虹裏img歴史資料館

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21/07/09(金)23:05:02 その太... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1625839502577.png 21/07/09(金)23:05:02 No.821781427

その太陽は朧月を眺め、過ぎ去りし日々を回顧する ========= 「また会えるわよ。」 俯くオレっちに、あんたは微笑みながらそう言い残して故郷へ帰っていった。 別段寂しいわけじゃねえ。悲しくもねえ。ただ淡々と船が見えなくなるまで見送っていた。 だけど、あの日から、自分の中で何かが変わった。変わっちまってた。 そのことに気付いたのは、ずっと後になってからだけど。 そしてその変化は、オレっちとあの子の関係を大きく変えていくことになる。 けど、この時はそんなことになるなんて、何一つ気付いちゃいやしなかった。 何かが動き出したのは…あの時からだろうか―

1 21/07/09(金)23:05:23 No.821781575

1. 「運び屋サンです!荷物お届けにあがりましたー!」 お天道様が毎日ギラギラ輝く7月のはじめ。ハウオリシティのはずれにあるククイ博士の研究所へ荷物を届けにやってきた。 「おお良いところに来たな!」 博士がドアの隙間から顔をひょっこり出す。 「ん?お昼ご飯でも奢ってくれんのか?」 「それついでにお前に頼みたいことがあってな。」 サインをしながら博士がそう答える。へへ、ラッキー…ん?頼み事? 「ってことは仕事かい!やるやる!!」 「ヨシッいい返事だ!男に二言はないな?」 「ったりめえだ!お金を貰う以上仕事は誠心誠意こなす!それがオレっちのモットーだ!知ってんだろ?」 今は従業員の給料も出さなきゃいけねえし、これまで以上に頑張らねえといけねえからな。

2 21/07/09(金)23:05:37 No.821781673

「実はな…」 昼メシを食いながら、博士が真剣な目つきでオレっちを見つめる。 「ムーンへのプレゼントを選んできてほしい。」 …あん? 「知っての通り、10日後にムーンがまたアローラに帰ってきてくれる。」 「らしいな。」 「そこで、歓迎会のほかにボクたちみんなからのプレゼントを用意することにした。」 「ふーん。で、そのプレゼントの中身をオレっちに選べってことか。……ん?それで報酬貰えんのか?」 「いや?」 はあっ!?それじゃあタダ働きじゃねえか! 「そりゃねえよ~!博士だって知ってんだろ?オレっちが忙しいことをさ。」 「他のみんなからはプレゼント代を徴収してるんだ。お前には代金徴収の替わりにプレゼント選びを“仕事として”頼んだんだ。これなら文句ないだろう?」 うぐっ…。 「まさかお前だけムーンの為に何もしない…なんてことはないよな?」 ぐむむ、…確かに損はしてないし、まあいっか。

3 21/07/09(金)23:05:52 No.821781767

「分かったよ。買ってくりゃあいいんだろ?」 「おう、よろしく頼むよ。これ集金分のお金な。」 「はいはい。で、どんなの買ってくればいいんだい?」 「それはお前が選ぶんだ。」 メンドクセー…まあいいや、予算内で一番高いヤツなんか買ってくりゃあ… 「と、考えると思って、マオとスイレンにもプレゼント選びのサポートを頼んでおいたぞ。」 おっそいつは選びがラクチンに……って、 「だったら最初からそっちに選ばせりゃあ良いじゃねえかよ!」 「いや、今回はお前に選んで欲しいんだ。」 あん?みんなからのプレゼントなんだから、誰が買っても同じだろ? 「お前なりに、ムーンへのプレゼントを選んで欲しい。色々大変だろうが、頼んだよ。」 「?…おう。」

