ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
21/06/20(日)22:53:50 No.815387297
これまでのあらすじ: ライスシャワーの悲鳴を聞いたメジロマックイーンとゴールドシップ 現場に駆け付けるとそこには全身テカテカな「変質者」が立っていた トレセン学園スタートしマックイーンは苦労しながらも大田区まで追走 GPSでモニターするゴルシの助けもあり、ついに変質者を羽田空港に追いつめたのだった! 「追いつめましたわ......空港にっ!」 「いいぞマックイーン!もう少しがんばってくれ!」 トレセン学園、栗東寮のゴルシの部屋。 ベッドに気絶したライスを寝かせると、そこで彼女はマックイーンの動きをモニターしていた。 「まあ警備員とかにはウマく対応して......ライス?」
1 21/06/20(日)22:54:04 No.815387404
ゴルシの視界の端が起き上がるライスを捉える。 「んぅ......」 「おぉライス!ようやく起きたか!」 「あれ......ここは?ご、ゴールドシップさん?」 目を擦り意識を取り戻しつつある彼女のベッド端に座る。 「安心しな~、オマエを驚かせた変態は今マックイーンが追ってる。 スゲェぜあいつ、ここから羽田まで追っかけてるんだ、モンゴルダービーとか制覇できるんじゃねーかな?」 しかし当の本人はまだ状況が呑み込めてないのか、ポカンとしている。
2 21/06/20(日)22:54:24 No.815387533
「あん?どうしたライス」 「へんたいって......」 掛けてあった毛布をぎゅっと握る。 「ち、違うんですっ!あの人は!」 「なにィ!?」 * * * 「はぁああああああああっ!!!!」 空港に突入してからというもの、変質者もマックイーンもそのペースを上げ、チェイスは最終章に突入した。
3 21/06/20(日)22:54:34 No.815387610
追うすがろうと、追いつかせまいとする想いがそうさせるのか、両者はウマ娘であったとしても考えられないようなスピードで疾走している。 「こらっ、君たち、やめなさい!」 事態を察知した警備員たちが押し寄せる。 しかし。 「退きなさい!死にたいのですかッ!!」 走る変質者の強靭な肉体、マックイーンの気迫、そして2人のスピード。 これらを目撃したことにより彼らはすぐ、自分たちにできることは無いと悟った。 本来航空機が往来に使用する此処はもはや彼女ら専用のコースとなり果てた! 「フゥーッ、フウーッ」
4 21/06/20(日)22:54:45 No.815387702
かろうじて呼吸をとりながらB滑走路、A滑走路と横切り、マックイーンはついにターゲットをD滑走路へと続く橋に追い込んだ。 「『勝ち』ですわ......」 そう漏らす彼女は過度な走行により脳内麻薬が分泌されきっており、疲労を感じられない。 たとえその肉体が物理的限界に近づいていようとも...... 人工島と桟橋のハイブリッドであるD滑走路に到達し、変質者は最後に左へと進路を変更。 最後の直線、その先には海しかない! 残酷なことに、それは変質者たる彼にも明白であった。 「プシュワァ......」
5 21/06/20(日)22:54:55 No.815387776
足取りが徐々に粘っこくなり、その場に倒れこんだ。 その体にウマ娘の影が重なる。 「ゼェゼェ......ようやく観念しましたね......変質者さん」 マックイーンが1歩、また1歩と「変質者」に近づく。 「ライスさんに何をしたのか、きっちり説明してもらいますわよ」 彼はそこで力なく首をもたげていた......しかしそこで飛び起きる。 なにやらあせあせとマックイーンの背後を指さしているようだった。 「なんですの......?後ろ?」
6 21/06/20(日)22:55:05 No.815387835
そうして振り向くと、その光景に彼女は自分の尾が驚愕で跳ね上がるのがわかった。 飛び立った航空機から落ちてきたのだろうか、そこには青く巨大な缶をモチーフにしたオブジェ。 何度かバウンドした後、オブジェは滑走路上の2人めがけて転がってくる! 「ひゃぁあっ!?なんですのアレは!?」 変質者は走るジェスチャーをし、逃げるようマックイーンを説得しているようだった。 「走れって、私もう足が......!」 そう、ガタガタと震える彼女の脚は疲れているのではなく、もう動かせないほど消耗しているのだ。 それでも無慈悲にオブジェは転がってくる。 マックイーンはここから動けない。
