虹裏img歴史資料館

画像ファイル名:1625327976885.jpg 21/07/04(日)00:59:36 No.819811907

「やっと終わったし……」「お疲れし……」 ここはたぬきの社交場。夕方になると集まっては、勲章を自慢したり入手方法を共有したりする。 その一角、たぬき達の溢れる中で何故か誰も近寄らない空間で、2匹のたぬきが話していた。 「今日だけでモルモット勲章5つだし……」「効率は悪くないし……効率は……し」 一方のたぬきは、髪が全て白くなっていた。もう一方のたぬきは、尻尾が頭くらい大きくなっていた。 勲章を遥かに上回る特徴を獲得した2匹だったが、誰も真似をしようとは思わなかった。 「明日は何時からだし……？　こっちは15時だし……」「10時だし……遅めで助かるし……」 共にアグネスタキオンの実験に志願した者であった。薬害ってすごい。 所持者の非常に少ない勲章を、保管先に困るくらい獲得している、本来なら多くが羨むたぬき。 しかし2匹の悩みは友達が少ない事だった。身体の変化は織り込み済みである。事前にタキオンから説明は受けていたのだから。 「……視線が冷たいし……」「近寄ると遠ざかるのつらいし……」 お互いと、タキオンの所のモルモット君くらいしか話し相手がいないのだった……友達募集中であった。