4 21/07/09(金)23:06:05 No.821781853

2. 「おーい!サンくんこっちこっち。」 「きょ、今日はよろしくお願いします…。」 「へえへえ。」 翌日、コニコシティのショッピング街に集合するオレっちとマオさん、スイレンさん。 「さて、早速プレゼント選びはじめますか!サンくん何か候補考えてきた?」 「ん?何も。」 「じゃ、じゃあノープランですか…?」 「あんた達いるしどーとでもなるじゃん!」 どーせ何か考えてってもあーだこーだ口出されそうだし、最初から二人に任せといた方が良いんじゃねえか。オレっちの経験則がそう語る。 「それはそれで困るけどなぁ…ふーむ、じゃあジャンルだけでも決めておこうか。あたしは食べ物より小物とか衣類が良いと思うな!」 だって歓迎会であたしの手料理振る舞うし!と自信満々のマオさん。食べ物はナシ…っと。

5 21/07/09(金)23:06:18 No.821781932

「わ…わたしも、その意見に賛成です。アローラに暫く住む訳ですし、せ、生活に役立つものがいいのかも…。」 「だねえ、でも生活必需品は実家から持ってきそうだし。薬関係はもう持ってる可能性もあるし、お祝いで渡すものでもないよねー…サンくん他にムーンちゃんが好きそうなもの知らない?」 「知らね。 …あー待てよ、」 お客さんが好きそうなもんていえば…弓矢と毒か。 「毒矢で良いんじゃねえの?」 「そんなもの売ってないよ!」 「ま、真面目に考えて下さい…!」 ほら!やっぱりこうなっちまう。 「まあいいや!とりあえずブティックから当たっていこっか!」 レッツゴー!と服屋に入っていく二人。

6 21/07/09(金)23:06:35 No.821782050

「ねねね!これとかムーンちゃんに似合いそうじゃない?」 「あ…こ、これもいいと思います…。」 あこれカワイイー!あっこっちも!と店内を駆け回るふたり。ショッピングなんて無駄に金かかるのに何がそんなに楽しいんだ…? 「ねえサンくん、ムーンちゃんにはどっちが似合うと思う?」 「こ、これもどうでしょうか…?」 「ん?なんでオレっちに聞くんだよ?」 「プレゼント担当はサンくんだし、それにムーンちゃんと一番一緒に過ごしてたじゃない。」 「んー…んんー…??」 お客さんが着ているのを想像してみるも、イマイチピンとこない。てかお客さんてどんな顔してたっけ…?全体的にぼやけた姿しか思い出せねえ。

7 21/07/09(金)23:06:56 No.821782209

「ムーンちゃんどんな格好してた?こういう感じの服持ってた?」 「んー、全然覚えてねえや。」 「サンくん記憶力大丈夫…?いや、興味がなさすぎるのか…?」 「あの…ふ、服とかは、本人と一緒に回った方が楽しいのかも…」 「うーん、確かに。じゃあスイレンの言う通り、日用品がいいかな?でもムーンちゃん大金持ちなんだよね。この予算でお眼鏡に叶うもの買えるかな…。」 「「うーん……。」」 ふたりして頭を悩ましてんのを見て大変そうだなぁと、欠伸をしながら思う。

8 21/07/09(金)23:07:12 No.821782319

「って、サンくん何他人事みたいな顔してるのさ!」 あたしたちはあくまでサポートなんだから!と説教される。 「めんごめんご。だってよう、女の子が何貰って嬉しいかなんて考えた事ねえし、さっぱり分かんねえからさ。」 「そこは“女の子が”じゃなくて、“ムーンちゃんが”って考えてみて。あたしやスイレンだって貰って嬉しいものは全然違うし。」 「だったらやっぱ毒矢が」 「毒矢あげても使う相手いないでしょ!」 「あ…それもそっか」 なんなら毒矢をあげた瞬間それで刺されるよ!と脅される。こわ~…。 「サンくん、もっと相手がどう思うかを考えて選ばないとダメだよ。」 「ん~、つってもお客さん心広いからなぁ。みんなからのプレゼントってだけでなんか喜びそうだし、別に中身はそんな真剣に考えなくても良い気がす…」 「何言ってるんですか!!!」 急に雰囲気が豹変するスイレンさん。えっ、いまバトル中でしたっけ…?

