21/07/05(月)01:08:25 「VR試◯... のスレッド詳細
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21/07/05(月)01:08:25 No.820228383
「VR試◯戦争オンライン…ですか?」 例によって異常事態が発生したここトレセン学園、騒ぎの元凶であろう人に訊ねるとそのような答えが返ってきた。 「肯定!これは『成績』を可視化する事によって生徒の勉強へのモチベーションを上げる事を目的とした画期的な…」 「それ…大丈夫な奴ですか…?」 「…無関係!!」
1 21/07/05(月)01:09:05 No.820228554
召◯獣…生徒の成績により強さが変わる、プレイヤーのアバターとなるキャラクター。 姿形は二等身でどこかたぬきにも似た姿である以外は勝負服を着た生徒本人とそっくりと言っていい。 生徒のモチベーション向上に役立てられる筈だったそれらは…明らかに様子がおかしかった。 『おなかがすきました!もっとごはん下さい!』 「あら…ちっちゃいスペちゃん、ご飯足りなかった?まだ食べられる物は残ってたかしら…」 「ああああああダメです私ぃ~!!そんなに食べたら食いしん坊みたいに見えるじゃないですかぁ!」 『ねえとれーなー、アタシいちばん?いちばんかわいい?』 「やめなさいよアンタ!!アタシみたいな顔して何言ってんの!?アンタもニヤニヤしてないで止めてよ!」 『ばぶ…あう…』 「あらあらあらあらまぁ~っ!!」 「いやおかしいやろ!!なんでウチのアバターがこないなるんや!?クリークも何持っとんねんやめぇや!」
2 21/07/05(月)01:09:33 No.820228684
「本来プレイヤーの操作を受け付ける筈のアバターが自立行動をしている…」 「不具合!どうやら本人の成績を反映する際、その者の記憶まで引き継いでしまったようだ!だが心配は無用!既に復旧の目処は立っている!」 「なんて人騒がせな…まあ復旧するなら良いですけ…」 「なお、アバターの精神性はまるで幼児のそれだ!本人の記憶を持ちながら理性のタガが無いと言って良い!ウッカリ本音が溢れてしまったりするかもしれないから注意したまえ!」 それでは!と扇子をぱしんと鳴らした理事長が全速力でその場から駆け抜ける。 最後に何か聞き捨てならない事を言っていた気がしたが止める暇がまるで無かった…あの人本当に人間なのだろうか?
3 21/07/05(月)01:09:58 No.820228795
以上が今回の騒動のあらましである…人騒がせではあるが、復旧の目処は立っている。本来なら特に問題とする事はないのだが… 『なんだか大変ですねぇお兄さん…♡お疲れみたいですから私がマッサージをして差し上げましょうか…♡』 「わあああああああ!?どこ触ってるの!!やめて!やめてください!」 問題は、担当するウマ娘であるサトノダイヤモンドと、そのアバター…本来二等身である筈なのにダイヤ本人と寸分違わぬサイズで出現した、彼女に瓜二つのアバターダイヤの存在であった。 「他の子はたぬきみたいなアバターが産まれてたのに、どうしてダイヤだけ…?」 『それはぁ…ダイヤがお勉強をいぃ~っぱい頑張ったからです♡お兄さんの指導の賜物でもあります♡だからぁ…たくさんご褒美、欲しいなぁ…?』 「だから!くっ付くのを!やめてください!はぁ…はぁ…」 息も絶え絶えといった様子で、トレーナーとアバターを引き剥がすダイヤ。 今朝から繰り返される光景だ。自分と変わらぬ姿の娘が他人とべたべた接触しているのはやはり耐え難いのだろう。 ダイヤは今、如何にしてアバターを止めるかに躍起になっていた。
4 21/07/05(月)01:10:20 No.820228915
「ダイヤ、とりあえず落ち着いて…アバターのダイヤも離れて…とりあえず深呼吸して」 「わ、わかりました…」 『はぁい…ざぁんねん♡』 彼女を落ち着かせる為に一息つかせつつ、アバターから距離を取る。ダイヤは言われた通り胸に手を当て息を整え、アバターは渋々といった様子で距離をあけた。 二人が落ち着いたところで今回の件について説明を行う。 今夜0時には解決すると判ると、ようやく安堵したらしいダイヤは深い深い溜息をついたのだった。 しかし、これで一安心…とはならなかった。解決への道は見えていても、それは0時になったらの話。 それまでアバターダイヤがおとなしくして居るかと言えば…Noであった。
