虹裏img歴史資料館

ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。新しいログはこちらにあります

21/06/13(日)01:19:45 机の上... のスレッド詳細

削除依頼やバグ報告は メールフォーム にお願いします。個人情報、名誉毀損、侵害等については積極的に削除しますので、 メールフォーム より該当URLをご連絡いただけると助かります。

画像ファイル名:1623514785004.png 21/06/13(日)01:19:45 No.812630473

机の上に置いていた携帯が唐突に身震いして、仕事の手が止まる。画面には新着メッセージ2件の表示とともに、担当のアイコンが表示されている。 『ツインキャット〜』 眠たそうに目を細めて微笑む彼女の顎の下には、同じように眠たそうな猫が写っていた。 「セイ」 草むらの中に、少し白味がかったものがふたつ。そのうちの大きいほうが、此方の声を聞きつけてごろりと寝転んだ。 「ここにいたのか」 「オフですからねー。トレーナーさんと違って」 ここに来るときは大抵彼女を引っ張って帰ることになるのだが、今日に限ってはそれには及ばない。彼女の言う通り、今日は休日である。 「で、休日もせっせと事務雑務に追われるトレーナーさんはどうしてここに? …あ、もしかしてサボりですか?いけないんだー」 「ちゃんと終わらせてきたよ。セイがもうちょっと素直に練習に来てくれればもう少しサボれるんだけどなぁ」 「にゃはは、手厳しいねぇ」 相槌を打つように、彼女の膝の上でにゃあ、と声がする。

1 21/06/13(日)01:20:45 No.812630805

「シロみたいだな」 「もっと若いよー。女の子だし」 「でも、すごい人馴れしてる」 指を差し出すと、暫くくんくんと嗅がれた後に、目を閉じて元のように落ち着いた。どうやらここにいてもいいとお許しを頂けたらしい。 「撫でてもいいかな」 セイが喉元をそっと撫でて、いいかな、と尋ねる。 「いいよ、だって」 おずおずと手を伸ばして触れると、ふわりとした心地良い感触とともに指が白い野原に沈む。新雪の野に指をかけたような手触りと、雪と言うには随分と温かい、日向で程よく温められた体温は、暫し時間を忘れさせるには十分なものだった。 撫でるたびに気持ちよさそうに喉を鳴らすのに気を良くして、ついつい周りが目に入らなくなってしまう。だから── 「…はむっ」 彼女が後ろからそっと近づいてきたのにも、気が付かなかった。

2 21/06/13(日)01:21:29 No.812631048

「猫ってさ、急に舐めてきたりするよね」 耳に残るやわらかい感触に、心音が跳ね上がる。猫が膝の上に乗っているから、避けようにも動けない。 「だから、トレーナーさんも気をつけてね? いつぺろってされるか、わかんないですから」 努めて声色を乱さずに尋ねようとするけれど、背中に彼女の温度と重さを感じて、どうしようもなくどきどきしてしまう。 「んっ…!セイ…怒ってる?」 「別にー。猫は気まぐれですから」 その言葉と一緒に、耳にもう一度温かい舌が這った。 随分と長く一緒に過ごして、彼女のことも何となく判るようになってきた。 今のはきっと、半分はからかい。もう半分は、たぶん── …言ったらもっと怒るから、言わないけれど。彼女が満足するまで、されるがままにさせておくほかないだろう。

3 21/06/13(日)01:22:40 No.812631424

「ところでさ、前に買ってくれたキーホルダー、あったじゃないですか」 暫く此方を思う様弄んだセイが、漸く機嫌を少し直したらしく、唐突に呟いた。 「うん」 「あれ、最近白猫バージョンも出たんだって」 セイが見せた携帯の画面には、膝の上の子にそっくりな可愛らしい白猫のキーホルダーがあった。 「うちのマグカップ、もう随分古くなったじゃん?茶渋も付いてきたし。 そろそろ買い換えてもいいかなー、なんて、セイちゃんは思うのです」 そこまで言われれば、何をしてほしいかはもうわかる。 「…家は猫飼えないからな。まあ、代わりってことで」 「…やった」 家にまた、猫が一匹増えるわけだ。一番大きな猫が、他の猫を呼び込んでしまっているのだけど。 でも、今更追い出すことなんて考えられない。 ああ── 惚れた弱み、かな。

4 21/06/13(日)01:24:44 No.812632014

「今日から君はうちの子だよー。ほら、あいさつあいさつ」 白猫のアクセサリーの頭をちょこんと下げて、黒猫の隣に並べている。結局ペアのマグカップだけでは済まず、前から欲しがっていた釣具やら、共用の寝室に置く照明やら、色々と出すことになってしまった。財布の損傷はそれなりにあるけれど、まあ、仕方ない。 彼女の喜ぶ顔を見ると、ついつい甘やかしてしまう。こんなことを言うと何をねだられるかわかったものではないから、素直に言えないのだけど。

