虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

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  • んっ♥ ... のスレッド詳細

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    21/06/24(木)22:13:18 No.816633441

    んっ♥ 脹脛のツボを刺激され、痛みと疼きから思わず甘い声が漏れた。 不謹慎で、淫らな声だと思い、恥じる。 ちらりと視線を下げれば、真剣な表情でトレーナーが私の足をマッサージしていた。 「どうだ、調子はマシか?」 「はい、大分良くなってきていると思います」 そうかと言って、嬉しそうにまた彼はマッサージを再開した。 嬉しそうな笑顔に、私の胸が小さくない痛みを覚える。 不調を感じたのはジャパンカップを終えた後、有馬記念へ向けての調整中の事だった。 初めはちょっとした靴に砂が入った程度の違和感。 言う必要はないだろうと思っていたが、次第に大きくなり、ついには歩調の乱れにまで達した。

    1 21/06/24(木)22:14:45 No.816634054

    その時になってトレーナーも私の状態に気付いたらしい。 青い顔をした彼に攫われる勢いで病院に搬送され、検査を受けさせられた。 結果は大怪我になる一歩手前。 あと少し気付く事が遅れてたら、どうなっていた事かと医師に脅された。 自分の事は自分が一番よく把握している。 見立てやレース予想から、そう大事にはならなかったと見立てていた。 だから一々大袈裟だなと何処か他人事のように思っていたのに、 「すまないフラッシュ……気付いてやれなくて、すまなかった……」 両膝をついて泣き崩れる彼を前に、私は何も理解していなかった事を自覚させられた。 今でもあの日の事を思い出すだけで、罪悪感で一杯になる。 私は、私だけの力だけでレースを走ってきた訳ではなかったのに。

    2 21/06/24(木)22:15:11 No.816634223

    脚の爆弾が判明し、有馬記念は回避せざるを得なかった。 悔しい思いはある。けれども、 『早く脚を治して、そしてリベンジだ』 『――――はい』 涙を拭ってニッコリと笑ったトレーナーに、私は小さく頷き返した。 それまでも胸に燻ぶっていた熱が、本格的な灯になったのはこの時だろう。 そして同じくして、私と彼との間にこの習慣が始まった。 トレーニングの後の疲れの溜まった脚を、ゆっくりと揉みほぐす。 足裏から膝までを丹念に。 「ふぅ……」 「大丈夫ですか? 今日はもうこれくらいで……」

    3 21/06/24(木)22:17:36 No.816635131

    「いいや、まだ大丈夫だ! それにタイマーもまだ鳴ってないだろ」 額に汗を滲ませながらトレーナーはまたマッサージに戻る。 ウマ娘の発達した筋肉を解すのは、かなりの重労働だ。 にも関わらず、こうして献身的に接してくれる。 あまり長々としても効果が出るものではない。 それよりは毎日すべきだと医師からは指導を受けている。 そっとタイマーに視線を向けた。 設定時刻は医師に言われたものよりも、少しだけ延長済み。 「はい、まだ時間は残ってますね」 呟きながら私にトレーナーの大きな掌が触れ、指が私の肌を貫く感触を味わう。

    4 21/06/24(木)22:20:35 No.816636389

    几帳面で、自他共に厳しいエイシンフラッシュ。 ……過ぎた評価だ。 だって本当は脚の調子は随分前から完治している。 医師は不調を心因的なものだろうと言っていたが、的外れだ。 (だって痛くありませんから) 調子はいい、本格的なレースにも参戦できるだろう。 けどそうすれば、彼との時間はどうなる……? 胸を抑え、口の端を噛んで痛みを誤魔化す。 そう。 私は今日もまた、彼と時間を独占するために、嘘を吐くのだ。

    5 21/06/24(木)22:22:44 [s] No.816637382

    共に歩んできたトレーナーの情熱に焼かれてバグが生じたエイシンフラッシュ しかし適性がないので失礼する

    6 21/06/24(木)22:28:32 No.816639919

    おい待てぇ、お礼まだ言ってないだろ。ありがとう

    7 21/06/24(木)22:29:57 No.816640512

    真面目な娘が卑しくなっていく過程がそんなに良いっていうんですか!? 私は好きです!報告は以上です!