虹裏img歴史資料館

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21/06/09(水)02:39:44 誰にだ... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1623173984091.jpg 21/06/09(水)02:39:44 No.811291797

誰にだって休日は必要なもんで、アタシも休日はもちろん必要。 たまにはトレーナーと離れて、仲のいい友達と遊ぶ時間だって必要なんだ。なんかこういう事言うといつもトレーナーさんと一緒にいまーすってアピールしているようで思わずそこらへんの電柱になりたくなるけど。 とにかく休み!ってことで、例に漏れず友人たちとのカラオケに行ったわけですが、うむ、間違えました。最初はターボとタンホイザだけといったのに、当日行ってみればそこにヘリオスとパーマーにマヤノという面々が追加いう時点でやべっと思わなかったことが最大のミス。 もーカラオケだって言ったのにその前に色んなおしゃれな店で着せ替え人形にされるわ、ボウリング行くわ、もう半径15mぐらい笑いで満たしながら歩くわ、カラオケでももーリオらへんのカーニバル並みに騒ぎまくるわで、ネイチャさんはもうハードトレーニング以上にぐったりする羽目になった。

1 21/06/09(水)02:39:57 No.811291820

「ねーねー! どうしたらトレーナーちゃんマヤともっとデートしてくれるかなぁ、やっぱり大人の魅力? 胸大きくしてこいっていってたから…つめもの?」 「はいはい! じゃあボウリング玉がターボいいと思う! おっきいしでっかい硬い!」 「なになに恋バナ? いいねぇーボウリング玉でマジきゅん☆ メッセージ書いて投げるべ!」 「いや死ぬわ…」 「でもメッセージを投げて渡すってなんだかいいねぇ」 「おっ、タンホイザ乗り気だね」 そして夕方の帰り道での恋バナがトドメと来ています。もー、無理、疲れた体に恋バナは濃厚すぎて無理。どいつもこいつも好意を隠そうとしない小達だからさらにネイチャさんにはダメージです。

2 21/06/09(水)02:40:20 No.811291855

「ネイチャちゃんはどうなの~? 仲良しなんでしょ~トレーナーちゃんが言っていった!」 「ハイハイ、そのトレーナーちゃんはたづなさんとまた仲良しになろうとしてましたよ~」 「えー!? またー!? もートレーナーちゃーーん!!」 「走るの? ターボもついてく!」 アタシがそう言うと、噛り付きに行くのだろうかマヤノが走り出してすぐ後にターボがついていった。うっし、これで無邪気に聞いてくる二人は消えた。 「でもでも、結構ネイチャとトレーナーっていい感じじゃね? しかもあれでしょ幼馴染っしょ? こりゃあもう行くしかなくね? クリスマスデート、アゲアゲでイケたんしょ?」 「げっ、此処にもう一人いた……それは、そのあれで…その…あー! もう、ダイタスの方はどうなんだって、パーマーも!」

3 21/06/09(水)02:40:47 No.811291893

「ウチ? 誰と?」 「ふふふ、パスが甘かったね」 「…やっぱいいデース。はいマチタンにパース、一番頑張ってるだろうしー?」 「そこから私にふるのぉ!?」 不本意ながらワイワイと盛り上がっていると、ふと公園の中に見え覚えのある影が見えた、テイオーだ。テイオーが走っている。 確か休みだと聞いた気がするんだけど…そう思うといつの間にかアタシの脚はそちらの方に向かっていた。 「あれっ? ネイチャ何処行くの?」 「ちょっと急用ー! 先行っててー!」

4 21/06/09(水)02:41:08 No.811291940

〇 褒められるのは好きだ、それはみんながボクに期待しているってことだから。応援されるのは好きだ、ただでさえ最強無敵なボクが何十倍にも強くなった気がするから。 カイチョーが好きだ、強いし。速いし、優しいし、カッコイイし! その背中をいつか追い抜いて見せるっていつも思っている。 レースが好きだ、みんながボクを見て目をキラキラさせてくれるから。ライバルが好きだ、ボクをもっと強くしてくれるから。 でもボクが好きだと思ったものはほとんど、トレーナーは嫌いみたいだった。 トレーナーはぜんぜん褒めてくれない、ぜーんぜん応援もしない、絶対カイチョーが嫌いっぽいし、そもそもウマ娘自体が嫌いっぽい。 トレーナーは笑わない、事務的な会話しかしてくれない。でも練習はちゃんとしてくれるし、ボクの体を気遣ってくれるし、練習後のマッサージも徹底的にやってくれて、食事のメニューまで考えてお弁当も作ってきてくれる。

