虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

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※茶番回... のスレッド詳細

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21/06/01(火)00:02:50 No.808587300

※茶番回 「交流会~?」 私達は口々に言葉を発しました。 「そうなの。会長さんがね。【己のチームやグループのみならず、共に青春を過ごす仲間達との更なる交流や触れ合いを試みてみたいんだ。愛なだけにね】って」 バリちゃん先輩の言葉を聞きながら、私はエアグルーヴ副会長のやる気が下がった気がしました。 「にしてもよぉ。交流会っつったって何すりゃ良いんだよ。イベントの日までこの面子しかグループメンバー居ねえじゃねえか。用事があるだの野球だのって。ゴルシちゃんの焼きそばパーティーでもするか?」 「それは最後の手段に取っておきましょう。大変小憎らしいですが、貴女の焼きそばが美味しいのは事実でありますから」 「んだよぉもっと褒めろよ~えへへー」 ドンナお嬢の珍しい褒め言葉に我が友シップは嬉しそうにクネクネと捻れました。 「はいはい、皆落ち着いてね? 私達らしい事は、何が出来そうだと思うかなあ?」

1 21/06/01(火)00:03:48 No.808587596

「アタシは高速ルービックキューブとか指先西瓜割りとか出来るけどよぉ。あと簡単な手品とか?」 「貴女その物が出し物ではありませんこと?」 「んだコラ! そう言う筋肉お嬢は何が出来んるだよ!」 「誰が筋肉バ鹿ですって! …ヒトの骨や内臓を壊さない護身術ですとか」 「やっぱり筋肉バ鹿じゃねえかーっ!」 「お黙りなさいましー!!」 わあわあきゃあきゃあの騒ぎの中でバリちゃん先輩は私に優しく問い掛けて来ました。 「ジャスタちゃんはポエムを書いたり絵を描いたりするのが得意なんだっけ?」 「はい。嗜む程度ですが」 芦毛への愛に終わりは無いのです。故に、そのレベルは何処まで行っても嗜む程度のレベルなのです。 「私はバレエが得意だけども…皆一緒にバレエは無理だものねえ」 先輩の体がふにゃんふにゃんバリバリ~なんですよ。床を踏み抜かない力加減でどうしてあんなに高く綺麗に飛べるんですか。

2 21/06/01(火)00:04:15 No.808587737

「困ったわね~」 そう大して困っていない表情で困ったと言うバリちゃん先輩は、きっと今何をしようかと考えているのが楽しいのでしょう。 「ちい、筋肉お嬢にはこうだ。えいえい、ゴルシちゃんパンチを食らえ!」 はて、我が友は何処から取り出したのか自分を模したパペットとお嬢の特徴を良く表現したパペットを取り出しました。貴女本当に手先が器用ですね。 「んまーっ! 貴女に作られたとは言えもう一人のわたくしを苛めるだなんて! なんて卑怯な!」 「へっへーん。悔しかったら筋肉以外で対抗してみなー」 その時のことでした。 「あっ」 と、何かを閃いた声をバリちゃん先輩が漏らしたのです。 「この手で行きましょうかー」 「???」 私達は何の事やら、と首を傾げました。

3 21/06/01(火)00:04:38 No.808587852

幾らか暫し。 交流会の日がやって参りました。 オグリキャップさんは早食い一発芸ショーをやってみせたり スペシャルウィークさんは北海道物産展と其れに伴う北海道の美味しい食べ物の歴史と言う中々に面白いアプローチを魅せていました。 タキオン氏は友人のカフェ氏と共に美味しい紅茶、珈琲の淹れ方。茶葉や豆に合った飲み方の実飲解説をやっていらっしゃいました。 …あれ? この辺り食べ物ばかりですね。 「ジャスタウェイー! そろそろ始まりましてよー!」 おっといけません。お嬢に呼ばれて私は舞台袖に入りました。 「あのお馬鹿の手綱は貴女が確り握ってて下さいましね」 確り握ってても暴走するのが我が友シップなのですが。さてはて。 着替えている最中に唐突に某有名怪獣の鳴き声が響きました。何ですか一体。え、マナーのお知らせですか? なら仕方ありません。

