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21/07/08(木)23:33:02 あの日... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1625754782217.jpg 21/07/08(木)23:33:02 No.821462729

あの日以降二人の面倒をずっと見てきたが、来るべき一つの転機が訪れた。 URAファイナルズ決勝である。 「えっ、私なんで芝中距離なの?」 「そりゃあ、あれだ。2年目で秋天勝ったからだよ」 「二年目は回避しましたけど、三年目で勝てて本当に良かったです。ありがとうございます♡」 そう言ってエイシンフラッシュは腕に絡んでくる。 「むーっ」 そうしてファル子がふくっれっ面をするのももう見慣れてしまっていた。 トレーナーの狙いはほかにあった。

1 21/07/08(木)23:33:18 No.821462866

「これで勝ったら付きっ切りで面倒見てあげるから」 「「えっ」」 トレーナーの鶴の一声で二人の空気は一変した。 彼は二人とも同じくらい好きで決められないというのが実情だった。 「これは勝たなければマズいですね…」 「ファル子も負けてらんないけど…」 「でも一緒のレースに出ないようにフラッシュには長距離に行ってもらうから安心して」 誤解を招かないように補足説明をしておく。 「頑張りますね」 「ファル子のこと応援してよ…」 「わかってるから」

2 21/07/08(木)23:33:30 No.821462957

先に長距離のレースが開催されその一週間後に長距離が開催される運びだった。 結果フラッシュがぶっちぎりで優勝した。 「フラッシュさん凄い!」 「今までの努力の結果です。有馬記念程度の距離でしたし、さほど疲れたりはしませんでした。春の天皇賞の距離だとちょっと怪しかったかもしれませんね」 「やったなフラッシュ!!」 「あっトレーナーさん♡」 フラッシュは真っ先に抱き着いてくる。 ダービー直前からの一年間で情緒が安定したのか、赤面はしなくなっていた。 「お疲れ様。レース最高だったよ。まさか5バ身差まで突き放すなんて」 「トレーナーさんのおかげですよ♡」 「なんでフラッシュさんばっかり…」

3 21/07/08(木)23:33:55 No.821463137

一週間後待ちに待った中距離戦となった。 エイシンフラッシュと当たるということで予選段階で長距離を回避したメジロマックイーンが一番人気。ファル子は二番人気につけていた。 どうでもいいがマックイーン曰く『これに勝利いたしましたらスイーツ食べ放題&一心同体ですわ!』らしい。担当トレーナーから偶然にも聞いてしまった。 それをファル子+フラッシュトレーナーに伝えてくるなんてやはり超お惚気さんなのだろう。 「じゃあ行ってくるね☆」 「ファルコンさん私も応援してますからね」 「内心負けてほしいって思ってない?」 「そんなことはありませんよ」 その満面の笑顔は嘘であることを隠喩しているかのように見えた。が、内心は本気で応援していたみたいだった。

4 21/07/08(木)23:34:13 No.821463271

レースの結果最後の最後でハナ差でマックイーンに抜かれてしまい二着で終わった。 勝利後のインタビューでは『トレーナーさんとお付き合いすることにいたしますわ♡』と堂々と発表していた。 スイーツじゃなくてすごい重要なことを記者会見でもないところで発表するだなんて頭のねじが外れているんじゃないかとトレーナーは感じた。 「ま、負けちゃったね…」 「お疲れ様です。ファルコンさん」 「ということで、俺はフラッシュと同棲することにするよ」 「えっ…付きっ切りってそういうこと?てっきり捨てるのかと」 ファル子はものすごく困惑している。ここはガツンと言ってやらないとダメだと思った。 「そんなことは絶対しねぇよ!!被害妄想しすぎ!」 「ごめん…フラッシュさんに取られるってことばかり先行しちゃって。ちょっと一人にしてもらってもいいかな」 「構いませんよ」 「わかった。落ち着いたら連絡くれ」 「本当にごめんね…」 ファル子は今にも泣きそうな表情でトレーナーとエイシンフラッシュを見つめていた。

5 21/07/08(木)23:34:28 No.821463423

「うわぁぁぁぁぁん」 二人が部屋を出た瞬間溜まっていた悲しみが一気にあふれ出てきた。 「どうして…どうしてフラッシュの元々のトレーナーがいなくなっちゃうの…どうして同室のウマドルに大事な人を取られちゃうのかな…」 私は一頻り泣いた。もう涙が枯れて、声がガラガラになっても泣き続けていた。 ウマドルは声と顔が命なのにこの時だけはその命が絶たれてしまっていた。 「はぁ。私も頑張るしかないよね…」 そうして美容院に電話をコールする。 『あっファル子さん!一カ月ぶりねどうしたの?ってどうしたのその声』 『気にしないで。それより明後日空いてる?ショートカットにしてほしいんだけど』 『えっ。まさか失恋?』 そう聞かれて黙り込んでしまう。わざわざ口にしないで欲しい。また大声で泣き叫びたくなってしまう。 『あちゃー、図星だったか。了解しました。明後日の11時半に来てちょうだい』 『ありがとう』 心なしか沈んだ声で返答した。 「私もさすがに立ち直らないと」

6 21/07/08(木)23:34:57 No.821463635

次の火曜日ファル子は今までに見たことのない髪形でトレーニングに現れた。 「あれ?ファル子その髪」 「専属の美容師さんに頼んで切ってもらったの。ショートボブ。似合ってる?」 「すごい似合ってるな。ツインテールもいいけどこれも捨てがたい」 「ならよかったよ…フラッシュさんとお幸せにね」 「えっファル子なんでお別れみたいな…んっ」 「ちゅっ…」 今まで大好きだった人をマーキングするように唇にキスをする。 私があなたに恋していたことを忘れないでねと念じるように口先だけのキスをした。 これでファル子は今までの想いに分別がつけられた。

7 21/07/08(木)23:35:07 No.821463737

「もうこれでおしまいっ☆ファル子は真のウマドルとして生まれ変わったのだ☆」 「えっ」 「真のウマドルは恋愛をしませんっ☆これからもプロデュースよろしくね!」 「おう!」 失恋を経験してファル子は一回りオトナのウマドルへとランクアップした。 そのファル子を裏から支えて、フラッシュとは永遠の愛を誓って… 二人を掛け持ちのトレーナーはとても大変なのである。 FLASH END

8 <a href="mailto:s">21/07/08(木)23:36:34</a> [s] No.821464530

前回までの fu145801.txt

9 21/07/09(金)00:10:07 No.821481214

永遠のウマドルに…

10 21/07/09(金)00:11:31 No.821481807

涙も枯れたレベルの…

11 21/07/09(金)00:12:43 No.821482359

吹っ切れた

12 21/07/09(金)00:13:45 No.821482819

こんな感じで割り切れるのだろうか…

13 21/07/09(金)00:14:58 No.821483342

若いからな

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