ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
21/07/03(土)01:35:45 No.819439447
ワンクッション ガッツリレズの変 怪鳥エルコンドルパサーは腹を括った。十余年のウマ娘人生で最も重い覚悟。 『エル。』 『お仕置きをします。部屋で待ちなさい』 確かに隣席のグラスの刺身に大量のデスソースを跳ねさせた自分に非があるが、お仕置きとは… 彼女の性格をよく理解しているからこそ、観念して断頭台に縛められた咎人のような心持ちでベッドに腰掛け、おそろしい同居人の帰りを待つほかなかった。 ガチャリ。ドアの開く音に肩をびくつかせる。 「あ…お帰り、なさい…?デス…」 「ただいま、エル。いいお湯でした」 エルはふと違和感を覚えた。目の前で乳液を手に馴染ませているグラスの、静かな殺気を覆い隠す笑顔の仮面─── それは恐ろしくも普段のよそおいだったが、哀れ被食者のサガが、敏感にも今日に限って悦楽の気配を感じ取ったのだ。
1 21/07/03(土)01:36:31 No.819439645
「あのー、グラス…その…」 「エル。」 気まずさに耐えかね、沈黙を破った瞬間エルの身体は容易くベッドに押し倒された。 「ケ…!?」 「エル、これから何をされるか…想像してました?」 「それはその…お…お仕置き…を…」 「そう、お仕置きですね。生き物はみな痛みに学びます」 恐ろしいほど穏やかに語りかけながら、グラスの右手がエルの頬を撫でる。 「思うにエル。人の学びにとり、一番の痛みとは鞭でも礫(つぶて)でもなく」 「何を…」 「恥です」 言うが速いが、頬に這わせていた白く華奢な右手で荒々しくもマスクをむしり取り、足元に放ってしまう。 「ちょッ…と!?」 起き上がって拾おうとしたが、両手首を掴まれ体重をかけられてはそれも叶わない。
2 21/07/03(土)01:36:57 No.819439794
「目」 「は…!?」 「目、こちらに、向けてください」 不意の狼藉にたまらず羞恥の朱に染められた顔。とても正面に向けられたものではなかった。 「なに、を…!?嫌、いや!返して、返して…!」 半ば混乱し、上ずった声を上げる。恥ずかしさと己の情けなさがないまぜになって心を苛み、視界を熱いものがぼやけさせた。 「いけません。駄目です。言いましたよね、これは仕置きであり、躾です」 「そん、な…」 「それに…相互理解は目を合わせた対話から始まるものですよエル。私の事、もっと知って欲しいんです」 「……っ…」