7 21/06/20(日)22:55:16 No.815387927
「っ!?」 ならば自分が、と変質者と呼ばれた者はマックイーンを抱きかかえ、さっきと変わらぬスピードで走り出す! 「貴方、まだこんなスタミナを......?」 確かに彼の走るスピードはとてつもない、しかしオブジェのそれを上回るほどではなかった。 それを悟ったマックイーンはなんとかできないか辺りを見回す、間に合うだろうか? なにもない滑走路......その側面に彼女は高速艇が1隻泊まっているのを発見する! しかも乗っているのはよく見知った顔だ。 「お嬢様!話はゴールドシップ様から聞きました!こちらへ飛び乗ってください!」 「爺や!」
8 21/06/20(日)22:55:29 No.815388029
* 「変質者」も高速艇に向けて脚を進める。 そしてオブジェにつぶされる寸前にマックイーンを抱えたまま跳躍した! 「プシャァアアア!!」 そして彼は空中で彼女を爺やへトスし、キメポーズらしい体制をとって、そのまま海面に落下した。 オブジェはそのまま転がり続け、滑走路の端から海へと消えていった。 * * * さっきまで変質者と呼ばれていた男(?)は高速艇に引き上げられた。 ゴルシから話を聞いた爺やによると、この男は財布を忘れて自販機の前であわあわしていたライスに持っていたソーダをプレゼントしようとしただけだったらしい。 その特異な見た目からライスを驚かせてしまい、結果としてマックイーンたちに追われたのだという。
9 21/06/20(日)22:55:42 No.815388146
「本当に申し訳ございませんでした......早とちりとはいえ東京中追い回して......」 銀色に輝く男は「いやいや」と手を振る、言葉は話せないらしい。 「そうだ、貴方のこと、なんとお呼びしたらいいのかしら」 さすがに変質者と呼ぶわけにもいかず、唸るマックイーン。 すると男はどこからともなく青いソーダ缶を取り出し、彼女に渡した。 「ぺぷし......これを、私に?」 彼は頷き、もう1本缶を取り出してゴクッゴクッと飲み干した。 「プシャァァァァ~」 「ふふっ、おいしそうに飲みますのね」
10 21/06/20(日)22:55:53 No.815388215
太陽はもう見えなくなっており、空は暗い紫色に変化している。 「そうだ、お詫びにメジロ家でもてなしますわ!今からぜひ......」 しかしそういい終わる前に男はなにかに気づいたように頭をカクンと上げる。 そして急に黒い海に飛び込んで、遠くにある客船の方へと泳ぎ始めたのだった。
11 21/06/20(日)22:56:03 [終] No.815388293
「......あの方は......一体......!?」 もちろんマックイーンは困惑を隠せない。 「さぁ......もしかしたら、他にソーダを欲している人たちの所へ向かったのかもしれませんな」 「そうですわね......」 今日の出来事を、当事者はみな忘れられないだろう。 「にしても、すごいスタミナですわ......」
12 21/06/20(日)22:59:10 No.815389674
ナニコレ¥
13 21/06/20(日)23:00:50 [s] No.815390428
前編と後編のまとめ→ fu99068.pdf 変な組み合わせを思いついて書いてたらかなり長くなってしまった クロスオーバー適正が無いのでこれにて失礼する
14 21/06/20(日)23:04:04 No.815391941
なんでペプシマンと走ってるんだ…?
15 21/06/20(日)23:09:08 No.815394230
プシャァァ!!
16 21/06/20(日)23:09:21 No.815394328
ペプシマアアアアアン!
17 21/06/20(日)23:10:52 No.815394952
ちゃっかりカッコつけてから痛い目に遭うのやっててダメだった
18 21/06/20(日)23:15:25 No.815396802
異文化交流は面白い…
19 21/06/20(日)23:22:05 No.815399707
「ウマ娘にはペプシ!」
20 21/06/20(日)23:24:33 No.815400773
でもペプシマンって日本だけのキャラなんだよな…
21 21/06/20(日)23:26:01 No.815401388
https://www.youtube.com/watch?v=5k6_YBw7dFI
22 21/06/20(日)23:51:43 No.815411378
どういうことなの……