ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
21/06/11(金)00:56:23 No.811919620
「ふぅ…」 ミーティングルームの扉を後ろ手に閉めて、胸の内に溜まっていた昂りを吐き出す。 もう、後戻りは出来ない。いや、立ち止まることすら許されない。俺自身が許しはしない。 フランシュシュが再起したあの日、彼女たちが蘇ったあの日、12年前のあの日。すべてを無駄にしないために。 背筋に鳥肌がたち、身体が熱く燃えるようだ。これはまさに、巽幸太郎ベストコンディションの予兆…! 「ちげーよ、ただの風邪のひき始め」 後方斜め下からの声が俺のやる気に冷や水をぶっかける。振り返ると頬を膨らませたリリィが腕組みをして立っていた。 「冷や水ならもうかかってるでしょ。さっきからずっとクサいよ、タツミ」 「モノローグを読むなバカタレ!」 「リリィはメタな役もたーっくさんやってきたんだよ!第四の壁だってマジカルに飛び越えちゃうんだから!」 先ほどの俺より豪華な演出をバッグに、カメラ目線でポーズを取るリリィ。 …いや、そもそもこんなところにカメラは無い。あるのは虚空だけだ。 「またボーっとしてる。風邪引く前にお風呂であったまったほうがいいよ?」 「バッカモンそんな暇があっふぁ…ヘックチ!」 「やっぱりタツミのくしゃみ、かわいい☆」
1 21/06/11(金)00:57:20 No.811919923
にっこり微笑むリリィに、何故か頬が熱を持った気がした。 「お前が風邪風邪騒ぐから寒気がしてきたじゃろが!どうしてくれる!」 「じゃあ、一緒にお風呂入ってあげる!」 「ハァ?な、なにをお前、何!?」 「リリィとお風呂入れるなんてパピーとマミー以外で初めてだよ!快挙だねタツミ!」 こちとら混乱する頭を整理しようと必死なのに、さらに混乱で頭ぶん殴ってきよるとは。 「この…」「タツミ、今リベンジライブ企画中なんでしょ?風邪で寝てる暇なんてないよ。早く治してみんなをあのステージに連れ…ううん、みんなとあのステージに行こう!」 決意のこもった声。俺の、彼女たちの原動力になる声に、俺の心は揺り動かされた。 「わかった、まずあったまってくるかの」 大股で風呂場に進む。小股の足音が続く。 「結局ついてくるんかい!」 「だってリリィあったかいお風呂久々なんだもん!」 脱衣所のシルエットが踊るようにゆらめき、湯船から笑い声が漏れ聞こえる頃。一部始終を見ていた紺野純子は冷却限界に達し機能を停止した。 おしまい
2 21/06/11(金)01:01:55 No.811921206
ホモですか!?
3 21/06/11(金)01:06:48 No.811922439
ノーホモ イエスリリィ
4 21/06/11(金)01:29:47 No.811927778
パパラッチ純子…
5 21/06/11(金)01:30:39 No.811927965
巽を巽って呼ぶのがまずかわいいよねリリィは
6 21/06/11(金)01:30:57 No.811928038
タツミ~って呼ぶの好き
7 21/06/11(金)02:08:28 No.811935362
おい四号
8 21/06/11(金)02:11:58 No.811935880
やっぱりあのかわいい発言は気になったよね