21/06/29(火)16:59:17 ――第六... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1624953557305.jpg 21/06/29(火)16:59:17 No.818314868
――第六回となる今日は、ミュージカル俳優・大空頼人さんにお越しいただきました。 どうも、よろしくお願いします。
1 21/06/29(火)16:59:34 No.818314947
――大空さんは子役時代(※当時の芸名は「大空ライト」)、大人気オーディションバラエティ「ジャパニーズゴットパフォーマンス」で、フランシュシュ6号さんと競われたことがあるとか。 まあ僕が呼ばれるってことは、その話になりますよね(笑)。あの佐賀オーディションは僕の転換点になったステージでした。彼女は本当に凄いパフォーマーだった。 ――番組で優勝したのは大空さんだったんですよね? そうですが、内容的には……本当はこういうことを言うべきではないのかもしれませんが……彼女の勝ちだったんじゃないかと、今でも思っています。ご存じでしょうけど、あの時の決勝戦で、僕と彼女の演目はカブってたんですよ。
2 21/06/29(火)16:59:49 No.818315012
――陶山隼の「命」。 そう。僕は、まあ身も蓋もないことを言えば、審査員受けを考慮してね、ちょっと古めのTVドラマのヒットソングを選んだんです。彼女も同じ狙いだったのかどうか、そこはわかりませんが、偶然同じになっちゃった。それを彼女は、僕が先に歌ってる間のたった数分間でスキャットアレンジに仕立て直したんです。 ええ、あとで審査員の方にも確認したんで確かです。はじめ何も知らなかったんですが、ステージを見てる途中で気づいてね。鳥肌が立ちました。 それはもう、敗北感に打ちのめされて。会場のトイレにこもって泣いてました。そうしたら6号さんが来て、言ってくれたんです。「君は勝ったんだから、TVではそれが正義だ。ブロードウェイで天下を取るなら、こんな所で立ち止まるな」。 フランシュシュの中で6号さんというのは、今映像なんか見返すと、わりと天真爛漫というか、最年少の子供らしいイメージがありますよね。でも実際には逆というか、この世界で生きていく上での気構えやビジョンのようなものを、誰よりもしっかり持っていた職業人だったんじゃないかって、そんな風に思います。
3 21/06/29(火)17:00:08 No.818315108
――その経験が、今のブロードウェイで活躍する大空さんにつながっていると。 天下はまだまだ遠いですけどね(笑)。でも苦しい時に彼女の言葉がふっと蘇ってくる時は、本当にあります。 ――そして、あの駅前不動産スタジアムでのライブ。大空さんも行かれたと聞いています。 当時、東京でちょっと探してみたら意外と、そこかしこにフランシュシュの隠れファンがいたんですよ。みんな「こんなマイナーなアイドルに注目してるのは俺だけだろうな」みたいな顔してね(笑)。そうしたらあの、アイアンフリルさんのライバル宣言でしょう。悔しがった人、結構いたんじゃないかな(笑)。 まあそれであの時、そういう人たちを何人か集めて、飛行機をチャーターして。九州にいる僕のファンの人たちに、足りない物資が何なのか聞いてもらって、東京でかき集めたりしてね。たしか舞日新聞さんが、ライブのことを全国に報道しはじめていて。アイアンフリルさんも、僕らよりもっと大規模にやってた。そういう流れに乗って、驚くほどスムーズにことが運んだ記憶があります。人の力ってすごいんだなと、実感しましたね。
4 21/06/29(火)17:00:23 No.818315169
もちろん、ライブ自体も素晴らしかった。それはもう、伝説になってるので、今更ここで語るまでもないことですが。 ――その後、連絡などをとられたことは。 一度もないです。どこかで共演したいなと当時思っていましたが、結局叶わなかった。 今どうしてるかも、もちろん知りません。6号さんもですが、他のメンバーの皆さんも皆すばらしい力を持っていたと思います。お世辞でなく、今の芸能界にいてほしかった。理由とかを考えても、憶測しかできないので何にもなりませんが、単純に惜しいな、と思いますね。 ああ、そうだ。しんみりして終わるのも何なので、こぼれ話をひとつ。ゴットパフォーマンスの時、僕がトイレで泣いてたら6号さんが来たって言ったでしょう。それ、男子トイレだったんですよ。
5 21/06/29(火)17:00:34 No.818315214
――えっ!(笑)ああでも、それはそうですよね。 そう。だから僕、6号さんは実は男の子だったんじゃないか説をひそかに唱えていてですね(笑)。他のゲストの方にも、機会があったら聞いてみて下さい。 ――ぜひ、そうします(笑)。本日はありがとうございました。 ありがとうございました。
