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21/06/26(土)01:30:31 泥の深夜 のスレッド詳細

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21/06/26(土)01:30:31 No.817044139

泥の深夜

1 21/06/26(土)01:37:30 No.817045965

そうして、ルーラーは改めて彼女へ視線を向けた。 ひどい有様だった。正常とはとても言い難い。 服は力任せに引き千切られ、襤褸切れとなって身体に張り付いているだけ。はだけた裂け目からは下着が見えてしまっていた。 だがこの場合、それが脱がされたり千切られたりせず着用されたままになっていることに安堵しなければならない。 こんな道端で悪漢から暴行を受けようとした彼女をすんでのところで助けられたということの証だったから。 「もう心配はいりませんよ。彼らは去りました。お怪我はありませんか?」 へたりこんで呆然としている少女の前にルーラーはしゃがみ、務めて穏やかに問いかけた。 きっと平時なら十分に可憐な少女なのだろう。豊かな巻毛の髪、肉感的な身体、そして─── (───………?) 実際に香ったわけではない、だが確かにルーラーの鼻先をくすぐった奇妙な違和感。 ふと少女の側頭部に目が行った。髪の毛量が多いのですぐ気が付かなかったが、そこに人間ならばあり得ざる、硬質な…。 その時、ぽかんとしていた少女の瞳の焦点がすっと戻り、眼球にルーラーの姿を映し出す。 「………───っ、みっ、見ないでッ!」

2 21/06/26(土)01:37:42 No.817046023

我に返った少女がまず取った行動は悲鳴を上げるでも困惑するでもなく、側頭部にある“それ”を両手で押さえて蹲ることだった。 「見ないで、ください…っ!お願いしますっ、自分を、見ないで…っ!」 丸くなったままがたがたと少女は震えている。声には既に涙が混じっていた。 顕になった肌さえ隠さず、情けなさそうにめそめそと泣いている。彼女が『何を』見られたくなかったかはその反応で一目瞭然だ。 …予想外の少女の反応に少々呆気に取られていたルーラーにもある程度少女の事情に察しがついてきた。 いや、この特異点において特殊な事情を抱えるこのルーラーだからこそ、少女の怯えがすぐに理解できた。 よくよく考えれば少女にはいくつもの違和感がある。 服こそ破かれてしまっているが、この汚濁の掃き溜めのような特異点新宿にあって彼女は奇妙に小綺麗だった。 ここに住まう人々は程度の差はあれ、どれだけ無力で虐げられる側の者だったとしてもどこか昏さを帯びていくものだ。 肉体的にも精神的にも薄汚れていく。だが少女は汚れを吸った雑巾ではなく、今まさに織られたばかりの白布のようにぴかぴかだ。

3 21/06/26(土)01:37:56 No.817046105

それに無防備にこんなところにいたというのも不思議に思える。この街にいる者なら皆最低限の不文律は知っている。 例えば何の身を守る用意もなくふらふらと街路を歩く者はその生命に至るまで搾取される他無い存在だ、とか。 そんなことも知らずにこんなところにいるなんて、自殺志願者の類だと指さされても仕方ない。 けれどそんなことは、ひとまずいい。ルーラーはこのゴミ溜めの街の中で数少ない暖炉の灯りだった。そういう違和感は、ひとまずいい。 常夜の街の片隅で震える少女の肩に手を伸ばし、乗せる。 びくりと震えた少女へと、ルーラーはゆっくりとしたペースで落ち着かせるように言った。 「大丈夫です。私もあなたと同じ。望まぬ不浄をこの身に帯びています。  淫らたらんというあかし。ええ、それを衆目に晒す屈辱と嘆きは共感できるつもりです」 「………?」 それが只人の言葉であれば少女は聞く耳を持たなかったかもしれない。 だが粛々と、だが安らかな調子でその言葉を唇に乗せたのは聖人と謳われ史上に名を残す者だった。 少女が蹲るのをやめ、恐る恐る涙に塗れた顔を持ち上げる。

4 21/06/26(土)01:38:11 No.817046162

ルーラーは苦笑交じりになるたけ縮こまらせていた背中の片翼を広げて少女に見せた。常なる人間にはあり得ない、悪魔の翼だった。 少女がその頭に1対の羊魔の角を宿しているのと同じように。 ルーラーは悟っていた。ルーラーは教えに生きた人間だ。魔術師ではない。呪いのことなどほとんど分からない。 だが少女の角や魔的な色香が邪悪な呪いの産物であるのだろうということはこの時点で確信を得た。 「あなたも、自分と同じ…?あの、その、えっと…」 「いえ、無理に明かさずとも結構ですよ。あまりみだりに口にしたくは無いのは私も一緒です。  この悩みをこの街で真実共感し合える相手には初めて会いました。こんな状況でなんですが、少しだけおかしいですね」 少女を安心させるように微笑むと、彼女は笑いこそしなかったもののやや目元を緩ませて曖昧に頷いた。 少しだけだろうが落ち着けたようだ。ならば事情を聞くにしてもこんなところに長居は無用だ。 「では速やかに移動しましょう。ひとまず教会へ。  あなたに行く宛があるのだとしても、そんな格好で歩き回らせるわけにはいきませんからね」