4 21/06/01(火)00:05:07 No.808587991

「其れでは本日の一幕をどうぞごゆっくりとご観覧下さいまし」 わたくしは舞台横でゆっくりと会釈しました。 「では本日のタイトルをば。ゴルシ座の怪人」 張りのある良く聞こえる声でわたくしは語り始めました。 「それはそれはエウロパの大きな街に歴史の在る劇場、名前をゴルシ座と言う物がございましたわ」 幕が上がり、劇場の中を描いた背景が見えます。 「然しこのゴルシ座には十数年に一度、突如として怪人が現れるのです。何時しか人々は皆、彼の人をゴルシ座の怪人と呼ぶようになりましたわ」 シャッと背景が切り替わり、謎の怪人が夜の街に立つ絵が現れます。 「怪人の目的はただ一つ。美しいウマ娘を虜にする事。そして、嗚呼! 今年もまた一人のウマ娘がその手に掛かろうとしていましたわ!」 わたくしが台詞を言い終えると、トトトトと舞台中央の階段を駆け上がるヒトの姿。それはバリアシオン先輩ですわ!

5 21/06/01(火)00:05:33 No.808588125

「嗚呼、なんて事でしょう! 気が付いたら此処は何処やら? まるで古の迷宮のようだわ!」 「彼女は劇団一の人気を持つ踊り子、アルシオーネ。その美貌、そしてその美しい舞に人々は魅了されたのです。そう! あの怪人さえも!」 壇上の上でバレエで培った技術で優雅に舞うバリアシオン先輩の元に頭上から颯爽と現れる影が見えましたわ。そうそれは! 「ハーッハッハッハー!! 我こそはヒトが呼ぶ所のゴルシ座の怪人であーる! 美しいお嬢さん。貴女の愛を頂戴しに参りましたよ」 紅いスーツに金色のマントを靡かせ、紅いマスクを被るその人は、ええ、あの暴れん坊のゴールドシップですわ。憎たらしい事にああ言う気障な事、恐ろしく似合うんですのよね。 「そんな、困りますわ! まだ私は恋の一つもした事がありませんと言うのに!」 「恋ならば私とすれば宜しい。貴女に今まで誰も見た事の無い美しい世界を見せて進ぜましょう。そうそれが月でさえも!」 バッとゴールドシップは天を指さし、其処には何枚もの金色の折り紙で作った満月がありましたわ。

6 21/06/01(火)00:06:00 No.808588269

「ですが、私は、私は…」 「苦悩するアルシオーネ。彼女は身寄りが無く孤独であった。故に例え相手が怪人だったとしても我が身を求める事に喜びを感じてしまうのです。その時!」 「お待ちなさい!」 華やかなゴールドシップの衣装に反してそれは恐ろしく地味なカーキ色の軍服を身に纏うジャスタウェイが舞台袖からスタタタタ、と階段を上っていきました。 「おやおや見ない顔だ。キミ、名前は何という?」 「私は陽の昇る國から来た、我道一心である! 怪人ゴルシ、速やかにそのお嬢様を放すのだ! 彼女の人生は彼女の物だ!」 「嫌だと言ったら?」 ニヤリとゴールドシップが笑いますわ。そしてジャスタウェイはキィンッと軍刀を抜きましたの。 「天に変わってお前を斬る!」 「良かろう掛かって参れ! だが私の剣は甘くないぞ?」 ゴールドシップはシャリン! と音を立てながら金色のサーベルを抜きましたわ。 「いざ!」 「参る!」