5 21/07/05(月)01:10:55 No.820229086
─昼食時─ 『はい、お兄さん♡あーーん♡』 「ちょっと!近いです!離れて!」 ─トレーニング中─ 『お兄さぁん♡ストレッチ手伝って欲しいなぁ♡ダイヤのココ♡ぎゅぎゅーって押して下さーい♡』 「だから!そういうのを!やめてって言ってるじゃないですか!」 ─座学中─ 『お兄さぁん♡ここの問題なんですけどぉ♡』 むぎゅっ。 「お、おいダイヤ…当たって」 『んふふ♡当ててるんでs「当ててるんですよじゃないんですよ!!!」(ベリッ あんっ♡』 こんな具合で、彼女?の行いは留まるところを知らない。普段は穏やかな雰囲気で常に笑顔を絶やさないダイヤが額に汗し飛び跳ねた髪もそのままどったんばったんしているのは少し可哀想ですらある。
6 21/07/05(月)01:11:19 No.820229193
なので、流石に放置はできないとアバターを制止しようとした時だった。プツンっと何かが『切れ』た音が耳に届いたのは。 「もう…我慢出来ません…!ちょっとこっちに来てください!!」 『きゃんっ♡こわ~い…お兄さん助けてぇ♡』 「お、おいダイヤ…あまり手荒な真似は…」 「お兄さんは黙っててください!!」 「は、はい…」 有無を言わさぬ剣幕でこちらを制止したダイヤは、アバターを引き摺るように物陰へと消えていった… 一体何をしているのか、、確かめる勇気は残念ながら今の自分には持ち合わせがなかった。
7 21/07/05(月)01:11:40 No.820229277
それから小一時間経っただろうか…? 戻った二人は衣服が乱れ、珠のような汗を浮かべ荒い息を整えている様子だった。 何があったのかは…聞かない方が良いだろう。 頭の中に鳴り響く嫌な予感という名の警鐘に従い、何事もなかったかのように二人を出迎えた。 『はぁ…ふぅ…お、お待たせですお兄さん…』 「ま、待たせてごめんなさぁい…♡」 「ああいや、大丈夫だよ…ところで今日の…」 キーンコーンカーンコーン… 言いかけた所で、本日の終業を告げるカネが響く。 丁度いいタイミングだったので、一つの懸念を二人に話す事にした。
8 21/07/05(月)01:12:12 No.820229401
「今日のアバターダイヤの滞在場所なんだけど…どうしようか?流石に校舎やグラウンドにそのままってのも気が引けるし…」 『かと言ってウマ娘の寮は元々二人部屋ですから…たぬきサイズならともかく成体のウマ娘がさらに一人増えるのはちょっと…』 だよなぁ…と唸る。そうなのだ、他のアバターならいざ知らずこのダイヤのアバターは普通のウマ娘と何も変わらない。 置いていくわけにもいかず、さりとて放置するわけにもいかず。 と頭を悩ませていると、アバターのダイヤがポンっと勝負服の袖を合わせて手を叩いた。
9 21/07/05(月)01:12:41 No.820229530
「そ、それならぁ…お…お兄さんの部屋はどうですか…?トレーナー寮って結構お部屋広かったですし?」 「えっいやぁそれは…どうなんだろう?な、なぁダイヤ?」 『別に…いいんじゃ無いですか?先の話では置いてくのもまずいって事でしたし。どうせ0時には消えるんですし』 何か…怒っているような気がするのは気のせいだろうか。 とはいえ、他に代案もなくアバターダイヤの提案を採用する事にした。辺りはすっかり日が落ち、夜風が少し肌寒い。 そうと決まれば善は急げだ、トレーナー寮は学校からも少し離れた場所にある。明日の集合場所をダイヤに伝えると、アバターを連れ寮へ向けて歩み出した。 『…アバターさーん!おかしなことはしちゃ駄目ですからねー!…まぁ、しっかりやってくださいね』 「へ、変なことってなんですか!!…けど…が、頑張りますから」 いつの間に仲良くなったのだろうか?大きな声で挨拶を交わす二人を遠巻きに見つめて帰路に着いた。
10 21/07/05(月)01:13:02 No.820229621
それから程なく部屋に着き、アバターダイヤを招き入れる。 ゲームのアバターと分かってはいても年頃のウマ娘相違ない見た目をした娘を部屋にあげるのは少しばかりの緊張をした。 それはアバターダイヤも同様だったようで、あたりをキョロキョロと見渡し落ち着きがない様子だった。 部屋で軽い夕食を取り、明日の準備をしながら就寝の身支度を行う。アバターだけれどあまりにリアルな彼女に一緒に夕食どう?と誘った時は流石に我ながらどうかと思ったが、遠慮がちに頂きますと言った彼女は2、3おかずを摘んで食べ始めたので大層驚いた。最近のゲームは進んでるなぁ…
