見て、驚かずにはいられなかった。 「それ…!」 少し汚れてはいたが、間違いなく私の探していたキーホルダーだった。 「どこにあったの?」 「土手の道のすぐ脇に落ちてたよ。風で偶然草が動いたから、運よく見つけられたんだ。 本当に運がよかったよ。これがあったからセイが近くにいるって思ったんだけど、すぐ下にやっぱりいた。 あとちょっと遅かったら、多分間に合ってなかったよ。本当に運がよかった」

14 21/07/11(日)01:31:15 No.822215297

手の中に戻ってきた猫は幾分汚れていて、長旅で随分くたびれた様子だった。 「…ありがとね。助けてくれたんだよね」 偶然というには出来すぎているけれど、今はただ嬉しい。これで漸く、何もかも元通りだ。 「それと、これ」 トレーナーさんが次にポケットから取り出したのは、八つ折りになったメモ紙。 開いてみると、『強豪ウマ娘弱点一覧』と書かれた下に、私がこれから対戦する予定のウマ娘の癖と、私のとるべき対策が書いてあった。 「…すごいですね、これ。私も知らないことが結構書いてある。 これ、どこから手に入れたんです?」 「…ずっと、考えてたんだ。セイのためにもっとできることないかなって。ウマ娘にはわからなくても、トレーナーにはわかることもあると思ったから。 でももしかしたら、それはあっちだって同じなんじゃないかって思ったらさ、案の定」 それを聞いて合点がいった。 私よりもずっと身近で、スペちゃんたちを見ている人といえば、それは当然、ひとりしかいない。 午後を休みにした理由が漸く解った。今までずっと、これを作っていたんだろう。

15 21/07/11(日)01:31:40 No.822215399

「いけないんだー。騙して極秘情報抜いてくるなんて」 「騙したんじゃないぞ。向こうから『教えてもらった』んだ」 軽口が戻ってきた。今見た情報だけで、もう何個か新しい作戦が浮かんでくる。 これならまだ、戦えるかもしれない。手があるかもしれない。 「…セイのやってきたことは、今まで積み上げてきたものは、絶対に間違いなんかじゃない。誰かに間違いだとも言わせない。 …それが、たとえ君であっても」 私の目をまっすぐ見つめてそう言ったトレーナーの目は、見たことがないくらい真剣だった。 「君の手の届かないものがあるなら、俺が絶対に手に入れてみせる。それでセイの活路が拓けるなら、何だってするよ。 だから、一緒に勝とう。勝って、何度だって笑おう」

16 21/07/11(日)01:32:42 No.822215695

「…ふふっ、あはははっ」 「なんだよ、笑わなくてもいいだろ?柄じゃないのはわかってるけどさ」 「…いえいえ、そうじゃないですよ。 ただ、すごく初歩的なミスしてました、ってことです」 本当に、なんて初歩的なミスなんだろう。こんなに頼れる強い駒を、今までろくすっぽ使ってこなかったなんて。 名人相手に飛車角落ちで、必死に仕手を考えていたというわけだ。詰まされて当たり前というものだろう。 まあいい。過ぎたことはいい。 これからは存分に使わせてもらえば、それでいいのだから。

17 21/07/11(日)01:32:52 No.822215742

「でも、トレーナーさんも大胆ですな~。セイちゃんだからいいですけど、聞く人が聞いたら誤解されちゃいますよ? それに、いくらなんでも信じすぎじゃない~?期待してくれるのは嬉しいけど、駄目なときはあっさりだよ?そうしたら、余計に落ち込んじゃわない?」 「だめだったら、そのときに考えればいいよ。 悔しくて泣くときも、勝って喜ぶときも、ずっと一緒だ。約束する」 ああ、もう。 このひとは本当にずるい。そんなことを言われて、嬉しくないわけないじゃないか。 でもさ、やられっぱなしは嫌なんだよね。 彼の隣に座って、そっと身体を預ける。 少し戸惑った彼の頬に、そっと── 「じゃあ、約束ね。 ──ありがと。見つけてくれて」 約束の感触が、唇に確かに残っていた。

