虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

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21/07/06(火)22:22:15 かかか... のスレッド詳細

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21/07/06(火)22:22:15 No.820797810

かかか、と鳴くカラスの声を聴きながら田圃を歩く。トレーナーさんと手をつなぎながら。 合宿終わりの日、最終日にはどうせならと私とトレーナーさんで合宿所周辺を散歩することにした。 「大変でしたねぇ、色々。」 「…ああ、そうだな。」 慣れない田舎の合宿所。海辺にあった学園の合宿所は工事のため、古かったものを再利用することになった時はびっくりした。しかし、環境は向こうにも負けず劣らずだったため満足のいくトレーニングをすることが出来たのは収穫と言っていいだろう。 その合宿も終わり、あとは寮に帰るだけ。その間の少しの時間を、トレーナーさんと満喫してもいいよね、なんて考えで畦道のじゃりじゃりとした砂を蹴りながら景色を眺める。 奇麗な夕焼けが私の上を歩く。落ちていく陽の光を飲み込む山々の窪みがどこかやさし気な空気を醸し出す。 ああ、いいなぁ。こういうの。 「…トレーナーさんは、さ。」 「ん?」 ごくり、つばを飲み込む。ゆっくりと流れる汗が、陽にきらりと光る。

1 21/07/06(火)22:22:32 No.820797933

「私が担当で、良かった?」 そんなことを言って、歩みを止める。先ほどまでのきれいな夕日は沈みかけてて、山間部からすら光が微かになっていく。 「…勿論。」 そう返す彼の言葉が、なんだか暖かくて。安堵と一緒に流れる気持ちが、血管を通って体全体に熱をともす。 「そっか。…じゃあ、これからも。よろしくお願いします、ね?」 「ああ。君をもっと、凄い舞台に立たせて見せる。この腕にかけて。」 私の腕を握って、にこりと微笑む彼の顔。その顔を直視できなくて、目をそらしてしまう。 「…にゃはは、トレーナーさんも積極的ですなぁ。なんてね☆」 いつものように逃げを打って、ゆっくりと腕を解いてから少しずつ走り出す。少し顔を赤くした彼に追いかけられながら、じゃりじゃりと優しく砂のオーケストラを奏でる。 夕日は沈み、キレイな一番星が私たちを見守ってくれていた。

2 <a href="mailto:s">21/07/06(火)22:22:58</a> [s] No.820798125

セイちゃん可愛いね

3 21/07/06(火)22:23:54 No.820798602

可愛いね!かわいい! あと文章の雰囲気素敵でしたよ!!

4 21/07/06(火)22:24:23 No.820798862

なんだこれ…爽やかすぎるぜ…!

5 21/07/06(火)22:35:28 No.820804275

いい…

6 21/07/06(火)22:37:04 No.820804937

4年目合宿だろうか

7 21/07/06(火)22:37:54 No.820805290

最近ウンスが田んぼ道を行ってるだけで警戒してしまうようになったが良い話だった…素晴らしい…

8 21/07/06(火)22:43:59 No.820807919

たまにはこういうのもいいよね…

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