9 21/07/09(金)23:07:32 No.821782461

「プレゼント選びも真剣勝負です。そんな生半可な気持ちで勝負を決するなんて絶対に許しません。」 「は…はい」 相変わらずの威圧感に気圧されちまう。…やっぱこの人とお客さんがアローラ二大おっかねえ女の子だな。 「ふーむ…よし!今日は一旦やめにして、後日また選びに来よっか。」 「へ?」 「今日はあたしたちも盛り上がっちゃったけど、プレゼント選びの主役はサンくんだもの。サンくんがムーンちゃんにプレゼントしたいって思うものをまずは考えてきて。」 だったら今ここで…と言うオレっちにフルフルと首を横に振るマオさん。 「サンくんのいう通り、ムーンちゃんならどんなプレゼントでもきっと喜んでくれると思うんだ。だからこそね、サンくんには本気で考えてほしいの。」 マオさんは真剣な目つきで、だけど諭すような笑顔でオレっちに宿題を渡してきた。 「サンくんにとって、ムーンちゃんはどんな存在?どんな風に喜んでほしい?サンくんなりにムーンちゃんのこと色々考えてさ、その上でプレゼントを選んでみて?あたしたちはそれにアドバイスをするから。」 結局この日は解散して、3日後にまた集まることになった。

10 21/07/09(金)23:07:46 No.821782571

3. お客さんのこと考えろ、かあ…。 アーカラ島からの帰りの船に乗りながら、2人から言われたことを思い返す。 ⦅プレゼント選びも真剣勝負です。⦆ そうだよな、一応仕事で請け負ってるからな。そこはちょっと反省しなきゃいけねえ。 ⦅サンくんにとって、ムーンちゃんはどんな存在? ⦆ んー、どんな存在って言われても…何か月も会ってないからか、顔も声もハッキリと思い出せねえ…そういや、オレっちとお客さんてどんな関係なんだろうな?運送屋と客?仲間?ダチ? 振り返ってみれば、お客さんとの関係について深く考えた事なかったことに気付く。あれ?なんで一緒にいたんだっけ?えっと…気付いたら、なんとなく一緒に行動するようになって、それから―― 「コイツは…思ったより難問だな。」 デッキに出て潮風を浴びながらポツリと呟く。

11 21/07/09(金)23:08:00 No.821782688

メレメレ島に戻ると、なんとなくビーチに足を運ぶ。 確かここでお客さんと初めて会ったんだよな。 ええっと…なんでかお客さんとロトムをククイ博士のとこに送ることになって、そんでカプ・コケコにも出会って…。そうそう、そん時足の怪我を治してくれたんだよな。 ビーチから歩きつつ、コケコに出会った場所へ向かう。 あそこの木…そうだそうだ!木の実が必要だからって弓矢を使ってたんだ。んで、足を治してくれて…本当、なんでも出来てスゲェよなあ。 おぼろげにだけど、お客さんの凄さを思い出していく。あとおっかねえ雰囲気も。 けど、それをどうプレゼント選びにつなげりゃ良いんだ……?ん~………(プシュー)…。 暑さもあってか、段々とアタマがショートしてきた。ダメだ、今日はもう家帰ろう…。 そう思っていた矢先、急にカバンから着信音が鳴り響く。 誰からだろうと確認すると、ククイ博士からだった。

12 21/07/09(金)23:08:16 No.821782832

「あんだよ博士。」 『ようサン!プレゼント選びは順調か?』 「それがよう、かくかくしかじかで…。」 『ハハハ!だがそれは大切なことだな。(やっぱりあの子たちをつけといて良かった)…まあしっかり選んでくれよ!』 他人事だと思ってこんにゃろー…こっちは真剣に参ってんだぜ? 一言文句を言おうとした瞬間、ちょっと待ってろ、と何やらガサゴソやり始めた。 あんだ…? 「おーい、博士どうしたんだよ?」 『運び屋さん?』 聞きなれた女の子の声が耳に入ってくる。 「………へ?」 さっきまで思い出せなかったのに、聞いた瞬間すぐに分かった。この声は…

