ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
21/06/25(金)23:18:19 No.816997439
今日はカレンのレース優勝のご褒美として遊園地にやってきた。 勝つのは確信したレースでご褒美というのも変な話だが、そう言った大義名分がないとなかなかデートも出来ないので仕方ない。 「カレン遅いな…。」 しかしなかなかカレンが来ない。現地集合と聞いていたがトレセン学園で待ち合わせだったのだろうか。 「お兄ちゃんお待たせー！」 こちらに声をかけて一人の少女が近寄ってきた。 「えっと…どちら様？」 「えぇ！？カレンに決まってるでしょ！？」 「あ！カレンか！」 全然気づかなかった。と言うのもいつもと違ってまるで変装してるような格好なのだ。 耳を隠すかのようにキャスケット帽を被り、メガネもかけ、尻尾もロングスカートの中に隠してぱっと見は人の女の子にしか見えない。 いつものデートならそのままの格好で来るのに。 「今日はお兄ちゃんとプライベートデートを楽しむために変装してきたの！でもお兄ちゃんにもバレないってことは他の人も分からないから完璧な変装ってことか☆」 カレンは一人納得している。珍しく目立ちたくないということなのだろうか？
1 21/06/25(金)23:18:42 No.816997604
「そ、それじゃあ行こうか。」 「うん☆まず何に乗る？」 「そうだな…。」 園内のマップを広げて見る。マップにはアトラクションだけではなくイベントの予定も記載をされている。 「お、この遊園地夜は花火も上がるのか。」 「ふーんそうなんだ。」 カレンが真顔でこっちを見つめてくる。 しまった、カレンが花火が嫌いなのを忘れて言ってしまった。 「花火は…見なくて良いか。」 「うーんどうしようかな…。」 すぐ同意するかと思ったが案外悩んでる。 「取り敢えず遊びながら考えよ☆」 「そうしようか。それじゃ改めて何から乗るか…。」 色々なアトラクションがあって目移りしてしまう。
2 21/06/25(金)23:19:05 No.816997757
カレンは一体どういうのが好みなんだろうか。 逆に苦手なものはあるのだろうか。 カレンの苦手なもの…気になる。 「カレンってダメなアトラクションとかってある？お化け屋敷とか絶叫系とか。」 「うーんどうだろう？試してみる？」 こっちの考えが見透かされたのかカレンは悪戯っぽく笑う。 「そう言われたら試したくなるな。まずは絶叫系でスタンダードなジェットコースターにしようか。」 「オッケー☆」
3 21/06/25(金)23:19:29 No.816997962
「結構混んでるなぁ…。」 平日だが人気アトラクションだけあって混んでいる。 「カレン大丈夫か？」 「うん全然大丈夫☆」 いつもならカレンが並んでたりすると混乱が起きるのだが、今回は変装が活きてるのか誰にも気づかれてない。 「変装効果すごいな。」 「本当だね。やっぱり耳と尻尾が目立つのかな？」 確かにウマ娘は耳と尻尾がまず目立つ。それを隠すと案外気づかれないものだ。 「次のお客様どうぞ。」 「お、やっと回ってきたな。」 案内されたところは運が良いことに先頭車両だ。 「帽子や眼鏡などの外れやすいものは荷物の中にしまってください。」 「カレンもしまわないと。」 係員の指示通りカレンは帽子と眼鏡をしまった。 「あなたはもしや…！」
4 21/06/25(金)23:20:04 No.816998207
しまった。眼鏡と帽子を外してカレンの事が係員にバレてしまう。 「んっ…☆」 カレンは顔の前に人差し指を出し、お静かにのポーズを取った。 「カレっ…！」 その姿を見た係員は黙ってしまった。恐るべきカレンチャンパワー。 すかさずカレンはカバンからペンとメモ帳を取り出し、何かを書いて係員に渡した。 「これは…！」 係員は感極まっている様子である。 そうこうしているうちにジェットコースターが来た。 「あ！来たよ！乗って良いですか？」「ええ！ええ！どうぞどうぞ！」 結局係員はカレンの事は話さなかった。 「カレン、何て書いたんだ？」 「別に普通のことだよ☆今日はオフですから内緒にしてくださいって☆後カレンのサイン☆」 そこまでされたら黙ってしまうのも仕方ない。 「それでは発車いたします！」「動き出すよお兄ちゃん☆」
5 21/06/25(金)23:20:25 No.816998371
「大丈夫お兄ちゃん？」 「あ、ああ…」 想像以上だった。最近ジェットコースターに乗ってないのもあるが明らかに他のジェットコースターとは違う。 「取り敢えず休む？」 「いや、カレンともっと楽しみたいし大丈夫…」 同じのに乗ってたのにカレンはケロッとしている。 乗ってる時も手を離して笑う余裕もあったから全く怖くないようだ。 「カレンはいつも70キロくらいで走ってるからあのくらいのスピードなら全然楽しいんだよ☆」 どうやら僕の顔に全部出てしまっていたようだ。 「次は何でカレンの苦手を探す？」 挑戦的なカレンの顔を見て何が何でもカレンの苦手なものを見つけてやろうと言う気持ちがふつふつと湧いて来た。 「絶叫系はどれも強そうだから次はお化け屋敷だ！」
