虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

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    21/06/24(木)07:48:55 No.816413934

    「…………」 「……お疲れ様」 憔悴しきった表情で控え室に引き上げてきたキングヘイローに、労いの言葉をかける。 本人はまだ実感できていないようで、俺の言葉にも疲れきった瞳をおもむろに向けてくるだけだった。 「……あれ……? ダービーは? どうなったの……?」 「…………」 「私は……どうなって……」 「……キング……君は」 十四着だ。 そう告げるとともに、彼女はさっと顔を青くして口元を抑える。

    1 21/06/24(木)07:49:18 No.816413967

    普段の自信に溢れた……いや、『自信家に見せかけている』姿の見る影もなく、違うの、違うのとうわ言のように呟く。 「足を貯めるはずだったの……ちゃんと練習通りに……それで……」 「……うん」 「あっ……あんなこと……するつもりはなかったのに……」 焦り、不安、その小さな双肩に乗るあまりに大きすぎるプレッシャー。それがあの追いたてられるような逃げに繋がってしまったのか。 彼女の脚質は本来ならば先行策からの好意での抜け出し、もしくは足を貯めての直線勝負。 普段のスタイルとは真逆の逃げを打ち、本業のセイウンスカイに競りかけられては……実力が発揮できるはずもなかったのだ。

    2 21/06/24(木)07:49:44 No.816414018

    「ごめんなさい……ごめんなさいっ……二人でずっとこの日のためにがんばってきたのに……」 嗚咽を漏らしながら、キングが悔恨の涙を流す。 俺はただ、彼女を落ち着かせるように背中を叩いて、慰めてやることしかできない。 「キング、謝っちゃダメだ。反省はしても塞ぎこんじゃいけない。キングはいつでも気高くあり続けなくては」 「でもっ……ダービーは一度しかないのよ……一生に一度の挑戦を……私とあなたの挑戦を……台無しに……っ」 「ダービーも、所詮G1の一つにすぎない。君がその手に掴める勲章はこの先にいくらでもあるさ。だから、前を向こう」 「ぐすっ……」 大きな声をあげて泣き出してしまうキングに、ただ何も言わず寄り添い続けた。

    3 21/06/24(木)07:50:08 No.816414067

    俺を巻き込むな

    4 21/06/24(木)07:50:31 [s] No.816414119

    育成シナリオだとキングが一番曇るの菊花賞の時だけど 史実基準だとダービーの方が曇りそうだよな…と思って書きました

    5 21/06/24(木)07:54:04 No.816414475

    頭が真っ白に…