13 21/07/09(金)23:08:35 No.821783003

「お…お客さんっ!?」 ヤベェ!もうアローラに帰ってきたのか!?まだプレゼント選び終わってねえぞ! 『いまモニター越しでムーンと通話しててな。』 あ、そういうことかビックリした…。 『久しぶりね。相変わらず元気そうな声で安心したわ。』 「そうかい?お客さんも元気そうだな!」 『まあね。大きな怪我はしてない?』 「大丈夫だよ。小さな怪我はしょっちゅうだけどな!ガハハ。」 ガハハじゃないわよ(はぁ~)…と呆れ半分の声が聞こえてくる。その声色を聞いて、お客さんと会話してんだなってのをより実感できた。

14 21/07/09(金)23:08:58 No.821783208

『運び屋さん、わたしへのプレゼント選んでくれてるんだって?』 「え?…まあ、そうなっちまってよう。」 『イヤそうね?』 「そうなんだよ。…ん?あいや!?イヤっつーか難しくて…」 『ハイハイ。』 「あぅ…」 『フフッ。…運び屋さんがどんなものをくれるのか、楽しみにしてるね。』 からかうような、けどどこか嬉しそうな声色で、お客さんがそんなことを言う。 『それじゃあ切るぞサン、急に済まなかったな。』 『またね。』 「うん、じゃあまた。」

15 21/07/09(金)23:09:32 No.821783473

通話が途切れてからもしばらくの間、頭ン中でお客さんの声をリピートしていた。 ⦅運び屋さんがどんなものをくれるのか、楽しみにしてるね⦆ その言葉が、何度も駆け巡る。 お客さんがプレゼントを楽しみにしてくれてる。 アタマじゃ元々そう理解してたけどさ、実際に言われると…俄然込み上げてくるものがあった。 いっそ直接本人に聞けばよかった、とも一瞬思ったけど、いや…これで良いんだ。 お客さんが楽しみにしてるのは、オレっちが選んだプレゼント。 だから、今オレっちがやることはゼンリョクで考えること。

16 21/07/09(金)23:09:47 No.821783596

4. それから毎日お客さんのことを考えてみる。 仕事中の合間や、飯の時間も、寝る前も。少しずつ忘れていた思い出を掘り起こしていく。 そうやって思い出す記憶を辿ると、お客さんに助けられてばっかってことに気付く。 初めて出会った日も、ゼンリョクバトルの時も、島めぐりの時も、ウルトラスペースの時も、ネクロズマとの戦いも、いつもお客さんがオレっちを助けてくれた。 それは何でなんだろう…? オレっちの怪我を治してくれたり仕事を手伝ってくれたり、挙句の果てには自分の身を危険に晒してまで助けてくれようとしたり…そんなことする義理はどこにもねえだろうに。むしろ、お客さんだって本当は使命があってアローラへやって来てたんだよな。 本当の答えはお客さん本人に聞いてみるしかねえが、どうもあの子の性格がそうさせてる気がする。