6 21/06/25(金)23:21:03 No.816998635
「いやぁ無理！もう歩けない！」「ほら頑張って！もうちょっとだから！」 暗闇の中で叫び声がこだまする！ 「ほらもうちょっと！後は出るだけだよ！」「ホント！？ホント！？ギャー！」 「危ないお兄ちゃん！！」「いったぁ！？」 もう最悪だ…最近のお化け屋敷はここまで怖いとは…。 よく考えたら昔からホラー映画とかダメだったのを忘れてた…。 「大丈夫お兄ちゃん？あ、額から血が出てる…。」 カレンがハンカチで額を拭ってくれた。 パニックでよく分からなかったがカレンが取り乱した様子はない。 「どうする？今度こそ休憩する？」 「いやいや時間が勿体無いから次のに行こう。」 そう言って改めてマップを見て気付いた。 この遊園地絶叫系アトラクションばかりじゃないか！ 「やっぱり休憩しようか？それでゆっくり回ろう？」 「そうだね…。」
7 21/06/25(金)23:21:29 No.816998826
疲れた…ここまで疲れるとは思わなかった…。 「楽しかったー☆やっぱり絶叫系は楽しいね☆」 カレンがとても楽しめてことだけは良かった。 「次はどうしようか？」 楽しげにしているカレンを見ると疲れも吹き飛ぶ。 「そうだな…そろそろ夕食に…。」 その時空で大きな音が鳴った。 「花火だ…。」 「もうそんな時間だったのか。」 周りの人も花火を見上げている。 「綺麗だなぁ。」 しばらく花火に見惚れていたがカレンのことを思い出した。 カレンは花火に視線を奪われるのが嫌いだったのを忘れるとは。 「わぁ…。」 横を見るとカレンも楽しげに空を見上げていた。
8 21/06/25(金)23:21:45 No.816998945
その顔はいつも見るカレンの顔に比べ、随分と幼く見えた。 あまりにも可愛らしい顔にしばらく目が離せなかった。 こちらの気配を察したのか、カレンがこちらを向きにっこりと笑った。 「やっぱり花火見て良かった☆」 「それは何で？」 「だってお兄ちゃんだけは花火じゃなくてカレンのことを見ていてくれてるでしょ？」 確かに僕は花火よりもカレンに見惚れていた。 カレンが花火より目立っていると言う証明になったようなものだ。 「やっと花火に勝てた☆でも他の人はまだ花火に夢中だね☆」 変装のせいもあるのか他の人は誰一人カレンを見ていない。 「でも今日はいいんだ…。だってお兄ちゃんにだけ見てもらいたかったから…。」 やっとカレンが今日変装した理由を理解した。僕と二人っきりになりたかったんだ。 あの目立ちたがり屋のカレンがそんな事を考えていると思うと嬉しくなる。 「そしてこれだけ視線集めないなら…。」
9 21/06/25(金)23:22:03 No.816999085
カレンが僕に口づけをした。 その様子に気づくものは誰もいない。 「こんなこともできちゃうからね…☆」 僕とカレンだけの空間はそのまましばらく続いた。
10 21/06/25(金)23:23:01 No.816999520
お忍びカレンチャン見たい……
11 21/06/25(金)23:25:34 No.817000672
甘い…
12 21/06/25(金)23:29:17 [s] No.817002332
甘々で脳味噌をシェイクするのがカレンチャンだと思います！
13 21/06/25(金)23:29:33 No.817002458
>「いやぁ無理！もう歩けない！」「ほら頑張って！もうちょっとだから！」 弱すぎないか……？
14 21/06/25(金)23:31:33 No.817003334
あるかタイプのお化け屋敷はマジでダメな人は一歩も歩けないから…
15 21/06/25(金)23:32:32 No.817003789
お忍びデートいいね…
16 21/06/25(金)23:33:06 No.817004042
アマーッ！
17 21/06/25(金)23:38:18 [s] No.817006354
イメージしたのはほぼ富士急です！ 絶叫系はまだしも歩くお化け屋敷はマジで無理！ 目を瞑ってられるライド系にして！
18 21/06/25(金)23:40:18 No.817007216
弱々すぎるお兄ちゃん…かわいい…
19 21/06/25(金)23:44:50 No.817009217
実は最後までメジロシティを疑っていた
20 21/06/25(金)23:47:04 No.817010130
メジロシティは劇物すぎるから…
21 21/06/26(土)00:00:42 No.817015681
カレンチャンみたいな皆のアイドルを独り占めしたい…