18 21/07/11(日)01:34:18 No.822216107

気づけば雨はすっかり上がっていて、雲ひとつない星空が広がっていた。さっきの雨が湿気を払ってくれたのか、空はどこまでも澄んでいる。 「セイ、あれ」 彼の指差す先を見る。宝石のベルトのように星がつまった天の川が、天を横切って空の端まで伸びている。 その先には偶然、川の河口があった。 天を流れる川と地を流れる川が、地平線でひとつになって、どこまでも伸びていった。 「綺麗だね」 「うん」 握られた手は、もう暖かくなっている。 「また、見れるかな」 「見れるさ。来年も、再来年も」 その手に少し力をこめて、握り返した。少し恥ずかしいけれど、このくらいのことはしなければ。 「…トレーナーさんと、一緒じゃないと、やだからね」 想いは、ちゃんと言葉にしないと、伝わらないから。 「…うん。また一緒に、星を数えよう」

19 21/07/11(日)01:34:30 No.822216162

あなたと一緒に星を探そう。アルタイルも、ベガも、もっと暗い星でもいい。 あなたと一緒に見つけるものは、どんなものもきっと綺麗だから。 ──大切な想いを、なくさないで、よかった。

20 21/07/11(日)01:34:38 No.822216188

いいね…

21 21/07/11(日)01:35:03 No.822216304

いちゃいちゃするセイちゃんは健康にいい 寝る前にいいものをありがとう…

22 21/07/11(日)01:36:07 No.822216584

良い……

23 21/07/11(日)01:36:08 No.822216590

よかった…

24 21/07/11(日)01:36:21 No.822216651

おわり 本日は夕方から夜にかけて強い雨が降りますが、夜中には晴れ、綺麗な星空が見えるところもあるでしょう

25 21/07/11(日)01:36:44 No.822216777

救いがあると心が修復されて助かる

26 21/07/11(日)01:37:18 No.822216918

なんだか実装前夜の曇天ぶりを思い出せて良い…

27 21/07/11(日)01:42:28 No.822218350

雨の中脱走するウンスと追いかけるトレーナーの幻覚があまりにも鮮明すぎる…

28 21/07/11(日)01:43:51 No.822218734

祝福ッ!担当ウマ娘とは幸せになッ!

29 21/07/11(日)01:44:24 No.822218873

ありがとう 最高の綺羅星だ

30 21/07/11(日)01:45:38 No.822219188

一年に一回しかトレーナーさんと会えなくなったらセイちゃん寂しくて死んじゃうよ…

31 21/07/11(日)01:46:05 No.822219317

三女神はこういうの見てちゃんと学んでほしい

32 21/07/11(日)01:47:02 No.822219525

届けアルタイルの矢 射落とせオリオンの矢 願いよ届けアルテミスへの祈り

33 <a href="mailto:三女神">21/07/11(日)01:47:09</a> [三女神] No.822219550

>三女神はこういうの見てちゃんと学んでほしい 雨晴らしときますね

34 21/07/11(日)01:47:39 No.822219671

すごい名文だ…

35 21/07/11(日)01:48:19 No.822219853

ぶっちゃけトレーナーが除湿しないとあっという間にここまで加湿してしそうなぐらいギリギリだよね…

36 21/07/11(日)01:49:44 No.822220264

ひとりとひとりがふたりになるのいいよね…

37 21/07/11(日)01:55:27 No.822221882

失踪しちゃうセイちゃんが否定されるどころか釣果ゼロで具体化されたからな…

38 21/07/11(日)01:56:22 No.822222114

すぐ思いつめちゃう子にその思いを受け止めれるトレーナーをぶつける どうです?

39 21/07/11(日)01:57:35 No.822222444

予想された失踪は本編でもやったけど ちゃんとトレーナーとキングで両脇から逃がさない流れにしたあたり プロやな──と思った

40 21/07/11(日)01:58:34 No.822222683

>すぐ思いつめちゃう子にその思いを受け止めれるトレーナーをぶつける >どうです? ぶぶ~ セイちゃんの好感度はそう簡単に上がりませんよ~

41 21/07/11(日)01:59:30 No.822222911

>>すぐ思いつめちゃう子にその思いを受け止めれるトレーナーをぶつける >>どうです? >ぶぶ~ >セイちゃんの好感度はそう簡単に上がりませんよ~ (好感度がゲージから溢れ出して壊れる音)