5 21/06/26(土)01:38:27 No.817046239

「え…?き、きゃああっ!?ふ、服!そうでした、服破かれて…あわわわ…っ!」 気が動転していたせいか、今更気づいたとばかりに顔を真っ赤にした少女が裂けた部分を腕で隠そうとする。 乗るべきところにしっかりと柔らかな肉の乗った垂涎の肉体だ。おまけにルーラーと一緒で催淫体質。 ここに少女を置いていくなんてまさに狼の群れへ羊を投げ込むような所業だろう。 「…慌てて来たもので何も持ち合わせがありません。急ぐしかありませんね…。  む。そうでした。私のことはご存知…というようではありませんね。ひとまずルーラーとお呼びください」 立ち上がり、座り込む少女へ手を伸ばす。助け起こされながらおずおずと少女は言った。 「ペトラ・シャーファウグン…です。あの…今の状況、何も分からないんですが…助けてくださって、ありがとうございました…」 そう言ってぺこりと頭を下げる。 すぐそばに落ちていたキャスケット帽を拾い上げるペトラを見ながらルーラーは内心呟いていた。 ───擦れていない普通の子と喋ったのはずいぶん久しぶりですね。

6 21/06/26(土)01:42:34 No.817047200

いい… えっちなSS求めていた心が浄化されるようだ…

7 21/06/26(土)01:45:16 No.817047849

でもえっちなSSも読みたい…

8 21/06/26(土)02:38:44 No.817058595

寝そべった脚の上に腰掛け、女たちが身を重ね合っていた。 「ねぇ…今日はずっとこの子を見ていたでしょう?浮気な方…」 こちらを軽く非難するような、からかうような、女の濡れた囁き声。 一糸纏わぬその肉体はむせ返る様な雌の色香で出来ている。男を溺れさせる淫らな泉だ。 普段なら夢の相手はその女ひとりきり。だが今晩に限っては客がいた。 「でもお気持ちはわかります。可愛らしいものね…まだ少女なのに、ほら…もう男を誘う媚肉をたっぷり含んでいるんですよ」 女が背後から抱きしめている少女。 豊満さこそ女に譲る。だがその魅力は別種故に優劣をつけられるものではない。 瑞々しく張りのある肌。まだ青い果実でありながら、倒錯感を覚えるようなアンバランスさで女の肉を蓄えている。 湿った表情の女と違い、少女はどこか熱に浮かされたかのような目で戸惑っていた。 女が玩具で遊ぶ様に少女の臍のあたりを指でくるくると弄んでいる。その度にぴくり、ぴくりと少女が肩を揺らした。甘い微かな喘ぎ声と共に。 「せっかくですから今宵はこの子から如何ですか?ご覧ください、ちゃんともう濡らしています。  こう見えて…ねえ?いやらしい子なんですよ、とっても」

9 21/06/26(土)02:39:36 No.817058754

はっ、はっ、はっ。 まだ幼さが混じる吐息が微熱を帯びている。 女は怪しい微笑みを浮かべたまま、少女の興奮を煽り立てる様に下腹部を撫で回していた。 「それとも…私がこの子を食べ頃にしてからにしますか?  ええ、あなたはその一部始終をとくとお楽しみください。ご満足いただけると思います。  まだ緊張でこうして身の硬いこの子を、どろどろに煮崩して、ぐずぐずになるまで煮溶かして、あなたにお情けをくださいと懇願させるまで…ふふ、たっぷりと躾けましょう。  大丈夫、そう時間はかかりませんよ…そうですよね…?  もうとっくに、こんなになるまで体は火照りきっているんですから…」 ふう、と女は少女の耳に吐息を流し込む。 たったそれだけの刺激で少女は軽く果てたのか、ぐっと背筋を張り詰めらせてすぐさま女の腕の中で脱力した。 その、こちらに聞かせまいと押し殺された掠れた声に興奮する。 「…ああ、やはり我慢は無理の様ですね。どうぞ召し上がれ。  でも後で私のお相手もしてくださいね?そう───この街の夜は明けないのですから、たっぷりと───」 まあ、とどのつまり、そういう夢を見たのだ。

10 21/06/26(土)02:39:51 No.817058799

依頼完了

11 21/06/26(土)02:43:35 No.817059381

むっ!

12 21/06/26(土)02:53:24 No.817060859

誰だ…!?

13 21/06/26(土)02:54:10 No.817060966

流れ的にエロルーラーとエロ羊でしょ

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