虹裏img歴史資料館

ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。新しいログはこちらにあります

21/06/05(土)08:12:52 私は今... のスレッド詳細

削除依頼やバグ報告は メールフォーム にお願いします。個人情報、名誉毀損、侵害等については積極的に削除しますので、 メールフォーム より該当URLをご連絡いただけると助かります。

画像ファイル名:1622848372952.jpg 21/06/05(土)08:12:52 No.809931588

私は今、我が友シップに連れられて街の中を歩いています。 はい、シップと交際を始めた事をご家族に報告する為だとか。彼女は妙な所で律儀ですからね。 さて…目的地は小さな三階建てのビルディング。玄関には『金色組』と掘られた真鍮の看板がありました。 『ヤ』の付く自由業の方々では無いのでしょうか。等と思いつつも、我が友シップは気軽にドアを開けました。 「ちゃーっす。ゴルシちゃんのお帰りだぞー☆」 シップはそう言うと、ビルの中にいらっしゃったウマ娘達が揃って頭を下げました。 「うすっ! お嬢、お帰りなさいませ!」 「お久しぶりにお会い出来て光栄で御座います!」

1 21/06/05(土)08:13:44 No.809931682

「んやだなぁ~そんなに畏まらなくても良いっつうの~。あ、此れオヤツのケーキな。皆して仲良く食べろよ?」 「お嬢のお心遣い、誠に有り難いっす!」 そんな遣り取りに私ははわはわと混乱していると、不意にシップに手を優しく握りました。 「ぱっと見怖いかもしれねえけど、皆良い奴だから、安心して良いぞ」 そうは言われましても私は「はぁ」と生返事を返す事が出来ませんでした。 さてはて、ゆっくりと階段を上り最上階へ。其処には独りの、シットリとした黒色の髪をしたウマ娘が椅子に座っていました。 「よーっすオヤジー。元気してっか」 「お前は相変わらずだな。ゴールドシップ」 「んーまぁテンションアゲアゲなのがアタシの売り出し? そんでもってまぁ、この子がアタシの大切な子って奴でさ」 「ジャスタウェイと申します。如何か宜しくお願い致します」

2 21/06/05(土)08:14:17 No.809931743

ペコリとお辞儀をすると、我が友シップが「オヤジ」と呼んだ方はフムン…と私を見つめました。 「済まないけどゴールドシップ、彼女と二人きりで話がしたい」 「はいよー」 すると我が友シップは何の文句も言わずに退室し、私はポカンとしながら消えていく背中を見ていました。 「改めて自己紹介だ。キンイロリョテイって言う。 まぁ…オレの関係者…ファミリーの頭をやってる」 いややっぱり『ヤ』の付く自由業じゃ無いですか! コワイ! 「そう怖い顔をするなよ。ウマ娘の相互援助組織みたいなもんさ」 そう言いながらキンイロリョテイさんは私にソファに座る事を促しました。対面のソファに座りながら。 「ゴールドシップとはガキの頃の付き合いなんだってな」 「えぇ、小さい頃から退屈しないヒトでした」

3 21/06/05(土)08:14:42 No.809931793

正直にそう伝えるとキンイロリョテイさんはアッハッハ! と笑いました。そして徐に人参シガレットを取り出します。 「彼奴は本当、誰に似たんだか。頭は良い癖に乱暴者で気紛れ。その癖妙にヒトの空気を読むのが上手いと来た」 「はぁ…」 確かに言われてみれば、我が友シップは正しくそんな感じ。 悪戯をしてもヒトが悲しむ一線を越える事はありませんし、もしも泣かしてしまった場合は必死になって謝ります。 「彼奴の恋人になる前から苦労したんじゃないか?」 「ええ、それは勿論」 何せずうっと一緒でしたから。 「でも、とても楽しかったです」 私はそう付け加えました。

4 21/06/05(土)08:15:06 No.809931831

「ははははっ! 彼奴は随分といい子を拾ってきたんだなぁ」 膝をぺしんぺしんと叩き、尻尾をユラユラと揺らしながらキンイロリョテイさんは笑います。そして… 「じゃぁ本題だ」 ガラリと空気が変わりました。 「彼奴の事だ。滅多に心変わりはしねえと思う。だけど世の中に絶対なんて言葉は無ぇ。何時どんなタイミングでお互いの関係が切れちまうか分からねぇ。病気や事故、他人から奪われる。何だって有り得る。だからこそ、彼奴の手、確りと握れよ。生半可な事してやがったら、オレがアンタらの手に遠慮なくべっちゃりと接着剤付けてやる」 話は以上だ。と言われると私はキンイロリョテイさんの部屋から退席していました。 外に出るとギャリギャリくん人参味を囓っていた我が友シップの姿がありました。

5 21/06/05(土)08:15:28 No.809931867

「いよーっす。オヤジとの話は済んだか?」 「えぇ、平穏無事に」 私がそう言いますとシップはニシシと笑いながら残っていたギャリギャリくんを瞬く間に食べ終え、ハズレ棒をゴミ箱に投げ捨てました。 「ほんじゃ予定通り一心同体スイーツ食べ歩き大会しようぜー!」 「んもう、シップってば…恥ずかしいです」 私は頬を赤らめながら、我が友シップの手に指を絡ませて確りと握るのでした。 …ビルディングの窓から、2人が出て行くのをキンイロリョテイは静かに眺めていた。 「病院のフラッグに、トレちゃんよぉ。…頼むから、彼奴の事、見守ってくれよな。オレも必死になって守るから、さ…」 ペンダントの中には、仲良く3人で映ってる写真があった。

6 21/06/05(土)08:16:44 No.809931996

尾終い ゴルジャスがお付き合い始めたらオヤジに報告しなきゃねと啓蒙が降ってきたので書きました 反省も後悔もしてません ビルの床拭いてきます

7 21/06/05(土)08:47:12 No.809935655

最近のこいつは見つめるだけだった最初の頃から変わっちまったな…

8 21/06/05(土)08:52:00 No.809936298

まあ集団幻覚だからな… 個々人の願望とかもどんどん混じっていく

↑Top