5 21/06/13(日)01:25:09 No.812632122

「でも、これも随分使ったよねー。これを買ったときはこんなに長い付き合いになるなんて、思いもしなかったけど」 「さっさと縁切るつもりだったのか?ショックだなぁ」 わざとらしく傷ついた風を装ってみると、彼女もおどけた口調で返す。このやり取りも、二人で積み上げた年月の証なのだろう。 「まあ、私ってばこの通り自由が取り柄のウマ娘ですし?いつかトレーナーさんが、もう付き合いきれないって愛想を尽かしてもおかしくないって思ってたんだ」 「…驚いたことは何度もあったけど、見捨てようと思ったことは一度だってないぞ」 彼女が苦しんでいても、戦い続けることに倦んでしまったとしても、そばを離れようと思ったことはない。 これだけは茶化せない。彼女に対する、偽らざる本心だ。

6 21/06/13(日)01:25:27 No.812632200

「…もう、真面目になりすぎ。過ぎたことなんだから、適当に茶化してくれればいいんですよ。 ですから、まあ月並みだけど、私もきちんと感謝しているわけです」 すっと立ち上がった彼女が此方に振り向いて、恭しく何かを差し出す。 「これまでのトレーナーの功績と努力を称え、セイちゃん杯優勝トロフィーをここに授与するものとする。 …なんちって。まあ、適当に捨てといて」 手に握られていたのは、今まで使っていたマグカップだった。中に何か入っているのがわかって、思わず取り出してみる。 掌の中には、硝子細工の太陽があった。

7 21/06/13(日)01:25:42 No.812632260

戸棚を開けて、眩く輝く優勝トロフィーがずらりと並べられている段に手を伸ばす。その一番新しいところに、そのマグカップを置いた。 「え」 「ありがとう。俺もちゃんと、ずっとセイの居場所になれるように、頑張るから」 恥ずかしがりながらも、彼女はちゃんと気持ちを伝えてくれるようになった。 なら、応えなくては。 日向ぼっこ好きな猫が、いつでもそばにいてくれるように。 「…もう」

8 21/06/13(日)01:26:40 No.812632518

そっぽを向いて拗ねるセイがひどく愛おしくて、すいと手を伸ばす。けれど彼女はぷいと顔を背けて、掌から抜け出してしまう。 「…撫でていいか?」 「知りませーん。優しい猫ちゃんなら撫でさせてくれるかもねー。 ちゃんと他の子に目移りせずにかまってくれる、飼い主さんにならだけど」 愛欲に火を点けるための焚き付けにしかならない、可愛らしい嫉妬。そういうことなら、もっと頑張って許してもらわないと。

9 21/06/13(日)01:27:05 No.812632650

「ごめんって」 頭に伸ばしていた手を背に回して、胸の中に抱き寄せる。少し驚いた彼女の顎を上げて、そっと唇を奪った。 「…まだまだだねー。無理矢理捕まえても逃げちゃうよ?」 「じゃあ、やめるか?」 「…それはだめ」 「…りょーかい」 お許しを得て、彼女を掻き抱く手に力を籠める。おずおずと抱き返してくれた彼女の耳許で、そっと囁きながら。 「今はセイしか見えてないよ」 「じゃあ、これからまた別の子に浮気しちゃうんだ?」 まだ、合格には足りないらしい。 「そんなことないぞ」 「…じゃあ、証明してよ」 それならもっと、愛し合おうじゃないか──

10 21/06/13(日)01:27:19 No.812632720

「好きだよ、セイ。 これからもずっと、一緒にいてください」 さっきよりも深く重ねた唇から、思う限りの言葉を紡ぐ。 「大丈夫、大丈夫だよ。 ──ちゃんと、伝わってるから」 いつか風にのって、青い空の向こうまで、届きますように。

11 21/06/13(日)01:27:56 No.812632874

いいね…

12 <a href="mailto:s">21/06/13(日)01:29:40</a> [s] No.812633303

おわり おそろいのマグに茶渋がついて取れなくなるころにはウンスは自分のことを好きになってくれているだろうか 引けてなくてわからないのでこれから出るまでトレウンス怪文書を書くことを聖ウンス会の名において宣言する

13 21/06/13(日)01:30:41 No.812633568

素晴らしい… 聖ウンスも喜んでおられることでしょう

14 21/06/13(日)01:36:30 No.812635115

もっとイチャつけ…

15 21/06/13(日)01:36:47 No.812635195

ぬをダシにしてイチャつかないでほしいんぬ…

16 21/06/13(日)01:44:44 No.812637480

もっとぬをダシにしろ

17 21/06/13(日)01:47:39 No.812638304

いいですよね直球攻めされるとよわよわになるウンス

18 21/06/13(日)01:48:38 No.812638597

私はウンス会は初心者ですがこれはデジタルになりました

19 21/06/13(日)01:49:29 No.812638812

書き続けるんだ 出るまでも、出た後も お前が始めた怪文書だろ

20 画像ファイル名:1623516738541.png 21/06/13(日)01:52:18 No.812639642

キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!

