「送信... のスレッド詳細
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21/06/26(土)23:06:02 No.817365107
「送信ッ!無事、通達が完了した」薄暗い部屋に声が響く。液晶の光に照らされ、二つの人影がぼんやりと浮かび上がった。 「こちらも“予定通り”実験失敗を確認。 量子もつれとウマ娘の情報子、その他諸々が過干渉した結果、いわゆる“因子”が生成。三女神像を媒体に、学園の生徒に酷似したドッペルゲンガーもどき……便宜上D-ウマ娘とでもしておくか……が継承、というか発生。 彼女たちはオリジナルを圧倒的に上回る力を持ち、思考性格はオリジナルと同じ。個体によっては記憶に差異が見られるが、皆一様にトレーナーに執着する傾向を持つ……。うーん、今回も見直しが必要だねぇ?」規則的な打鍵音が止んだ。 「……謝罪ッ!君ばかりに責任を被せてしまい、本当に申し訳なく思ってい──」 「やめてくれたまえよ、いざとなった時、私が背負う荷物はモルモット君と……せいぜいカフェとそのトレーナーくらいだ。だが君はそうもいかないだろう?」 「それは……そうだが……」
1 <a href="mailto:s">21/06/26(土)23:07:39</a> [s] No.817366087
「それに……前回は親愛度が数値化される薬品。前々回は好意を口に出しやすくなる薬品。その前は……まあいいか、機序や散布量に神経を使うのもわりあい楽しかったよ。この一連の件で、周りからの目も少し変わって、モルモット君も嬉しそうな顔をしていたし」 「感謝ッ!たとえ世辞でも、そのように言われると心が少し軽くなる」 「あとは、個人的にカフェの……いや、何でもない。ああそうだ、最後に一つ確認するが、これは本当に我々の今後に良い影響を与えると思っているのかい?」 「肯定ッ!わたしは全霊を賭けて諸君らの礎となるッ!愛を以て賞賛すれば、ニンジン同様ウマ娘もよく育つ。 愛とは尊敬であり覚悟ッ!対象の本質を知り、敬意を以て接すること。何があろうと最後まで最大限育てること。 今回の出来事は、間違いなく彼女らにとって最大の壁となるッ!それに打ち勝っても!逃げても!折れても!間違いなく彼女らにとって最高の糧となるッ!これは先代の、そしてわたしの望みでもあるッ!」
2 <a href="mailto:s">21/06/26(土)23:09:18</a> [s] No.817367058
「ふぅン……それを聞いて安心したよ」コトリ、とティーカップを置く音がした。 「ではいくつか連絡を。パスワードは変更なし。何かあったときはすぐメールをくれたまえ。それと……対処班に、トウショウ君とスズメを近づけさせないよう伝えておいてくれたまえ。“部屋”に影響があると困る。あと、スカーレット君に関しては……心配ないか。彼女達は、強いからね」 んー、大きく伸びをすると、ばさりと机上の白衣を掴み、片側の人影が立ち上がった。 「じゃあ、私はそろそろ行くよ。シャカール君が着き次第モニタリングを交代してくれる。そうしたら君は少し休息するべきだ。私と同様、しばらく寝ていないんだろう?」 「……驚嘆ッ!まさか気づかれていたとは」 「ククク……!では、お互い健闘を祈るよ」 流れるようにパスコードを打ち込む。虹彩認証、指紋認証、声紋認証、全てを認めた扉が開く。白衣を靡かせたウマ娘は、コツコツと靴を響かせながら廊下を歩き始めた。
3 <a href="mailto:s">21/06/26(土)23:10:45</a> [s] No.817367785
「一連の“予行練習”で、緊急連絡網や学園内設備、実動対処班の性能及び練度は飛躍的に上昇。さらにマスコミの統制や箝口令によって、非常時でも学園外からは何も起きていないよう見せる処理技術が向上。おまけに様々な“アクシデント”で、トレーナーと担当ウマ娘たちの絆はより深いものとなった。ククク……!全く、君と先代の愛には、恐ろしさすら感じるよ」 口の端をニヤリと歪ませ、早口で呟いたかと思うと、彼女は突然立ち止まり、こほんと一つ咳払いをした。 「さて、ここから先は、私の戦場だ」 ──待っていてくれたまえ、私のモルモット君
4 <a href="mailto:s">21/06/26(土)23:16:50</a> [s] No.817370685
おわり わたしお色気回やコメディ回が後々の伏線になってるやつ好き!という気持ちが溢れました
5 21/06/26(土)23:29:16 No.817376573
いい…
6 21/06/26(土)23:45:53 No.817384438
この理事長黄金の精神持ってない?