7 21/06/01(火)00:06:49 No.808588573

二人が刃を交える最中、バリアシオン先輩はゆっくりと壇上を降りながら歌いますわ。 「何故ヒトは争わなくてはならないの~?」「何故愛が罪だと言われるの~」 わたくしも歌に愛の手を入れますわ。 「愛は心を育む物だと言うのに~」「悲しい事よ、愛は今闘いを産んでいるわ~」 『私の為に争わないで!』 片手は胸に、片手は空に、バリアシオン先輩とわたくしはデュオを奏でますわ。 歌い終わる頃、壇上で闘い続けていたゴールドシップとジャスタウェイの闘いは終わりましたわ。 「くぅっ」 「此れで終わりだ!」 「お待ちになって! 陽の昇る國の方!」 スタタタタ、とバリアシオン先輩は階段を上りますの。 「仮にこのお方が正真正銘の悪党であるのならば、私を口説く隙さえ与えず掠われてしまいますわ!」 「然し! 悪人である事は事実だ!」 「お願い下さいまし、陽の昇る國の方、どうか少しだけお話を。怪人様。怪人様。貴女は何故ウマ娘を掠うのです…?」

8 21/06/01(火)00:07:20 No.808588750

バリアシオン先輩の問い掛けにゴールドシップは苦しげに答えましたわ。 「私は飢えていた。愛に飢えていた。貧しくひもじいながらも細やかな愛を与えてくれた優しいあの人は死んでしまった。それ以来私は愛を得なければ腐れ落ちる肉の様になってしまった…! 此れは呪いなのだ!」 「なんと…!」 「そう、ゴルシ座の怪人は正しくヒトを止めていたのです!」 わたくしは両腕を広げながら大袈裟に言葉を発しますわ。 「愛を奪われたが故に呪われ、愛を求めるとは何とも哀れな…だが、理由はどうであれ斬らせて貰う!」 ジャスタウェイが鯉口を切るも、バリアシオン先輩が制しましたわ。 「お待ちになって、陽の昇る國の方! せめて、せめて最後に一滴だけでも…」 そう言われると、バリアシオン先輩はそっとゴールドシップの頬にキスをしました。

9 21/06/01(火)00:07:54 No.808588987

「さようなら、可哀想な貴女。せめてその魂が、安らぐ場所へと行きますように」 そして、前に出たジャスタウェイはスパンッとゴールドシップを斬り捨てましたの。 「嗚呼、美しくて優しいお嬢さん…とても、暖かい、キスだった…」 「斯くしてゴルシ座の怪人は退治され、ゴルシ座に平和が戻ったので御座います」 真っ赤な幕が下りて、わたくし達は綺麗に横並びに立ちましたわ。 「ご観覧頂き、有難う御座いましたー!」 お辞儀をすると拍手をパチパチと沢山頂きましたわ。それに調子に乗ったゴールドシップが観客に向けて沢山投げキッスを飛ばしてましたわ。 ええ、あの人見た目は良いからそれはもうキャーキャー言われたい放題。 「無事に終わったね、ドンナちゃん」 「バリアシオン先輩も主役、お疲れ様ですわ!」 「バリちゃん先輩にお嬢もこっち来いよ。記念撮影しようぜー! ぴすぴーす!」 そうして私達の演劇は、満面の笑みを浮かべ、鼻血を垂れ流すアグネスデジタルさんの撮影で終わりを迎えましたわ。

10 <a href="mailto:s">21/06/01(火)00:08:55</a> [s] No.808589348

尾終い 文化祭的なノリの物を書きたかったんです 反省も後悔もしてません 芝の手入れをしてきます

11 21/06/01(火)00:09:31 No.808589558

青春してるなぁ…

12 21/06/01(火)00:11:16 No.808590143

なんで俺こんな青春過ごせなかったんだろう…

13 21/06/01(火)00:12:21 No.808590496

そこ二人が男役似合いそうなのわかるわ…

14 21/06/01(火)00:12:30 No.808590552

>唐突に某有名怪獣の鳴き声が響きました。何ですか一体。え、マナーのお知らせですか? 聖飢魔Ⅱだ…

15 21/06/01(火)00:15:05 No.808591428

アグレッシブに動き回らない役をドンナは無事にできるんかと思ったらこれは間違いなく貴婦人……

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