21 21/06/13(日)01:52:30 No.812639706

告白もなんならうまぴょいまで済ませてる仲ですね 彼女の脚質には合っていますよ

22 21/06/13(日)01:52:50 No.812639787

ツインキャットかわいいな…

23 21/06/13(日)01:53:09 No.812639871

トレーナーとセイウンスカイが向かわれる日まで描き続けるんだ

24 21/06/13(日)01:53:10 No.812639879

>戸棚を開けて、眩く輝く優勝トロフィーがずらりと並べられている段に手を伸ばす。その一番新しいところに、そのマグカップを置いた。 >「え」 >「ありがとう。俺もちゃんと、ずっとセイの居場所になれるように、頑張るから」 わたしクサいのすき!

25 <a href="mailto:s">21/06/13(日)01:53:23</a> [s] No.812639947

あらかわいい これはいいツインキャットシステム

26 21/06/13(日)01:53:34 No.812640005

ホースキャッツ!

27 21/06/13(日)01:54:36 No.812640322

いいね… まとめて撫でてもらえ

28 21/06/13(日)01:56:10 No.812640778

>>戸棚を開けて、眩く輝く優勝トロフィーがずらりと並べられている段に手を伸ばす。その一番新しいところに、そのマグカップを置いた。 >>「え」 >>「ありがとう。俺もちゃんと、ずっとセイの居場所になれるように、頑張るから」 >わたしクサいのすき! オリジナルトロフィーはトレーナーとの距離を縮める ネイチャさんもそう言っておられる

29 21/06/13(日)01:58:05 No.812641273

こいつらうまぴょいするんだ!

30 21/06/13(日)01:59:34 No.812641626

寝室でうn?てなったけどこいつらうまぴょいしとる!!!

31 21/06/13(日)02:00:35 No.812641885

天井までかかったから頑張って引こうねぇ…

32 21/06/13(日)02:01:24 No.812642084

ぬは好きだけどトレーナーさんを取られたら嫉妬する そんなウンスキャッツ

33 21/06/13(日)02:02:57 No.812642443

愛想つかされちゃうかもと思ってたみたいな正直なところ吐露してくれるのいいね

34 21/06/13(日)02:08:24 No.812643706

ウンス対策にはド直球に攻めて策を弄する余裕を無くすことが有効とされています

35 21/06/13(日)02:12:12 No.812644549

2人の関係性が伝わってくるいい文章だ...

36 <a href="mailto:おまけの幻覚">21/06/13(日)02:12:19</a> [おまけの幻覚] No.812644576

「ん…」 微睡みから醒めて彼女を抱きしめると、少しだけ苦しそうに声を出す。 「ごめん、窮屈だったか?」 「ううん、ただ… トレーナーさんって、甘えん坊だよね、意外と」 他の批判なら受け付けるが、彼女に言われるのは心外である。 さっきまでの甘いくぐもった声と、此方の背に手を回して縋り付く仕草を思い出すだけで、また身体の奥が熱くなってしまうくらいなのに。 「じゃあ、もっと甘えることにする」 「えっ、なんでまたおっきく…あんっ…!」 彼女とひとつになるのは、暫くやめられそうにない。

37 21/06/13(日)02:13:16 No.812644784

ウワーッ!梅雨前線!

38 21/06/13(日)02:14:21 No.812645021

やっぱりうまぴょいしたんだ!!

39 21/06/13(日)02:16:53 No.812645554

卒業してない教え子とうまぴょいしちゃだめだよ!

40 21/06/13(日)02:17:04 No.812645593

ベッドの上でも甘えん坊なウンスは私性合

41 21/06/13(日)02:17:52 No.812645762

誘うくせにうまぴょいよわよわなウンス 私の性癖には合っていますよ

42 21/06/13(日)02:19:21 No.812646078

恋愛の駆け引きでもベッドでもよわよわであってほしい…

43 21/06/13(日)02:20:29 No.812646307

「あっ、トレーナーさんのえっち~」 「…あっ…!…トレーナー、さんの、えっち、ぁん…!」

44 21/06/13(日)02:21:12 No.812646463

「ちょっ、……なんでまだ元気なのさ」って言われたいよね…

45 21/06/13(日)02:22:09 No.812646672

別に強くない子は普通にいるけどウンスの場合からかったり策を仕掛けるけど反撃されるとフニャフニャになるのがよわよわを引き立てるよね…

46 21/06/13(日)02:30:02 No.812648275

>卒業してない教え子とうまぴょいしちゃだめだよ! 黙秘ッ!休学手続きはしてあるので安心して出産と子育てに励んでほしい!

47 21/06/13(日)02:30:47 No.812648440

余裕な態度が剥がれるまで責め立てたい 翌朝ちょっと拗ねたウンスを宥めたい

↑Top