虹裏img歴史資料館

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21/07/06(火)01:02:15 甘奈 P... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1625500935354.jpg 21/07/06(火)01:02:15 No.820539814

甘奈 Pドル デート -桑山千雪 -R-18

1 21/07/06(火)01:05:52 No.820540844

検索条件と十分に一致する結果が見つかりません もしかして:桑山千雪 R-18

2 21/07/06(火)01:07:29 No.820541253

……★

3 21/07/06(火)01:16:17 No.820543453

一緒に買い物に行く。アイドルの甘奈と、プロデューサーの俺と。別に珍しいことでもなかったのだが、彼女を異性として意識するようになってからというもの、特にそれが仕事とは関係ないことの場合には猛烈に意識をしてしまうようになった。 「えへへ、甘奈たち、他の人からどんな風に見られてるかな~」 揶揄うように笑う甘奈をちゃんと見ることも出来ない。眩しくて、愛おしくて、輝いているものを見つけるのは得意だが、過敏な瞳には時に強過ぎる光。 「あ、ここ!ここのマリトッツォ、めっちやわ評判なんだー☆」 「そうなのか。……たしかに結構混んでるな。俺たちも並ぼうか」 自然に、交際している男女として当然の距離感で手を取り、二人で並んで、同じものを見る。 今までは、一緒にある体験をすることが目的だった買い物も、今は違っていた。 「……えへへ、楽しみだねー☆」 「ああ、でも……幸せだな、甘奈となら一緒に並んでいる時間も」 「えっ……プ、プロデューサーさん!?」 甘奈と俺は周りからはどんな風に見えているだろう。答えは分かりきっていた。そして、目立たないようにしないといけないことをたまに、忘れてしまっていた。

4 21/07/06(火)01:20:25 No.820544457

クソボケ…

5 21/07/06(火)01:25:00 No.820545526

クソボケ………クソボケ……

6 21/07/06(火)01:27:52 No.820546220

プロデューサーさんの言葉にドキドキするのは日常茶飯事。お付き合いを始めてから、仕事の時はお互いに意識しないようにーなんて言ってるけどやっぱりそれは難しくて、でも我慢して。じゃあオフの日は? 押さえ付けていた気持ちを我慢しなくていいんだもん、どうしても積極的になっちゃう。 「実は初めて食べるんだ。甘奈は食べたことあるか?マリトッツォ」 「ここのお店のはないけど、他のところでなら……プロデューサーさん、初めてだったんだね」 「恥ずかしながらな。……見た目、すごい甘そうだよな」 「んー、それは食べてからのお楽しみ☆」 プロデューサーさんの初めてが一つ、思い出に染まる。そんなことをちょっと考えちゃった。そうやって二人の思い出が一つ一つ積み重なって行くのかなあ、なんて考えると、途方もないけどなんだか気分が跳ねた。 「ははっ、だな」 見た目通りに甘くはない──っていうのは甘奈とプロデューサーさんの関係の真逆なのかも。アイドルとプロデューサーという社会的な関係以外は甘い甘い二人だけの秘密だもん。たまに、隠せてるのか不安になっちゃうど。 「甜花の分も買おうか。お土産に──」 「……今日は泊まっちゃ、だめ?」

7 21/07/06(火)01:29:51 No.820546645

千雪さんは亡霊か何かか

8 21/07/06(火)01:42:44 No.820549122

「あ、甘奈?それは流石に……」 「なーんて☆甜花ちゃんにも食べて欲しいし、それに……」 甘奈が俯くたび、心の中に迷いが浮かぶ。屈してしまいたくなる。 「今日はみんなにも話してない、から」 「甘奈……」 列は少しずつはけていき、次第に二人の番が近付く。今日の二人のデートはこれを食べて、それから散歩をして、気になる服があったら買って……それから、その次のデートの約束をする。 約束がないとまだ、二人きりでは会えない関係。 「そうだ、甘奈。親御さんの許可が取れたらだけど……いつでも来ていいからな」 「えっ!?」 とっくに俺一人の家じゃないんだから。甘奈が初めて来た日から、少しずつ、部屋の中に甘奈の面影が残っている。朝起きて、隣に、キッチンに、それともお風呂に、洗面台に、食卓に、玄関に。色々な甘奈のを奥があって、それら全部が口を揃えて「会いたい」なんて言っている。 「すいません、これを5つ──親御さんの分も、な?」 「うん☆」 二人の望みが同じ時くらい、その幻の望みを叶えても良いかな、なんて思う。

9 21/07/06(火)01:55:40 No.820551565

「んっ……面白い味だな。美味しい!」 「プロデューサーさんも?めっちゃ美味しいよね~」 「ああ。意外と甘さが控えめで軽くて……ありがとう、甘奈。一人じゃきっと食べることなかったよ」 「またまた~。きっと事務所の誰かが誘ってたよ?」 甘奈はどこか遠くを見た。騒がしい事務所の誰かが確かにこれを買ってきて、みんなで食べて、驚きが出ることも容易に想像できる。 「ははっ、そうかもな。でも、だから、他の誰でもなくて……甘奈でよかった。甘奈と一緒が良かった」 これから先も全部、マリトッツォを思い出す度に甘奈も思い出せる。朝にした会話からきっと、今のいままでのこと全部。 「んっ……」 「大丈夫か!?」 「んっ……んー……へーき。プロデューサーさん、急にそういうこと言われるとね、甘奈、心の準備が出来てないから……」 「す、すまん……!」 頬を緩めてため息を吐いた甘奈が余りにも愛おしくて、俺の胸もきゅっと痛くなった。心の準備がきっと、足りなかったのだな。

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