17 21/07/09(金)23:09:59 No.821783700

アタマが良くて、腕っぷしも度胸もあって、何でもできて、心が広くて、優しい。 そのせいか、誰かの命や怪我には敏感なのに、自分のことは棚に上げて無茶しちまう。だから、自分の身よりも周りを優先させがちなんだ。 そんで、オレっちはその優しさや無茶に甘えてた。 情けねえ話だけど、お客さんとの思い出を振り返ると、スゲェって尊敬の念やおっかねえって恐怖心も沸いてくるけど、なんだか凄くあったかい気持ちになれる。 そのあたたかさは、身体を内側から癒してくれるようだった。 本人がいないとこでもこうしてオレっちを助けてくれてるんだな。 「なにか恩返しがしてぇ。」 ヒョコっと、そんな感情が浮かび上がってきた。 …ああそうか、難しく考える必要なんてなかったんだ。今回のプレゼントは、オレっちがお客さんにできる恩返しのひとつなんだ。 けど、じゃあ何をあげれば良い…?お客さんへの感謝の気持ちを込めつつ、喜んでくれそうで、恩返しになるようなもの……ダメだ、またショートしちまう。いや諦めんな、まだ時間がある、ギリッギリまで考えろ…!

18 21/07/09(金)23:10:19 No.821783874

そして、明日がいよいよ二度目の買い出しの日。今夜中に決めねえと…。 そう思うが、日中の暑さに体力を持ってかれたのか、普段使ってねえ脳ミソを使ってるからか、そうした連日の疲れが溜まっているのか、全然アタマが働かねえ…。 何かを求めるように、スルスルと窓の方へ向かう。 そして、窓から見えるお月さんを眺めながら、その温かい光を浴びる。 オレっちは、あんたに何をしてあげられるかな…? オレっちができること…できること……… 「……フガッ…っとと、いけねえいけねえ。」 月光と夜の潮風が温かさと涼しさを届けてくれて、あまりの心地よさに気を抜くとウトウトしちまう。 お客さんが「夜が好き」って言うのも今ならちょっと分かるぜ。この心地いい光と温かさも、日中は元気過ぎて眩しさと暑さとに変わっちまうからなぁ。 ………ん? …おっ、そっか、それなら、うんうん。 「…おっし、決めた!」

19 21/07/09(金)23:10:34 No.821783976

翌日、二人にはハウオリシティまで来てもらった。 「おはようサンくん、何かプレゼントは決まった?」 マオさんの問いかけに頷きながら、カタログのページを開く。 「オレっちは、これが良いと思うんだけどさ。」 自分なりに考えた理由を説明する。 「…うん!良いと思うよ!あたしは賛成!」 「わ…わたしもそれに賛成で。」 「ほ、ホントかい!?…ふぃ~…。」 やればできるじゃん!と言いながら弄ってくるマオさん達。とりあえずふたりの了解を得ることができてホッと胸を撫でおろした。 「サンくんなりにムーンちゃんがどういう存在か、答えを出すことができたんだ?」 「うんまあ、一応…?」

20 21/07/09(金)23:10:50 No.821784114

オレっちにとってお客さんは、“恩人”。 それが一先ずの答えだった。 けど、なんだかまだしっくり来てない。プレゼントを選ぶ上ではこれで良いけど、もっと色々ある気がするんだ。 ……お客さんはオレっちのことどう思ってんのかな? そんな疑問が沸いてきたが、多分答えが見つからねえから今は考えないようにした。

21 21/07/09(金)23:11:01 No.821784206

そして、いよいよその日が近づいてきた。 早めにベッドに入って明日に備えて目をつぶる。 いよいよお客さんが帰ってくる。…最近そのことばっかり考えてたからか、妙に緊張してきたぞ…。 いやいや、別に久々に会うってだけじゃねえか。何も緊張するこたあねえ。プレゼントのチョイスもマオさんとスイレンさんのお墨付きだし、きっと喜んでくれるはず… ふとプレゼントを渡した光景を想像する。 すると、急に鮮明なあの子の笑顔がまぶたの裏に映し出された。 ⦅また会えるわよ⦆ …ああ、そうだ。あの時の、この笑顔だ。 なんで今まで忘れちまってたんだろうな。あの日はあんなにも― その記憶を思い出した途端、急に心臓がキュッとするような感覚に襲われる。今までとは逆に、胸が苦しい。だけど、あの笑顔がまた見れるかと思うと、なんだか嬉しいような、どこか恥ずかしいような…なんだろうなこの感覚? そんなことをアレコレ考えてる内に身体が火照って寝付けなくなっちまった。 「どうなってんだチクショウ…。」 気付けば深夜0時を回ろうとしていた。