42 21/07/11(日)01:59:31 No.822222916

>セイちゃんの好感度はそう簡単に上がりませんよ~ (カンストしているのでこれ以上上がらない)

43 21/07/11(日)01:59:53 No.822222988

>セイちゃんの好感度はそう簡単に上がりませんよ~ (だから好感度上がるようなことたくさんしてくださいね)

44 21/07/11(日)02:00:58 No.822223247

>プロやな──と思った 期待に応えつつ予想は少し外してくる絶妙なバランスだったよね…

45 21/07/11(日)02:01:19 No.822223326

ぴろぴろぴろ…ぶぶー☆

46 21/07/11(日)02:01:25 No.822223340

さすがに本編は怪文書なんかと違ってキングという親友は葛藤を察してたりバランスよくできてるよね これは怪文書だから二人ぼっちになっていい

47 21/07/11(日)02:02:09 No.822223517

このぐらいの曇らせが一番いいし限度だよね…だから三女神と原作の神は反省して欲しい

48 21/07/11(日)02:02:58 No.822223698

競馬神はゲイのサディストだからな…

49 21/07/11(日)02:03:30 No.822223812

たまには薄暗い曇天もいいよね…

50 21/07/11(日)02:04:14 No.822223996

>セイちゃんの好感度はそう簡単に上がりませんよ~ でえ~、そうなの?残念… 俺からの好感度ならマックスなんだけどなぁ…

51 21/07/11(日)02:05:50 No.822224384

ナイスセイちゃん

52 21/07/11(日)02:06:06 No.822224451

セイちゃんのトレーナーが上手く舵取りしないとあっという間にこうなるんだろうな…

53 21/07/11(日)02:06:13 No.822224478

>>セイちゃんの好感度はそう簡単に上がりませんよ~ >でえ~、そうなの?残念… >俺からの好感度ならマックスなんだけどなぁ… (スカウターが爆発)

54 21/07/11(日)02:06:31 No.822224555

>俺からの好感度ならマックスなんだけどなぁ… はぁ…ほんとそういうとこ そういうとこですよトレーナーさん …今日は帰りまーす

55 21/07/11(日)02:06:52 No.822224634

おじいちゃんとか理解者がいて自己肯定感どん底ってわけじゃないのがいいよね 期待して折れる余地があるのが

56 21/07/11(日)02:07:13 No.822224688

>…今日は帰りまーす (ベットに顔を埋めて脚バタバタ)

57 21/07/11(日)02:07:27 No.822224754

>たまには薄暗い曇天もいいよね… 曇天から見える晴れ間は美しいからな

58 21/07/11(日)02:07:47 No.822224843

>>セイちゃんの好感度はそう簡単に上がりませんよ~ >でえ~、そうなの?残念… >俺からの好感度ならマックスなんだけどなぁ… ふふふ、一方的じゃダメなんですよー ちゃんと!セイちゃんが喜ぶこと考えて実行してくれなきゃ☆

59 21/07/11(日)02:07:49 No.822224851

自己評価ドン底な子は別にいるしな…

60 21/07/11(日)02:07:50 No.822224854

実装前夜は過剰に曇らせてたしそれも大好きだったけど 実際はもっと熱いストーリーで良かったよね…

61 21/07/11(日)02:08:59 No.822225096

>セイちゃんのトレーナーが上手く舵取りしないとあっという間にこうなるんだろうな… かよわいセイちゃんはのんびりサボるつもりだったのに… こんな勘違いさせたトレーナーさんが悪いですよね?

62 21/07/11(日)02:09:19 No.822225168

銀魂の曇天の歌詞がぴったりだと思う

63 21/07/11(日)02:09:59 No.822225302

実際来てみると具体的な弱さが露わになって曇らせると洒落にならないのがよく分かったからな…

64 21/07/11(日)02:10:14 No.822225349

>実装前夜は過剰に曇らせてたしそれも大好きだったけど >実際はもっと熱いストーリーで良かったよね… まぁそれはどの子もスポ根ではあるしな トレーナーも甘い言葉で包むわけじゃなく海に飛び込んで魚を無理やりタモに追い込むぞ!

