ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
21/06/29(火)22:25:22 No.818431631
「なんで私がタンクなのよ！」 流通の中心である商業都市ウッマー、その市場にある喫茶店でキングの悲痛な叫び声が響き渡る。 幸い店内は人で賑わっていて、私達の会話に耳をそばだてるような物好きもいなそうだ。 しかしカモミールティーにはリラックス効果があるって聞いたんだけど……キングだもんなあ。 「でもさぁキング、タンクがいないと始まらないよ？」 なにせ我々黄金世代パーティー、タンクを志望するウマ娘が全くいない。無論これでは何もできないため、一番可能性が高いと踏んだキングの説得に踏み切ったのがこのウマ娘、セイウンスカイなのだよ。 なにせその……付き合っている立場でもあるわけだし……多分。それに、キングの扱いは手慣れているつもりだ。
1 21/06/29(火)22:25:56 No.818431863
「斧とかを使うのでしょう？ 私はあまり無骨な得物は――」 「騎士、いわゆるナイトは細身の剣を使えるよねぇ」 「でもそれなら、他の誰かでも――」 「キングがやらなかったら……んースペちゃんかな？ ちょっとおっちょこちょいなところもあるからなー」 「……あなたはそれでいいの？」 「ん。そりゃもちろん」 「……はぁ～～～…………」 あ、これは落ちたな。キングは本当に感情が出やすくて、分かりやすくて、扱いやすい。まあそういうところも好きなんだけど……悪い人に騙されないか心配だよセイちゃんは。
2 21/06/29(火)22:26:09 No.818431937
残っていたパープルカロットジュースを一気に飲み干し、席を立つ。そうと決まれば、早速装備を整えに行かなくちゃね。 「まあそう気を落とさずに。ウララたちを守ることもできるしさー」 「それはそうね……カワカミさんなんかも危なっかしいもの」 その反応も予想通り。本人は否定するだろうけど……優しいキングにとって、タンクは間違いなく適職だろう。言わないけどね。 でも、その中に自分はいつまでいられるのだろうか、なんてふと思ったりもする。自分が求めているだけで、キングからしてみれば―― 「……ちょっと？ 何ぼーっとしてるの？ ちゃんとこの借りは返してもらうわよ！」 「あら怖い。セイちゃんまた泣かされちゃう♡」 なーんて。やっぱり愛しき一流ウマ娘には私の悩みも筒抜けみたいだ。もっと好きになっちゃうじゃん。 ところで、もしかするとここには異世界チックなそういう道具も……あったりしちゃうのだろうか。危ない世界だなあ。
3 21/06/29(火)22:26:52 [sage] No.818432218
タンクキングいいよね…という蜃気楼を見ました