ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
21/06/27(日)10:11:26 No.817504363
特異点は崩壊し、地平線より朝日が昇りはじめる。残骸に囲まれ妖婦が目を覚ますと目前には全身穴だらけで生きているかも分からない夫が太ももの上であり、その背後に静かに座り、空気を読んでいるのかできうる限り存在感を消している服のうるさい陰陽師。 「おはよう、モルガン」 既に喋るだけでも負担であろうに男は一切の苦も無いかのように優しく彼女に言葉をかける。 負けたのですね。私も、リツカも。 「そうだね、でも、死んではいない。倒産した会社といえば『夜逃げ』だよね」 差し出された汚れの無い綺麗な手。漸くモルガンは夫の計画が読め、少しだけ微笑んでその手を掴む。 我が夫、それは却下です。いくらカルデアが夫無しで戦い抜き、この結末に至ったとしても、それは違います。確かに私は『連れ出した責任を取ってください』とは言いましたが、この取り方は……とにかく却下です。 素直じゃない妻に対して大きなため息をついた後、マスターはサーヴァントに合図を示し、サーヴァントもまた、五芒星の印を描き、術式を起動する。
1 21/06/27(日)10:11:55 No.817504502
「綺麗に振られましたな我が主」 「うっさい。慣れないことしかやってないからこうなっただけだ」 「ンンン。慣れないと?拙僧にはとてもとても」 「やっぱ組む相手間違えたか?」 「いえいえ、間違えてなどおりませんぞ、拙僧はいずれ晴明を超える陰陽師です、ただ今回はカルデアが上手であっただけの事」 「おめーのオリチャーのせいだろ。……次があったらそれも含めた立ち回りでもするか……あー心臓をまさかマシュにブラックバレルで撃ちぬかれるとは思わなかった」 「それを言うのであれば、主の無茶ぶりに答え主に宿業を埋め込み、管理させた主の方にも問題があるのでは、結構難しいのですぞ、アレ。下総の時とはわけが違い、拙僧の宝具との同時運用により主を疑似的に鬼種に変質させつつサーヴァントの霊基を取り込めるようにも改造し、挙句の果てにはかの機械の絡繰りを自由自在に操りたいがためだけにあのような難題……」 「……それは、その。悪いとは思ってる」 「此度は余りの絶好の機会すぎる故お互いにやりたいことをしすぎたのが敗因でしょう。では、帰りましょうか我が主」
2 21/06/27(日)10:15:57 No.817505603
これにてひと時の夫婦と愉快な陰陽師との夢の旅路はひとたびのおしまい。 次の夢は……夏のひと時か、はたまた愉快な狩りの一週間か、それとも……。 途中からバニ上の人がいくら探しても見つからないしとあるところのログにも残ってなくてしょんぼりしたけど一応完走したぞ村正ァ!!
3 21/06/27(日)10:18:31 No.817506318
エンディング見れてよかった 予言の嬢ちゃんは本編で頑張ろうな
4 21/06/27(日)10:49:10 No.817514070
関係なく罵られる村正ァ!は流石に哀れだ…