ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
21/06/30(水)18:01:16 No.818649877
「私たちってさ、一応ウマ王軍だったよね」 腰に下げたランタンの灯ばかりが頼りの、光届かぬ洞窟の中。大して張ってもいない、気怠い私の声が響く。 「ウマ王とて王って事でしょう。刹那的に暮らす癖に、統治の真似ごとでちょっとだけ釣り合いを取ろうって算段」 私の前を歩く彼女の背から、そんな嫌味ごとが聞こえたかと思えば、ぞぷり、と何かを突き刺した音。 近寄って覗いてみれば、彼女の手に握られたロングソードの先に、大柄な触手様の生物が突き刺さっていた。 「……私たちには似合いの仕事って事ね」 「まあ、崇高な大義を掲げられてもね」 変わらず気怠い声で返しながら、ずるり、と響く音の先を、耳だけで探る。 左手、8時の方向、上────顔を向ければ、同じく触手様の生物が、2匹。 一思いに両の手で掴んで、引っ張りながら内に捻ると、ぶちりと千切れて、透明な液がだらりと垂れる。
1 21/06/30(水)18:01:32 No.818649952
「スカイさん、あなた術師ではないの」 「にゃはは、まあそれ以前にウマ娘だから」 呆れ顔の彼女に向けて笑って返しながら、手をローブの裾で拭う。 この洞窟に入ってからというもの、この触手様の生物と小鬼の処理ばかりが、しばらく続いている。 「でもさ、キングだって踊り子じゃあないの」 「あら、踊り子って剣技も修めるもの、よっ」 私の質問に、当然のような顔でそう答えた彼女が、話しながらに正面に現れた小鬼を、一刀のもと斬り伏せる。 見事な兜割りが炸裂した先、真っ二つになった小鬼の斬殺死体が、じわりと地に消えていく。 「……そっち系なんだ、踊り子」 「どっちかは知らないけど、これがスタンダードなのよ、多分」
2 21/06/30(水)18:01:45 No.818650005
────そもそも、この洞窟に入った理由は、失せ人、失せ物、人身御供に対して、なんか腹立つ、と言い出したウマ王の采配からだ。 入ってみれば、触手に小鬼、幾分かの罠。そして──── 「キングっ!」 「だい、じょうぶよっ!」 がたりと膝を着いた彼女に駆け寄ると、彼女は剣を杖代わりに、ゆっくりと立ち上がっている。 気付かぬふりをしていた訳でもないが、進むほどに濃くなるガスの毒性が、ウマ娘の身とて無視できぬほどに高く、晒される時間も長くなってきていた。 キングの症状を見るに、麻痺毒であろうか。術師である事を含めて回りの遅い私の身とて長くないと、解決を逸る私の目の先に、ランタンとは別の明かりが見える。 「……キング、見える?」 「ええ、霞むけど────」 「……鬼が出るか蛇が出るか」 「両方とも、散々斬ったわよ」
3 21/06/30(水)18:02:02 No.818650077
そう嘯く彼女の膝が、震えているのを見て、彼女の左腕を担ぐ様に回すと、存外素直に担がれてくれた。 そのまま、明かりの方へ歩いていくと、二対ほどの松明の奥に、木製の扉が立て付けられていた。 その光景というのはつまり、この奥には事態の首魁が存在するということを示している。それが何やら嫌な予感をさせて、私の手足を躊躇わせていると、担いでいた左腕が、ずるりと肩から抜けていく感触。 「ちょっ、キング、待っ」 「押し通るわッ!さっさと、片付けるッ────」 八双に構えて扉を蹴破った彼女の先。扉の奥に広がっていたのは、折り重なって倒れる、裸の女。 奥には幾人かのローブ姿の男と、その女を貪る小鬼たち。 そんな光景を目の当たりにした時。目の前のウマ娘が、どう動くかは明白で。 「待って!キング、止まっ────」 その声虚しく、ろくに立たぬ脚を震わせながら飛び出す彼女を────
4 21/06/30(水)18:02:16 No.818650137
追うまでもなく、彼女は部屋の中央で倒れ伏した。 がらん、と、剣が地に転がる音がする。 麻痺毒が回り切った事で、彼女の意識は、ついに途切れたのだ。 男と小鬼の下卑た笑い声が、私たちを包みゆく。どう食ってくれようか。そう談じる声も、ウマ耳にはよく聞こえる。 嗚呼、私は──── 「────キング。剣、借りるね」 地に転がる剣。片手、両手のどちらでも持てる、ロングソード。 私はそれを拾って、ぎちりと、両手で柄を握り締めた。 「術師にもさ。それぞれあると思うんだよね」 ばちんと、閃光が弾ける。赤々とした灯りが部屋を照らす。 握り締めた柄の先。すらりと伸びた刃が、血のような色を帯びて────振り抜かれた。
5 21/06/30(水)18:02:33 No.818650202
贄に出した女が帰った事は、土地の者にとっては大ニュースとなった。 それを誰が成したかは触れず、ただ何かが起きた、という形に収めたのは、悪者の矜持であろうか?否。 与えられた城の一角。私たちの居室で起きている出来事──── 「は、ぁ゙、すかい、さんっ♡すかいさ、はーっ♡あ゙────」 「……だいじょーぶだよ、キング……ほら、水だ、け、んむっ♡んっ、ちゅ、ゔっ♡ は、きんぐ、また硬くしてっ♡まっ、あ、あ゙────♡」 麻痺毒ではなく、催淫毒を浴び切った彼女の処理。 土地の者たちがどうなったか、考えたくもなかったので────ひとまず、投げ出したのだ。
6 21/06/30(水)18:03:05 [s] No.818650338
投与された幻覚剤によって見えた幻覚です
7 21/06/30(水)18:03:44 No.818650492
いい…
8 21/06/30(水)18:05:13 No.818650893
一度で2度美味しい!!
9 21/06/30(水)18:12:09 No.818652685
エロトラップダンジョン破壊してる…と思ったら負けてる…
10 21/06/30(水)18:12:14 No.818652711
私 性 合
11 21/06/30(水)18:29:56 No.818657520
セイちゃん魔法戦士なん…