ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
21/07/09(金)00:39:06 No.821492646
甘奈 Pドル 事務所 -R-18
1 21/07/09(金)00:44:15 No.821494346
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2 21/07/09(金)00:53:40 No.821497343
事務所のソファに座っていると、甘奈も当然のように横に座る。それがいつしか当たり前になっていた。 「プロデューサーさーん、コーヒー淹れたよ☆」 「ん、ありがとう、甘奈……」 「えへへ、はい、こっちプロデューサーさんの」 「……甘奈もコーヒーか？」 「うん！お揃いなんだー☆」 マグカップも、その中身も。 事務所では交際していることを隠しているが、誰も見ていない時は二人きりの距離感に戻ってしまうことがある。隣同士、一緒にテレビを見たり、手を繋いでみたり。うとうとしたり、一緒に眠ったり。 「……あ、もうこんな時間だ！すまん甘奈、ちょっと俺は出ないといけないんだ。……帰り、遅くなるから先に」 捲し立てるようにそう言って、それから、自分の言葉の一つ一つがまるで妻に告げるような調子だったことに気付く。 「うん……プロデューサーさん、行ってらっしゃい」 それから、甘奈の言葉がまるで夫を見送るような調子だったことも。誰も見ていないのだから、と抱き合った二人の数十秒は、永遠程にも長かった。
3 21/07/09(金)01:08:59 No.821501539
誰もいない事務所には慣れている。昼間の騒がしさが嘘みたいに機械の音だけが無機質な部屋。時計の針が規則正しく鳴っている。 少し寂しいような、落ち着くような。そんな気持ちを察したように甘奈から電話が掛かる。時間的にはもう夕食を済ませた頃だろうか。 「プロデューサーさん、お疲れ様☆まだお仕事中、かな？」 「お疲れ、甘奈。そうだな、ひと段落ついたところだよ。これから帰ろうと思ってたんだ」 「あ……ごめんね、忙しいのに急に……」 「いや、俺の方こそすまん……」 昨日、アポも取らずに電話を掛けたのは俺の方だった。甘奈はきっと意趣返しのつもりだったのだろう。見返すとチェインで『10分後に電話するね』なんて送っているのが彼女らしい。 「……いきなりでびっくりするけど、すごく嬉しいよ。サプライズプレゼントみたいで……」 「えへへ、そうかな？……じゃあもう一つサプライズがあります！なーんて……」 扉がゆっくりと開き、はにかむ甘奈が顔を覗かせる。 「えっ……？まだ事務所にいたのか……」 「えへへ……プロデューサーさんのこと待ってたんだー☆」 二人きりの事務所はまだ慣れない。心臓の騒がしさも、二人分の体温も。
4 21/07/09(金)01:12:17 No.821502353
サプライズが必要か？
5 21/07/09(金)01:16:44 No.821503473
結構です…
6 21/07/09(金)01:21:23 No.821504710
運転している時はプロデューサーさんの横顔を眺めるチャンスだったりする。いつも甘奈の視線に気付くと必ず振り向いてくれるから、そしてすぐに気付くから、なかなかじっくり眺める機会がないんだ。 「……甘奈、そんなに見られるとちょっと恥ずかしいんだが」 「えっ、あっ……そ、そんなに見てた、かな……？」 「さっきの信号からずーっと」 それは多分、甘奈が思ってる以上に見てたって意味。確かに他のものを見てなかったかもしれないけど、面と向かって言われるとちょっぴり照れちゃうかも。 「えへへ……プロデューサーさんの横顔、あんまり見たことないなあって……」 「そ、そうか……？」 「うん。……いつも甘奈のこと、ちゃーんと見ててくれてるから☆」 「ははっ、そう言って貰えると嬉しいよ。……そろそろだな」 二人きりの色々なものが増えていく。場所、会話、思い出、秘密。 「プロデューサーさん、ごめんね。コンビニ寄ってもらってもいいかな？」 「ん？ああ」 ごめんね。もうちょっとだけ遠回りしたい気分なの。ほんの数分の悪あがきが、時々、何時間も一緒にいられるような気がしちゃって。
7 21/07/09(金)01:24:56 No.821505586
クソボケ…
8 21/07/09(金)01:43:37 No.821509963
ひぃん…なーちゃんが夜遊びしてる…