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「はろ... のスレッド詳細

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21/06/12(土)19:13:39 No.812462573

「はろはろ~トレーナーさん」 「……セイ?」 「根積めてるだろうなぁとは思ってたけど、いやはやここまでとは。仕事が出来る男っぷりには頭がさがりますな~」  青々と広がる空の下、日の光に当てられて見えた彼女の透き通るような碧の髪が徹夜明けの目に染みる。  今日もいい顔色してるなぁ、これならトレーニングに支障はなさそうだ。なんてそんなことを考えてしまうのは、すっかり自分もワーカーホリックだからだろうか。  でも彼女には、それをするだけの輝きと面白さがある。  ──ああいや、そうじゃなかった。

1 21/06/12(土)19:14:35 No.812462892

「……どうしたんだ急に。というか、まだ授業中じゃなかったか?」 「ほら、私たちっていつも二人三脚でやってきたからさ。大事な大事な片足の悲鳴が聞こえたとあらばすぐに駆けつけるのがパートナー、ってもんでしょ?」 「サボったんだな」 「結果を見ればね~」  いつも通り、彼女は飄々とした態度で笑っている。軽々しい笑みだ、でも不快じゃないと思わせるのは彼女の内には確かに燃えるものがあると知っているからだろう。  ただ嫌な予感がするのもまた事実。彼女とそれなりに付き合っている人間にはわかるだろう雰囲気、これはセイが何かを企んでいたり何かを仕出かす前によくする雰囲気だ。レース前でよく見るそれを、目の前の彼女からすごく感じる。

2 21/06/12(土)19:15:24 No.812463183

 それはさておき。本当なら目の前の不良を学舎に着き出さないといけないのだが、ここまで来てしまったものは仕方ない。彼女は強制があまり好きじゃない、今日のトレーニングにしたって許す限りは好きにさせた方が彼女においては効率的だ。 「……暑かっただろ、もてなす物はないけど麦茶ぐらいは出すよ」 「どうもどうも、お構い無く~」  なんて気持ちのこもってない言葉なんだろうか。いや、彼女においては不快であるはずもないんだが。 「……そういえば、その手さげ袋は?」 「これは私の安眠グッズ入れなので、お気になさらず~」  ……本人がこう言っていることだし、持ち込まれても気になるものがあるわけでもない。別にそれぐらいはいいだろう。

3 21/06/12(土)19:16:00 No.812463401

⏰ 「……で、いつまでいるつもりなんだ?」 「もち、トレーニングの時間まで」 「放課後じゃないか……」  全サボりとはまた、今日は特に強気に出てくるな。仲の良い友達との会話を置いてまでここまで居着くなんて、本当に今日は何をするつもりなのだろうか。  いや待て待て、もしかしたら今日の授業が何かしら彼女にとっての不利の可能性があるんじゃないか? もしかしたら今日は合同練習なんかがあって、今の自分の仕上がりをライバルに悟らせないため……いやセイは以前それを逆手に取っていたし……だがしかし──

4 21/06/12(土)19:16:50 No.812463711

「セイちゃんプレス☆」 「ぐぇっ」 「流石にその声は失礼じゃない? こっちは訴訟も辞さなめ案件なんですけど?」 「きゅ、急に来るから……というか、退いてくれないと資料作れない」  突然背中に襲った衝撃、それは彼女が俺の背中に勢いよくもたれかかってきたことによるものだった。いつもの椅子は些細なことがあって修理中、だからといって背もたれのない丸椅子に座ったのが失敗だったか

5 21/06/12(土)19:17:31 No.812463959

「セイちゃん的にはそろそろ働きすぎの根詰めすぎだと思うけど?」  ほらあれ、とセイの細指が壁掛け時計を差す。現在午後二時、セイが来たのは午前だったからもうそろそろ二時間経つことになる。  ん? 「昼ごはんはどうしたんだ……?」 「誰かさんの休憩を待ってたんですけど、お陰で食べ損ねちゃいましたね~」 「うっ」 「あーあ、今日の日替わりメニューはとびっきり美味しそうだったのにな~。誰かさんと一緒に食べようと思ってたのにな~」 「わ、悪かった。悪かったよ、今から出前で頼むからセイの好きなものを食べよう」 「じゃ、私は高級鰻重五人前……はやめておきますか。トレーナーさんの財布じゃ心配だし」  お、おのれからかって楽しんでるなこのウマ娘は。まさかこれが目的だったんじゃないだろうな。

6 21/06/12(土)19:18:06 No.812464184

「それじゃあトレーナーさん、トレーナーさん自慢の料理セットを用意してくれない?」 「あ、ああ、いいけど。何を作ればいいんだ?」 「やだなぁ、疲労困憊のトレーナーさんに無理はさせませんよ」  そう言って彼女はおもむろに手さげ袋をまさぐって取り出したものは、彼女らしい青空のエプロン。 「ま、ちょっとそこで休みながら見てなよ。セイちゃんのお料理姿をね」

7 21/06/12(土)19:19:58 No.812464921

もう…かなりしんどい…好き…

8 21/06/12(土)19:21:03 [sage] No.812465331

先程も幻覚を散布したものです。腹減りと共にふわっと目の前に幻覚が浮かんだのでまた文章にしました 改行を忘れてたので先のものよりさらに読みにくくなってしまっていることを謝罪させていただきます

9 21/06/12(土)19:25:08 No.812466917

ありがとう面白かった

10 21/06/12(土)19:25:59 No.812467253

セイちゃんやさしい…

11 21/06/12(土)19:27:10 No.812467661

料理…安眠グッズ…なるほど…

12 21/06/12(土)19:28:17 No.812468153

>先程も幻覚を散布したものです。 へへ…クスリなら仕入れてありますぜ旦那ァ…

13 21/06/12(土)19:31:31 No.812469407

素晴らしい 特にセイちゃんプレス☆は聖ウンス会の聖典として継承していきたい

14 21/06/12(土)19:39:10 No.812472291

セイちゃんの後ろ姿を眺めながら眠りの国に旅立ってしまうトレーナー 目が覚めたら卓の上にラップかけられたお味噌汁と太ももに頭を乗せて寝ているセイちゃんという幻覚が見えた

15 21/06/12(土)19:39:20 [スレ] No.812472345

見て分かります通り、これは前半部分なのでまた後半部分が書き上がりましたら上げさせていただきます。しばしお時間をいただければと思います

16 21/06/12(土)19:40:17 No.812472686

ヘイセイ最高!ヘイセイ最高!イェイイェイ