65 21/07/11(日)02:10:51 No.822225473

>そういうとこですよトレーナーさん >…今日は帰りまーす 見てキングちゃん!セイちゃんが逃げに走ってるよ! 据え膳食べないなんてもったいないべな~?

66 21/07/11(日)02:12:24 No.822225760

スペシャルウィークさん!!!!!

67 <a href="mailto:おまけ">21/07/11(日)02:14:08</a> [おまけ] No.822226071

「3年間おつかれさまでした~。はい、セイちゃんのプレゼントですよ~」 「ありがとう、セイ。 なぁ、今、開けてもいいかな」 渡した小箱を開けた彼の表情には、少しの驚きが伺えた。 よしよし、作戦は成功ですね。 「これ、ブルーダイヤか…?」 「おや、お目が高いですね~。大事にしてくださいね、賞金、随分奮発したんですから。 あと、お返しは3倍からでいいですよ~?楽しみにしてますね」 一対のシックなイヤリングの真ん中には綺麗にカットされた青い石が嵌っており、荘重だがのっぺりしがちな全体の外観に、よいアクセントをもたらしていた。 嬉しさ半分、高いものをもらって申し訳ないという後ろめたさ半分というトレーナーさんの顔を見て、流石に申し訳なくなって種明かしをする。 「なんちゃって。まあ、もちろん本物じゃありませんよー」 当たり前である。確かにこの3年間、この人のおかげでG1レースも随分と勝てたし、貯蓄もあるほうではあるけれど、所詮は学生の身分。本物のブルーダイヤを買おうと思ったら、あと10回はレースに勝たなくてはならない。

68 21/07/11(日)02:14:42 No.822226167

セイちゃんはURAファイナル終わったあとレースよりも恋人を選ぶのもギリギリありそうくらいの弱さと諦観を感じる

69 21/07/11(日)02:15:02 No.822226240

「でも、天然石ではあるんですよ?半貴石って言ってね、宝石じゃないしずっと安いんだけど、同じようににきらきら光るんです。 それに、イヤリングのデザインとかカットとかはちゃんといいところに頼みましたから。 ですから、きちんと手間暇はかけているのです、ぶいっ。 まあ、肝心の石はこの通り、宝石の紛い物ですけどね」 普通の贈り物ならば、こんなことはしない。どんなに細部に凝っていたって、どんなに見た目が綺麗だって、肝心の石が本物じゃないなら、その価値はどうしたって落ちてしまうのだから。 本物はただ本物であるだけで、価値があるのだから。 でも、本物じゃなくても。 着飾って、背伸びした、偽物でも。 「でも、綺麗だよ。 本物に負けないくらい、綺麗だ」 それでも、いいですかと言ったら、ちゃんとこのひとは応えてくれるのだ。

70 21/07/11(日)02:15:03 No.822226248

ウワーッ続き!

71 21/07/11(日)02:15:30 No.822226329

一対のイヤリングの片方を取ると、トレーナーさんはそれを私の右耳につけた。 そうして残ったひとつを、今度はおもむろに自分の左耳に付ける。 「こっちはセイが付けててくれ。俺の気持ちだ」 もう、ほんとに。 いつから、そんなたらしみたいなこと、できるようになったんですか。 「…ふーん?そういうことしちゃうんだ。 やっぱりずるいね。トレーナーさん」

72 21/07/11(日)02:15:42 No.822226372

偽物の宝石も、きっといつまでも輝くのだろう。 「ずるくていいよ。セイが喜んでくれるなら、それで」 ちゃんと愛してくれるひとを、見つけられたから。

73 21/07/11(日)02:16:26 No.822226488

もう片耳にトレーナーが三ヶ月分の給料つぎ込んだ本物を付けるんだ…!

74 21/07/11(日)02:16:29 No.822226501

ウワーッ!お幸せにー!

75 21/07/11(日)02:16:33 No.822226514

おまけまで傑作とは驚いた… やはりセイちゃんは幸せな結末が似合うね

76 21/07/11(日)02:16:38 No.822226529

(部屋の外で鼻の下擦ってる黄金世代ズ)

77 21/07/11(日)02:16:44 No.822226551

お幸せにとしか言えない…すき…

78 21/07/11(日)02:17:03 No.822226605

名文セイちゃん!!!