11 21/07/05(月)01:13:29 No.820229741
それから、たわいもない話をして過ごし、深夜0時が近づいた時、もう寝ようかと切り出したトレーナーを押し倒すように、アバターダイヤが覆い被さってきた。 「な、何…!?どうした…?」 「あ、あの…!私…その…」 何か言いたげな雰囲気を察し、そっと額のダイヤ型の流星を撫でる。小さい頃落ち着かせる為によく行ってた行為だ。ゲームのアバター相手に果たして意味はあるのかとよぎったが、記憶を共有してると言うのは本当だったらしい。 やや落ち着きを取り戻したアバターダイヤはぽつり…ぽつりと語り出した。 「お兄さん、今回の件のアバターがどんな仕様か覚えてますか?」 「ああ…確か…本人と記憶を共有していて…」 「加えて精神性が幼児並みで、本人の願望のままに行動してしまう」 「ああ…そうだ。そんな事も言ってたな…それがどうかしたか?」 「その…だから…ダイヤに聞きたいこととか、確かめたいことって…ありませんか?今なら‥素直に聞けちゃうかもしれないですよ…?」
12 21/07/05(月)01:13:49 No.820229840
そう語る彼女はどこか震えていて。 何もない、とは言い出せず…つい、兼ねてから聞いてしまいたいと思っていた言葉が口をついてしまった。 「ダイヤ…子供の頃、約束をした事あったろ?」 ひとつは、二人で輝かしいレースに出場し、その勝利バとそのトレーナーとなるという約束。もう一つは… 「お兄さん、それは…2つの約束のうちどちらの事ですか?」 「…っ!!」 言葉にならない驚きが口から溢れる。初めの約束しか覚えていないと思っていた。思い込んでいた。 けれど、二つあったことを覚えている。それだけで今は十分だった。 「…ごめん、大丈夫。今の言葉を聞けただけで良かったよ。ありがとう」 「そう…ですか?それじゃあ…次はダイヤのお願い、聞いてください…」
13 21/07/05(月)01:14:13 No.820229941
そういうと、再び全体重を預けるように覆い被さるアバターダイヤ。抱き留めた肩は震えており、強く跳ね除けるような気にはなれなかった。 「わ、私…0時になったら消えちゃいますから…その前に、頭を撫でて欲しいんです…っ」 「あっ…えっ…そんなこと?」 思わず口についてしまったが、無下に断るのも心苦しい。本人の記憶を引き継いだ彼女もまた、サトノダイヤモンドであるのだ。愛しい気持ちを感じないかといえばそれは有り得なかった。
14 21/07/05(月)01:14:28 No.820229996
サラサラの髪に指を通し、そっと撫で下ろす。 数度そうやって撫でていると、弛緩し切った身体をこちらに預けたアバターダイヤが、指を絡ませてくる。 細くてすべすべとした触感が指の間に絡まり、その手触りの良さにずっとそうしていたい…という気持ちが湧き上がってきた。 それを知ってか知らずか、指を何度もするするサワサワと動かすダイヤ。ぴっちりと密着した身体からは相手の鼓動や体温まで伝わってくる。 やがて、もっと密着したいと言わんばかりに太腿の間に自身の脚を差し入れ、脚まで絡ませてくる。 これは流石に不味いのでは…ダイヤ本人に見られたら何を言われるかと我に返り、振り解こうとすると、させまいとアバターダイヤが自身の胸元へトレーナーの頭を抱き寄せた。 中等部とは思えないその膨らみに顔全体が沈み込み、大きくなる鼓動と心地よい体温に包まれながら、身動きが取れなくなってしまった。 「お兄さん……もう少しだけ…このまま……」
15 21/07/05(月)01:14:46 No.820230071
─同刻、サトノの寮室─ 『さて…そろそろ時間ですけれど、「私」はうまくやれたでしょうか?』 ベットに寝転がり、天井に向けて手を伸ばす。指先は淡い光に包まれて消えかけていた。 『もうすぐ魔法は切れちゃいますよ…頑張ってくださいね「私」』 『私』のくせに奥手なあの子。この機会にすこしでも想いを遂げられたら良いのですけれど。 まあ…無理かな。なんて笑みが溢れる。だってあの子は『私』、きっとお兄さんの匂いに包まれただけで安堵して…手にとるように分かってしまう。 『だから一つ仕掛けをしちゃいましたけど…これくらいは良いですよね?』 誰に向かっていうでもなく言葉を浮かべ、そっと目を閉じる。 光に包まれた身体は粒子となって消え、ベッドの上には身に付けていたトレセン学園の制服だけが残されていた。
