21/06/04(金)02:13:04 泥の寿... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1622740384834.jpg 21/06/04(金)02:13:04 No.809555470
泥の寿司 https://seesaawiki.jp/kagemiya/ https://zawazawa.jp/kagemiya/
1 <a href="mailto:1/2">21/06/04(金)02:14:02</a> [1/2] No.809555620
「えっへっへ。食べた食べた♪」 「ホントだよ…あんなに食べるなんて」 鞘華はつい口を尖らせた。なんせ勝ち分を半分も食い尽くしたのだ、この人間火力発電所は。 まあ、奢った分の埋め合わせはきっちりしてくるタイプだからいいんだけれど。 近場のバーに彼らはいた。ジントニックで唇を湿らせながらちらりとナナの様子を伺う。 ロックのウィスキーをグラスの縁から舐めるナナは至極落ち着いた調子だった。 とことん奇妙な人だと鞘華は思う。 さっきだって寿司屋で頼んでいたのは「とにかく美味しいもの」だ。 料金の高いものではない。その時に美味しいものをよく知れない勘で嗅ぎ分け、次々に注文していた。 即ち、旬のものをガンガンと。その食べっぷりがいいので店側も気に入っちゃって。 以前、支とナナの話題になった時に共通した認識がある。 まるで野生に生きる動物のよう。都会という森に馴染んだ獣のようだと。 「…しかし、馬の調子の良さを見分けるか~。鞘華ちゃんに任せるならともかく、ちょっとアタシには難しいかな」 それは不意にナナが口にした台詞だった。 「どうしてだ?ナナくんはむしろそういうの得意な方だと思っていたんだけどな」
2 <a href="mailto:2/2">21/06/04(金)02:14:13</a> [2/2] No.809555650
「駄目駄目。アタシね。人間同士ならどうにか距離感分かるんだ。 でも犬とか猫とか、人間と違うとね。どーにも自信が持てなくなっちゃう。嫌いではないんだけれどさ。 ああ、これは私たちとは違う生き物なんだなってね」 ナナの語りは不明瞭だった。いまいち漠然としていて掴みどころがない。 まるで自分が異星からやってきた生命体だとか、そんなふうに感じているような口振りと独特の孤高があった。 「ごめん、ちょっとお手洗い行ってくるね。すぐ戻りま~す」 気まぐれなナナの言葉の裏を探っているうちに彼女は席を立ってバーの便所へと向かっていく。 そこでぼそりと鞘華に届く声があった。即ち、それは隣でずっと黙っていた。 「…あの方、ああ見えて寂しがりなんですよ」 バーに連れてこられた未成年はソフトドリンクを少しずつ削るように飲んでいる。 その呆れたような案じるような表情のフラムを見て、鞘華は微笑みながら言った。 「うん、だろうね。ひとりでいてもいいけれど、ひとりでいるのは嫌。…そんな人なんだろうな」 「…ええ。…そういう人なんです」 そう言ってちびりとジュースを口にするフラムを鞘華は好ましげに見つめたのだった。
3 21/06/04(金)02:19:50 No.809556491
こういう会話好き!
4 21/06/04(金)02:23:54 No.809557068
ゴリラはマジでなんなの…?
5 21/06/04(金)02:25:39 No.809557292
自分をゴリラと勘違いしている人間
6 21/06/04(金)02:27:45 No.809557571
未来から送られてきたターミネーターとかそういうの
7 21/06/04(金)02:29:03 No.809557741
この前ステラ先輩に普通とか言ってたけどゴリラも割と人のこと言えないのでは?
8 21/06/04(金)02:30:39 No.809557935
この未成年後方保護者面してる…
9 21/06/04(金)02:36:29 No.809558577
>この前ステラ先輩に普通とか言ってたけどゴリラも割と人のこと言えないのでは? 自分では気づかなくてもまだ普通のところに踏みとどまっているのと既に気づいていて線も踏み越えた上でそれらしく振る舞っているのの差では