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レジェ... のスレッド詳細

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21/06/02(水)00:28:02 No.808901122

レジェンドレース。仰々しい名前だけど、実際の所はデビュー直後のジュニア級の子やデビュー前の子とシニア級以上のベテランランナーやOBが交流し、何かを未来ある新人たちに掴んでもらおうというものだ ドリームレースに参加しているウマ娘は、ランダムにそれに抜擢されてかつて通っていたトレセン学校に顔を見せるのが習わしで、私も数年ぶりに府中の地に降り立った こういう知らない人といきなり話をすると言うのは苦手で、だからこそ慣れないとと言う、もう長い付き合いになるトレーナーさんの勧めと 一緒に走っているチームの子、クリスちゃんから「今のトレセン学園にはすごい子がいますよ」と言う言葉に誘われ押し切られてしまった

1 21/06/02(水)00:28:54 No.808901365

午前のグループディスカッションは、一緒に来てくれたトレーナーさんのお陰で何とか乗り切れた。それなりに有名人と言うことで、後輩たちからの質問の勢いはすさまじく、私だけだったら呑まれてしまったかも でも、こう言う交流と言うのは確かに刺激になる。まだまだ心身も感性も老け込んだとは思わないし言いたくもないけれど、確かに今の私には不足していた何かを彼女達から別けてもらえた気がするから そのお礼はこの後の午後、模擬レースで全力でお返しすることにしよう

2 21/06/02(水)00:29:11 No.808901446

芝1800。オーソドックスな中距離レースを想定して、学園のレース練習場で私を入れて18人立てでの模擬レース。緊張している子もいるけど、皆負けん気と戦意が感じられて私も流石に高揚する どう立ち回るかはトレーナーさんから一任されているので、全力は出さないくらいで逃げて後は道なり、彼女達の心を折らない程度の加減で行こう。その時はそう考えていました スターティングゲートが開き、直線から第一、第二コーナーバックストレッチを超えて第三、第四コーナーへ もうすでに2番手の子とは6バ身近く差が出来ている。本当はもっと競ることが出来る実力があるのは走っていて分かったけど、やっぱり緊張で掛かってしまったみたいね ここまでで本気の7割と言ったところ、まだまだレース勘も経験も薄い彼女達ならこれくらいかな むしろ十分なくらいだ。と感心半分残念さ半分に考えていると、私の体を衝撃が貫いた

3 21/06/02(水)00:29:26 No.808901510

別に銃で撃たれたとか、何か物理的に私の体に当たったわけじゃない。そう思えてしまう程強烈な意思が私に突き刺さっていた。全身が総毛立つ。ぞくり、ぞくり。恐怖に似た何か、これは歓び? エアグルーヴ、スペちゃん、エルちゃん、グラスちゃん、ウオッカちゃん。名だたる差しウマ先行ウマ達とデッドヒートしているときにしか感じない、絶対的に強い相手に追われているという快感 腋越しに振り替える。やっと第四コーナーを曲がり切った最後方のバ群。その大外にその子はいた 黒い髪、青いリボンの耳飾り。水色の瞳を全開にして、そのウマ娘は笑っていた

4 21/06/02(水)00:30:10 No.808901696

一回瞬きをする毎に、まるでコマが欠けたフィルム映像を見ているようにその子は恐ろしい勢いで上がってくる 一人抜いて、また一人抜いて 冗談でしょう?最終コーナーを立ち上がってからあの速度で追い込んでくるの? 他の子が止まっているように、その子はまるで地面を滑るように、ううん飛ぶようにその子は猛烈な勢いで追い上げてくる。次元が違う、シニア級でももう十分通用する豪脚だ。しかもこの短時間でこの加速なんて、ゴールドシップさん並みかそれ以上の脚があるとしか思えない 何より彼女の表情だ。満面の笑み、キラキラと瞳が輝いているそれは、疾走本能が掛かって暴走したウマ娘が浮かべる狂気的な笑みではない。理性的に戦術を練って、それを万全に発揮して、レースそのものを全力で楽しんでいるウマ娘の笑みだ

5 21/06/02(水)00:30:28 No.808901787

それが私を見ている。順位を上げるとか、少しでも前にとかじゃない。私を追い抜く、そう目が語っている 何となくだけど、彼女は私と似ていると思った。私も今、間違いなく同じ笑みを浮かべているだろうから トレセン学園にいる凄い子……クリスちゃんの言っていたのは彼女だったのね。いいわ、もっと早く、もっと強く飛んできてみせて、私はそれよりも疾く、このターフを駆け抜けてみせる! 予定変更。というよりも交流会がメインと言うことなど頭の中からとっくに吹き飛び、私は本気で左足を踏み込んでいた

6 21/06/02(水)00:30:43 No.808901852

「はぁ……はぁ……はぁ……」 「お疲れ様」 一着は私、でも彼女はあの距離からの追い上げで私に1バ身差の所まで届いていた。末恐ろしいなんて言葉が頭に浮かんだのは果たして何年振りかしら 「あ、ありがとうごじゃいます……」 水の入ったボトルを渡すと、彼女はすごい勢いでゴクゴクと飲み干していく。その姿がトレーニング終わりでグロッキーになっていた学生時代のスペちゃんに重なって、思わず笑顔になってしまう 「流石レジェンドのサイレンススズカさんですね。全然追いつけませんでした」 「貴女こそ凄い末脚だったわ。もうクラシックやシニアでも結果が残せそうなくらいね」 「あ、ありがとうございます!えへへ…あの!今のレース、ボク凄く凄く楽しかったです!またスズカさんと走りたいです!次は本番で!」 「ええ。私ももっともっと速くなってドリームリーグで待っているから。教えてくれないかしら、貴女の名前」 「はい!ボク、ディープインパクトって言います!よろしくお願いします!スズカさん!」 満面の笑みで笑うディープインパクトさん。今度のトレーニングはもっとハードなものをトレーナーさんにお願いしないといけないわね

7 <a href="mailto:s">21/06/02(水)00:31:29</a> [s] No.808902049

プイスズに爽やかにバトって欲しかったので

8 21/06/02(水)00:33:16 No.808902514

でした。さんが毎晩夢に見る光景

9 21/06/02(水)00:34:29 No.808902839

>でした。さんが毎晩夢に見る光景 どっから見てんだよ

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