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21/06/01(火)02:31:01 ペンが... のスレッド詳細

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21/06/01(火)02:31:01 No.808623362

ペンが走り紙が捲れる音だけが響く静かな生徒会室。中には少女と大人の中間といった妙齢の女性が三人。 小さく息を吐いた後、うち一人が口を開く。 「なぁ、ちょっといいか」 「どうした、ブライアン」 頬を紅潮させ、鼻のテープを人差し指でなぞりつつ続ける。 「昨日のこと、なんだがな……アイツに髪を解いているところを見られたんだ……」 「ふむ、それくらいならどうと言う事もないのでは?」 「その、綺麗だよと、言われたんだ」 ガタッガタッ 二つの椅子が勢いよく跳ねられ、俄かに小気味よい音を立てる。 「おい待て貴様、それからどうなったんだ」 「いや、何もできずに逃げ出してしまった。どうすればよかったんだろうか……」

1 21/06/01(火)02:31:17 No.808623388

口ぶりからは、心の底からそう思っているであろう事が伺える発言に、だが付き合いの長い二人は違和感を覚える。 「なんて羨ま……いや少し待て、どうしてそんな状況になったんだ?」 「ただ、たまたまシャワー上がりにアイツと会っただけだ」 「ふぅん……エアグルーヴ、どう思う」 「ギルティですね。普段からしっかりと乾かしてすぐ縛っているブライアンが、寝る前でもないのに解いているのは違和感があります」 嘘か真か、それらしき推論を述べられて最初に口を開いた少女は激昂する。 「たまたまそういう気分になることもあるだろう!」 「偶々、そうか偶々か。そんな偶然に加えて偶然にもトレーナ君と遭遇したというのか」 「卑しいぞブライアン、近頃はお姉さん経由で家族にも色々話しているとも伝え聞いているが」 取り繕った発言の穴を突かれ、彼女は口をパクパクとさせる。

2 21/06/01(火)02:31:35 No.808623420

しかし、彼女は差しウマだ。溜めに溜めて、ついにその反撃は牙をむく。 「なっ……違っ……クソ、皇帝様だってこの前アイツと並んでいい感じの写真を撮っていたじゃないか!」 「は?会長、詳しく説明を」 キリっとした力を感じさせる瞳がその矛先を変える。 好機と見たか、長髪の少女は自らの嫌疑をよそに追及を続ける。 「な、どうしてそれを……隠すつもりもなかったが……」 「いいからさっさと吐いて楽になってしまえ」 「くっ……ただ単純に実家から近況報告を求められたから、その為に撮影しただけだ」 「会長とそのトロフィーや実績などでよかったのではありませんか。なぜ彼と一緒に?」 「前に、自分一人の写真は経過報告として送っている。それに、私の道のりは彼と二人で歩んで来たものだ」 「それで?」 「であれば、当然に私達はもはや不可分、渾然一体な以上一緒に写真に写るのはおかしいことなど何もない。蜜月の関係と言ってもいいだろう」

3 21/06/01(火)02:32:14 No.808623495

「なっ……蜜月、ですか……」 攻め立てていたのはどちらだったか、いつの間にか形勢は逆転している。 「アンタ、まさか……」 「おやおや、何を想像したのかな?怒らないから言ってみるといい」 黒髪の二人が顔を赤く染めていく。対する鹿毛もよくよく見れば脚は震え顔は崩れる寸前であり、双方に一才の余裕がないことが見受けられる。 「「「ふ、ふふふ」」」 極めて低次元で成立している均衡を崩したのは、尚も攻勢を緩めない皇帝の一撃であった。 「そういえばエアグルーヴ、君もこの前彼と一緒に挨拶していたではないか、お母様に」 「は?待て待て待て、私でさえ姉貴以外は知らないのに母親、しかも直接だと?」 「あ、いや、あれは……」 「ふむ、否定はしないようだな」 まるで歯噛みの音が聞こえるかのように、力の限りぎりっと口を歪ませ、女帝と呼ばれる彼女は口を開く。 「くっ……ああそうだ、母親が久し振りに顔を見たいからと押しかけてきたのだ。そうすると当然、トレーナーの話になって、挨拶したいと。最初は断ったのだが——」

4 21/06/01(火)02:32:33 No.808623527

「嘘だな」 「ああ、嘘だったんだろう。見たまえこの笑顔を」 「は?なんですかそれは、会長ッ」 徐に皇帝、会長と呼ばれる彼女が懐より写真を取り出す。 そこには、すっかり破顔し誇らしげに腕を組んでいる女帝が写っていた。 「出どころについては……そうだな、彼女のプライベートの為秘匿としておこう。何度倒れてもいいようにケアチームは用意しておかねば」 「ほう、随分と楽しそうじゃないか“女帝”様は」 「く、くううううううう!そうだ、自分の信頼するパートナーを紹介して何が悪い!」 「悪いとは言わないが、なぁ?」 「ああ、全くだ。まさかいつの間にかなぁ」 3人とも既に、耳までほのかに赤らんでいるかの如く顔を染めてしまっており、その汗は滴らんばかりである。

5 21/06/01(火)02:32:50 No.808623564

しばしの沈黙の後、落ちていた影は破られる。 「私からやったこととはいえ、これではあまりにも不毛だ」 「貴様に同意するよ、ブライアン……」 「いよいよ、ドバイにでも行くしかないのだろうか」 「我々3人ならば、向こうでも十分走りきれるのではないでしょうか」 「アイツと一緒ならどこだって誰にだって負けないさ……」 はぁ。揃って溜息をつき、再び視線を書面に向ける。 担当トレーナーの腎虚まで、あと——

6 <a href="mailto:s">21/06/01(火)02:33:56</a> [s] No.808623671

俺は弱いトレーナーだから重馬場生徒会を見ると安易にクソ雑魚生徒会ハーレムに持っていきたくなるんだ

7 21/06/01(火)02:34:27 No.808623715

>俺は弱いトレーナーだから重馬場生徒会を見ると安易にクソ雑魚生徒会ハーレムに持っていきたくなるんだ 素晴らしい才能だ また次も頼むよ

8 21/06/01(火)02:35:12 No.808623804

>彼女のプライベートの為秘匿としておこう。何度倒れてもいいようにケアチームは用意しておかねば 一体何オンなんだ…

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