虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

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    21/06/05(土)17:12:03 No.810058788

    朝の日課のランニングではいつも河川敷を走っている。早起きして着替えたら、門をくぐって駆けだしていく。 春先の暖気と締め切ったジャージにこもる体温で既に不快な汗が背にもうにじんでいた。 街路を抜け、河川敷に差し掛かる。この時間帯は人が少なく静かだ。 時折通る電車のうなり。ちゅんちゅんと、どこかでやり取りをする小鳥のさえずり。枯れ果てた葉をつけなおし、蕾すらのぞかせようとしている街路樹。静寂の中にこの風景を独り占めできる時間は嫌いではなかった。 隣町の駅でUターンし、対岸を走る。こちらは住宅地に面しており、既に通勤時間と思われるサラリーマンとすれ違うことも珍しくない。 こんな時間からご苦労なことだと、心の中で会釈をする。そうして走っているといつものように大橋が見えてきた。

    1 21/06/05(土)17:12:38 No.810058947

    川を渡す大きな橋。その下が自分のお気に入りスポットだった。 この時間に出て、決められたコースを走って、ここで休む。それが朝のルーチンワーク。 朝露に湿った芝の上を滑り降り、川沿いから暗い高架下を歩く。中腹あたりの地面を軽く払って腰掛けた。 「はぁ……」 息は上がっていない。体の汗も体操着を濡らすほどではない。こんな程度で休憩していることに無意味に罪悪感を覚えてしまう。 橋の裏側、骨組みが組み合わさって幾何学模様を成しているところを、視線でなぞってだらけていた。 そうしたら、 「へぇ?この辺にこんな穴場があったなんてね」 高架下に場違いなほど尊大な声が響いた。

    2 21/06/05(土)17:13:02 No.810059072

    「……げ」 声の主の方を向く。 逆光でシルエットしかわからなくとも、その正体は既に分かっていた。 スラリと伸びたボディラインを野暮ったいジャージで包み、頭の上には覆いをつけた一対の耳が偉そうに立っている。 腕を組みこちらへつかつかと歩いてくるとその表情がはっきりとしてきた。 「……なんでここにいるの」 「朝の運動のついでといったところかしら。あなたこそ、こんな陰気な場所で休憩するものではないわ」 「……ほっといてよ、ヘイローママ」

    3 21/06/05(土)17:14:22 No.810059454

    書き込みをした人によって削除されました

    4 21/06/05(土)17:29:23 [s] No.810063860

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