22 21/07/09(金)23:11:32 No.821784454

======= 『ムーン、もうすぐ到着ロト。』 「うん、やっぱりこっちは暑いわね。」 『“キャラと合ってない”問題はもう大丈夫ロト?』 「それは今も思ってるけど…、みんなに会えることの方が嬉しいかな?」 少女を乗せた船は、ゆっくりと着実に海を進んでいく 「元気にしているかしら、運び屋さん。」 つづく

23 <a href="mailto:s">21/07/09(金)23:11:43</a> [s] No.821784554

以上です

24 21/07/09(金)23:12:15 No.821784807

お疲れさまです サンの心理描写凄い…

25 21/07/09(金)23:14:54 No.821786104

>サンくん他にムーンちゃんが好きそうなもの知らない?」 >「知らね。 …あー待てよ、」 >お客さんが好きそうなもんていえば…弓矢と毒か。 >「毒矢で良いんじゃねえの?」 >「そんなもの売ってないよ!」 >「ま、真面目に考えて下さい…!」 ここの運び屋が本当に運び屋すぎる

26 画像ファイル名:1625840306492.png <a href="mailto:s">21/07/09(金)23:18:26</a> [s] No.821787805

挿絵です シリーズものになります 一応これまで自分の中で練ってきた運ムンの総決算のつもりです(別に終わりってことではない) なので読み辛いとか分かりにくいってとこはバシバシ指摘してもらえるとありがたいです

27 21/07/09(金)23:21:07 No.821788974

総決算か…構成とかがいつも以上に練られてると思ったらそうだったのね

28 21/07/09(金)23:24:37 No.821790368

書き込みをした人によって削除されました

29 画像ファイル名:1625840694956.png <a href="mailto:s">21/07/09(金)23:24:54</a> [s] No.821790487

挿絵です

30 21/07/09(金)23:26:30 No.821791091

>1625840694956.png このときのサンのイメージサン本人もビックリしそうなくらいあやふやだな…

31 画像ファイル名:1625840962010.png <a href="mailto:s">21/07/09(金)23:29:22</a> [s] No.821792216

挿絵です >このときのサンのイメージサン本人もビックリしそうなくらいあやふやだな… どーしてもどう考えてもサンはムーンの容姿とか声とか忘れてそうだなと そんなサンがこれからどう変化していくのかを描ければ 週1ペースで投稿できるよう頑張ります

32 21/07/09(金)23:30:09 No.821792494

>1625840962010.png スイレンも怒りが隠せていないね

33 画像ファイル名:1625841341016.png <a href="mailto:s">21/07/09(金)23:35:41</a> [s] No.821794535

挿絵です 最近22時に立てた試しがないので今後は金曜23時(感想スレが終わった後)に変更しようかと思います

34 21/07/09(金)23:36:55 No.821794962

>1625841341016.png 南国だけにサンとムーンは比喩しやすい気がする

35 画像ファイル名:1625841922282.png <a href="mailto:s">21/07/09(金)23:45:22</a> [s] No.821798125

挿絵です

36 21/07/09(金)23:46:07 No.821798376

>1625841922282.png ホントに脳裏に映ったようなムーンいいですね…

37 画像ファイル名:1625842491577.png <a href="mailto:s">21/07/09(金)23:54:51</a> [s] No.821801491

挿絵です

38 21/07/09(金)23:55:41 No.821801779

>1625842491577.png 思春期ちょっと前辺りだろうにこれじゃ性癖ネジ曲がりそう

39 画像ファイル名:1625842855643.png <a href="mailto:s">21/07/10(土)00:00:55</a> [s] No.821803597

挿絵(ラスト)です

40 21/07/10(土)00:01:29 No.821803800

来週が楽しみ

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