16 21/07/05(月)01:15:11 No.820230187
もう少しだけこのまま。 そう言ったダイヤの要望を聞き入れ、じっとしていること数刻。小さな寝息が聞こえてくると同時に、彼女の衣服が光を放ち解け始めた。 そういえばと時計を見やれば時刻は0時を差すところだった。 どうやら時間が来たらしい。少し名残惜しくもあるが、、ひとまずは安心だ。 安心して眠ってしまった彼女を起こさないよう、そっと一緒にベッドへと倒れ込む。 なんだかたった1日でどっと疲れてしまった。けれど、中々に悪くない体験だったように思う。 しっかりと寄りかかる彼女の体重を感じながら、そんなことを思っ… ん?「体重を…感じる…?」 「んん……すぅ…お兄さん…」
17 21/07/05(月)01:15:38 No.820230309
お、おかしい…「消えていない」!? 自身に覆い被さり、すやすやと寝息を立てる「下着姿」のダイヤに、脳が硬直し思考が働かなくなる。 なんだこれは…!?なにがどうなって…!? 翌日、トレーナー寮から下着姿のウマ娘と一晩中何かに苛まれたかのように憔悴し切ったトレーナーが見つかったと噂になったのは、また別のお話。
18 21/07/05(月)01:20:17 No.820231554
ダブルダイヤちゃん可愛いですね
19 21/07/05(月)01:20:24 No.820231587
おしまい バカ◯スはどっち派でしたか 私は姫路さん派です
20 21/07/05(月)01:21:35 No.820231928
アバターが消えるシーン美しいな…
21 21/07/05(月)01:28:40 No.820233682
このトレーナー鋼の意思持ってんな… >バカ◯スはどっち派でしたか 吉井 玲派ですね
22 21/07/05(月)01:29:20 No.820233858
>バカスはどっち派でしたか 秀吉…
23 21/07/05(月)01:29:39 No.820233938
こういう消えちゃうもうひとりの自分に後押しされちゃうの好き
24 21/07/05(月)01:29:55 No.820233994
途中で「」と『』が入れ替わってるなと思ったら……!
25 <a href="mailto:s">21/07/05(月)01:31:07</a> [s] No.820234296
既成事実ゲットですねお兄さん…?
26 21/07/05(月)01:37:25 No.820235784
何かの不具合でまた復活するんだよね しかも今回の記憶も持った状態で
27 21/07/05(月)01:40:14 No.820236439
イチャイチャサトちゃんは健康にいい
28 21/07/05(月)01:41:37 No.820236778
>バカ◯スはどっち派でしたか アキちゃんいいですよね…地下アイドルで売りに出したいです
29 21/07/05(月)01:41:56 No.820236849
>>バカ◯スはどっち派でしたか >アキちゃんいいですよね…地下アイドルで売りに出したいです ムッツリーニきたな…
30 21/07/05(月)01:42:36 No.820237033
>何かの不具合でまた復活するんだよね >しかも今回の記憶も持った状態で そんな…そんなの…ダイヤちゃんがまた嫉妬に狂って…やろうぜ…!
31 21/07/05(月)01:44:06 No.820237370
スケベサトちゃんに耐えられるお兄さんは偉いよ…
32 21/07/05(月)01:44:38 No.820237479
>何かの不具合でまた復活するんだよね >しかも今回の記憶も持った状態で 涙の別れから 消えたはずじゃ!? 復活しちゃいましたー みたいなオチはよくある
33 21/07/05(月)01:49:53 No.820238624
>スケベサトちゃんに耐えられるお兄さんは偉いよ… 眠っているお顔はあどけないあの頃そのままだったので耐えられた なお身体はすっかり育ちきり豊満であった
34 21/07/05(月)01:51:34 No.820238949
ウマネストやっぱ神だわ
35 21/07/05(月)01:52:18 No.820239086
>ウマネストやっぱ神だわ なんでもできる!なんでもなれる! 暴走する実績も加えてバランスがいい…
36 21/07/05(月)02:35:24 No.820245933
秀吉…