虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

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    21/06/11(金)00:01:05 No.811902164

    セイウンスカイのトレーナーになって1年ほど。彼女の奔放さに振り回されながらも充実した生活を過ごさせて貰っている。 しかしセイを勝たせるため、俺の未熟が故にセイを負けさせることなど決してないようにと己の課した資料集めや分析、トレーニングメニューの改善やレース展開の模索。これらにより発生してしまっている寝不足は、セイに勘付かせてはいないだろうが己の身体を蝕んでいるのもまた、事実だった。 そう、蝕んでいるはず、なのだが。どうにもここ最近、身体が軽いような気がする。気絶するように眠っていた今迄とは歴然──まるで雲にでも包まれているような寝心地はとても快適で、足りていない睡眠を取り戻そうとするかのように意識を深く深く潜らせていく。 ……何かしなければいけないことがあったはずだが。そんな意識は生まれては消えて、とめどなく襲い来る睡魔に対抗するように胸から下に掛る布団を掻き抱いた。

    1 21/06/11(金)00:01:45 No.811902386

    「トレーナーさーん、夜ですよー起きないと悪戯しちゃうよー?」 万年睡眠不足のトレーナーさんを策士のセイちゃん見事に安眠へと導きました!私もゆったりと寝させて貰います──そんな風に得意げになれていたのは私がそろそろ帰ろうかなトレーナーさんも起きるだろうしと、すっかり陽が落ちた頃に起きだすまでのことだった。 私の予測以上に最近の彼は無理をしていたようで、いつもは「どわああああ!寝てたああ!」なんて言って飛び起きて私を無理矢理起こすというのに、私が起きてもまだ彼は眠っていた。 珍しいこともあるものだね、と寝顔をよく見てやろうと少し体を起こしたのが、悪かったのだろうか。 離れるな、とでも言うようにいつの間にか自由になっていた彼の腕が──寝ているうちに握った手を離してしまっていたんだろう──私の後頭部を捕まえると先ほどまで枕にしていた彼の胸に帰還させられた。 「わぶっ!」

    2 21/06/11(金)00:02:00 No.811902466

    いきなりのことで驚いてしまって変な声が出てしまう。私のことを布団だとでも彼は思っているのか、いい”ポジション”を探すように私の頭を彼の胸の上で転がして来る 「ちょっ、やめっ」 飛び出る静止の声は何故だかとても小さくて、簡単に振りほどけるはずの拘束にも何故だか全く敵わなくて。ああ、ダメだ、これ。押し付けられているせいで今や私の鼻と彼の胸は零距離だ。彼の匂いから逃れる術がなくて、頭がショートしたみたいになる。 毒だ。私が彼にサボりを教えたなどと、いい気になっていた毒など比べる気すら起きないほどの、猛毒。まず一番に肺に溜まってそして全身へと駆け巡る。毒が廻っていくごとに頭がぼうっとする体の自由が利かなくなって行く。 ──何度か芋虫みたいに体をもぞもぞとさせた後、私は気を失った。

    3 21/06/11(金)00:02:15 No.811902549

    「……んあ?…………あー、そっか。セイに捕まって寝たんだったか……今、何時だ……?25時!?おい、セイ起き──うわあっ!顔面ベトベト!俺の胸もベトベト!」

    4 21/06/11(金)00:03:08 [s] No.811902790

    セイウンスカイと二度寝したい人生だった

    5 21/06/11(金)00:05:54 No.811903696

    ウワーッ!?

    6 21/06/11(金)00:07:39 No.811904268

    頭わしゃわしゃ撫でながら寝よう

    7 21/06/11(金)00:08:02 No.811904372

    いい…