5 21/06/09(水)02:42:01 No.811292031

でもそれはボクの為じゃなくて、ボクの勝利の為なんだってそう思う。自分のこともどうでも良くて、ただボクがカイチョーを超えればそれでいいって。 公園で走りながら、皐月賞の時のトレーナーを思い出す。皐月賞でも、トレーナーは見に来てはくれなかった。ただウイニングライブの後迎えに来てくれてただ一言「よくやった」と珍しく褒めてくれただけだ。 寂しくないと言えばウソになる、一緒に喜んでほしいし、ボクの事を見てくれないのは悲しい。だけど、それ以上にトレーナーはボクの事を信頼してくれているのだけは分かる。 いつ走っても、何処で走っても、トレーナーはボクが勝つと信じて、それを少しでも疑っていない。だから見ないし、褒めないし、笑いもしない、だって勝利は当たり前なんだから。 「いっ…」 脚に痛みが走って、思わず足を止めて抑えてしまう。 トレーナーと始めたあったときもこんな感じだったなぁと、思い出す。

6 21/06/09(水)02:42:44 No.811292116

カイチョーの走りに圧倒されて胸がチクチクして、がむしゃらにボクが練習していて、それを止めたのがトレーナーだった。それがお互いの初対面だった。 ボクはトレーナーのことを知らなかったけど、トレーナーは知っていて、ただ一言「見込み違いだった」とだけいった。なんて最悪の初対面!それでもボクに何処から取り出したのか湿布を貼ってマッサージをしてくれた。 でもなーんにも興味なさそうな顔で、ミコミチガイダッターなんていうから、もー頭にきて! 見返してやろうと思って、見かけたら引っ張って練習を見せたり併走を見せたりしたんだ。 それでもトレーナーはまだまだボクと同じ生まれたてのひよこみたいなくせに、必ずどこかダメ出ししてきて、でも効果が出るような練習方法を考えたりくれたりして、いつの間にかこの公園で練習を見るようになって…ここがボクたちのヒミツの練習場所だった。 「テイオー、お前ならルドルフを超えられる。お前だけが」 そしてボクにスカウトに来てくれた人たちに、一言ずつボクが何処まで行けるかを聞いたとき、トレーナーだけがそう言った。それで決まりだった。

7 21/06/09(水)02:44:07 No.811292245

そして最初で今の所最後のだけど、その時だけトレーナーの素直な誉め言葉と一緒にボクを見て笑ってくれたんだ。嬉しかった、でも悲しかった。その時のトレーナーが自分を責めているようなとても悲しそうな目がしていたから。 「くっ…う…」 脚を抑えて、歯を食いしばって立ち上がる。もっともっと強くならなくちゃいけないから、もっとトレーナーの予定を変えることがないように速くならなくちゃいけないから。 ボクの選抜レースの時みたいにキラキラとした眼でもう一度ボクを見てくれるために、レースを楽しいって思ってくれるために。 そしてトレーナーがいなきゃ三冠無敗になれなかったよ、カイチョーに勝てなかったよ!ってそう言って、笑ってくれるために。 「だから…走るんだ」 そうして走ろうとすると後ろから声が聞こえた。振り向いてみると、ネイチャが立っていた。

8 <a href="mailto:s">21/06/09(水)02:45:16</a> [s] No.811292374

えらく遅くなったし長くなりましたスリーゴッデスがそうしろといったからです自分は悪くありませんホントスリーゴッデスからお歳暮を贈らせます

9 21/06/09(水)02:45:51 No.811292430

そんな縁起の悪いお歳暮受け取れないよ…

10 21/06/09(水)02:48:08 No.811292669

絶対中身がロクでもないやつですよねお歳暮?

11 21/06/09(水)02:48:36 No.811292711

久々に寝る前に見れた 時間もう少し早いと助かるが今回もいい不穏さだった

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