79 21/07/11(日)02:17:10 No.822226631

俺の中のデジたんがどんどん死んでいく

80 21/07/11(日)02:17:19 No.822226664

>本物はただ本物であるだけで、価値があるのだから。 >でも、本物じゃなくても。 >着飾って、背伸びした、偽物でも。 いいねえ…こういう主題の表現すき!名文だ

81 21/07/11(日)02:17:44 No.822226760

>セイちゃんはURAファイナル終わったあとレースよりも恋人を選ぶのもギリギリありそうくらいの弱さと諦観を感じる 自分の能力を見極めながら、活躍できる所を探して仕事や環境を変えられるタイプだと思う

82 21/07/11(日)02:20:09 No.822227208

>中世のヨーロッパでは男性は敵から身を守るため利き腕である右側は常に空いた状態であることが望ましく、そのため守るべき女性を自分の左側にして歩いていました。 >女性と密接する左側にピアスをして「勇気と誇りを掛けて守る」という想いを伝え、対になったピアスを贈られた女性は、右側にピアスをつけることによってその想いにこたえたというのが由来。

83 21/07/11(日)02:20:57 No.822227356

貴方を護ります、をセイちゃんから言ってるのカッコよすぎない?

84 21/07/11(日)02:21:22 No.822227425

ウワッウワッー!!かっけーー!!!

85 21/07/11(日)02:21:49 No.822227505

グッドエンドはオージに挑みにいくぜセイちゃんとトレーナーはまだまだこれからだぜって感じだけど 隠居したいとか全盛期過ぎてるとかの台詞は半分本気なんかな…みたいな勘ぐりをしちゃう

86 21/07/11(日)02:21:56 No.822227530

触れて未来を

87 21/07/11(日)02:22:10 No.822227568

イヤリングを分け合うのすげえ好き 何も付けられてない二人の耳にトレーナーからトルマリンで作られたイヤリング付けてやりたい…

88 21/07/11(日)02:22:19 No.822227598

ここまでいいのは予想外だ畜生!ありがとう!

89 21/07/11(日)02:22:32 No.822227631

空気を読まずに粉砕するボク!!!

90 21/07/11(日)02:23:03 No.822227727

>空気を読まずに粉砕するボク!!! 救いはないのですか~

91 21/07/11(日)02:23:11 No.822227759

学生がトレーナーとおそろいのイヤリングしちゃだめだよ!

92 21/07/11(日)02:23:16 No.822227770

でもまぁ…粉砕されてもね 私にも一心同体の…なんちゃってー☆

93 21/07/11(日)02:24:02 No.822227910

>学生がトレーナーとおそろいのイヤリングしちゃだめだよ! おうちデートするときにだけ付けるんだ…

94 21/07/11(日)02:24:09 No.822227933

俺には一心同体のスカイがいるからな!!

95 21/07/11(日)02:24:22 No.822227967

>でもまぁ…粉砕されてもね >私にも一心同体の…なんちゃってー☆ 最後まで言え… 照れるな…

96 21/07/11(日)02:25:01 No.822228080

>>学生がトレーナーとおそろいのイヤリングしちゃだめだよ! >おうちデートするときにだけ付けるんだ… おうちですることとかうまぴょいぐらいしかないですよね?

97 21/07/11(日)02:25:44 No.822228205

>おうちですることとかうまぴょいぐらいしかないですよね? 手をつないだりご飯一緒に食べたりとかあるし…

98 21/07/11(日)02:26:10 No.822228269

>空気を読まずに粉砕するボク!!! まぁうんそこはレースだからな でも挑んだことは後悔しない二人だろう

99 21/07/11(日)02:27:22 No.822228470

>照れるな… いや流石にちょっと… >俺には一心同体のスカイがいるからな!! ちょっ…!!

100 21/07/11(日)02:27:56 No.822228579

セイちゃんが今年268回目の敗北を喫してしまった…

101 21/07/11(日)02:28:40 No.822228708

こんなありがたいものお出しされたら触発されて水っぽいの書きたくなってしまう…

102 21/07/11(日)02:29:32 No.822228843

今年まだ200日くらいしか経ってませんけど?!

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