6 21/06/29(火)17:00:46 No.818315271
インタビューで話そうかどうか迷って、結局言わなかった話がある。 言ってもどうせ信じてもらえないだろうし、そもそも、自分自身ですら信じかねている、そんな話だ。 あの時、トイレにこもっていた自分に、6号がかけてくれた言葉は一言半句残らず覚えている。 “6号はね、永遠にずーっとトゥインクルなんだよ” “フランシュシュのみんなも同じ。これからもずっとずーっとトゥインクルスターだから” 当時は単に、いつまでもアイドルでい続けるという心構えの話だと思っていた。
7 21/06/29(火)17:00:58 No.818315309
しかし。 「オレたちはイヤでも歳をとって、大人になっていくんだからな」 頼人の言葉にほんの一瞬、傷ついたような顔をした6号を覚えている。 甘ったれの子供が、残酷な現実を突きつけられたからだと思っていたが、あとになってよく考えると、そんなはずはないのだ。彼女は――――彼は、芸能界の残酷な現実など、頼人よりもずっとよく知っていたはずなのだから。 無自覚に目を背けていた事実を直視させられてしまった、とでもいうようなあの表情には、だからもっと他の意味があったはずなのだ。
8 21/06/29(火)17:01:11 No.818315357
――スキドゥンダラ♪スキドゥンダラ♪スキドゥンダラ♪ディギディギディギ―― Mytubeを探せば、今でも新しい「踊ってみた」動画を見つけることができる。 『フランシュシュとは何だったのか?』 そういったテーマの書籍や雑誌やネット記事は、今なお巷にあふれかえるほど出ている。頼人自身も、何度となく考えた。 いったい彼女たちは何だったのか。何者だったのか。 もしかして。 “ライトくんは6号には絶対にないものを持ってる” もしかして彼はあの時、とても重大なヒントを、頼人に打ち明けてくれたのではないだろうか?
9 21/06/29(火)17:01:22 No.818315389
(……馬鹿げてる) 頼人自身にすら、それはあまりに非現実的で、想像の翼を広げすぎていると思える。話が突然、ファンタジーになってしまう。 それでもその考えを捨て去ることができないのは、記憶の中の6号が、フランシュシュが、まさしく非現実的なほどの鮮烈な輝きを放っていたからだ。 いま、映像を見返しても思う。いや、あの頃よりもっとよく理解できる。彼女たちのステージにはその一回一回に、異様な熱量がこもっていた。 若さゆえのガムシャラな熱さではない。もっと底深い、もっと危うい……命を捨てるかのような、むしろとっくに命を捨て終わっているかのような、青白い情熱が。
10 21/06/29(火)17:01:34 No.818315439
考え事にふけったまま、気づけば随分歩いてしまっていた。 横断歩道で立ち止まって、スマホに着信が入っていたのに気づいた。名前を見て眉を上げる。偶然にと言うべきか、運命的と言うべきか、まさにあの頃、自分のマネージャーだった男だ。 小心で弱腰なやつだったが、マメなところはずっと変わっていない。一時帰国していることをどこで知ったのだろうか。我知らず口元がほころぶのを覚えながら、頼人は折り返し発信のキーを叩いた。 「……あ、西村さん? 久しぶり、頼人です。元気? もう定年? まだ? うん、さっきまでインタビュー。そう、フランシュシュ特集の。それで丁度さあ、当時の関係者とダベりたい気分なんだけど。今日ヒマ? どーせヒマでしょ。出てきて飲まない? いやいやいや……」 End
11 21/06/29(火)17:05:51 No.818316365
6号で抜いてそう
12 21/06/29(火)17:09:12 No.818317152
5話のあれは正雄ギリギリのカミングアウトだったと思っている それはそれとしてリベンジも完結したしもっと怪文書増えてほしい 一期の頃に書いたやつとかまとめ sp92247.txt
13 21/06/29(火)17:26:05 No.818321255
良かった…怪文書はいくらあってもいい
14 21/06/29(火)17:39:05 No.818324244
時が止まった故の輝きがある6号だけど大人になってからの夢があるライトをみて少し羨ましく思うところはあったんだろうな
15 21/06/29(火)18:14:31 No.818334127
あのシーンは明確に時が止まってるゾンビ達と生きてる人達の違いを出しててちょっと不安感みたいなのが強くなったなぁ
16 21/06/29(火)18:15:43 No.818334499
ライト君は打算的な所と凄いものを素直に認められるプロ意識があってええキャラだった