虹裏img歴史資料館

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21/05/28(金)23:05:32 「あ、... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1622210732431.jpg 21/05/28(金)23:05:32 No.807462037

「あ、足がっ!わっ……がぼ……たすけっ!……トレーナッ!」 またスズカさんと私でリョテイさんを見ています。リョテイさんはいつものように溺れたフリをしているのですが……。 「スズカさん、トレーナーさんはトイレ行っちゃいましたよってリョテイさんに伝えた方が良いんじゃ……。多分気づいていませんよね?」 「良いけど……リョテイ、機嫌悪くなると思うわ、とばっちりでスペちゃんが噛まれるかも知れないし……。」 「うぅ……それはちょっと。あれ?リョテイさんのレーンに誰か……。」 「ごぼがぼ……おっせえな……助けてぇトレーナー!……チッ、アイツどこに……。」 「だ、大丈夫か!!」 リョテイさんを助けに来たのは泳ぎが得意ではないオグリさんでした。 「オ、オグリキャップ!?」 「これを……つ、使えっ!」 「えっ?あ、はい……。」 オグリさんは持っていたビート板をリョテイさんに手渡し、コースロープに必死でしがみつくとそのまま固まってしまいました。

1 21/05/28(金)23:06:04 No.807462357

「き、君……溺れてたようだが……大丈夫か……。」 「いや……溺れてたというか……。まあ大丈夫す……。」 「そ、そうか、何よりだ。そっ、それよりここは……うわっ……足が、つ、付かないんだな……。」 「え?あーそっすね……。」 「は、はは……大丈夫だ……大丈夫、このままロープを辿っていけ、わぁ!」 おそらくロープを手繰って縁まで行こうと考えていたようなのですが、手を滑らせてしまい、大きな音を立ててオグリさんは水中に飲まれてしまいました。 「ウソだろ……冗談じゃねえぞクソ……。」 助けに潜ったリョテイさんに続き、私達も救助に駆け出したのですが……。 「オグリ!!」 オグリさんのトレーナーさんがそれよりも早く助けに向かい、オグリさんを抱えて引き揚げました。 「オグリ!大丈夫か!?なんでビート板を手放したんだ……。」 「ゴホッゴホ……ゲホ……すまない……この子が溺れてたから……。」 「そうだったのか……君は大丈夫か?名前は?」

2 21/05/28(金)23:06:22 No.807462526

「き、キンイロリョテイです……。」 「ト、トレーナー……。」 「どうしたオグリ?」 「う、うぅ……こ、怖かったぁ……ひっひぐ……。」 「ごめん……目を離して……とりあえず上がろう。えーと……リョテイさんはついて来れる?」 「えッ、あー行けます。」 バツが悪そうなリョテイさんは二人の後ろに付き、オグリさんをプールサイドに上げるのを手伝っていました。 「トレーナー、ダメだ……怖くて立ち上がれない。」 「……今日はもうトレーニングは控えようか、落ち着くまでどこかで風に当たっていよう。」 「本当にすまない……。」 「俺こそすぐに助けられなくてごめん。溺れてた子を助けるなんてオグリは本当に偉い。でも無理はしないで俺を頼ってくれ。」 「ありがとうトレーナー……。」

3 21/05/28(金)23:06:52 No.807462774

「……リョテイさんはどうするの?保健室に行くなら付き添うけど……。」 「オレ……私は、えーっと、その内担当トレーナー来るんで……。」 「そうか……君も無理は禁物だぞ。」 「は、はい……。」 着替えもままならないオグリさんはジャージを肩に羽織り、腰にバスタオルを巻いたままトレーナーさんにおんぶされてその場を後にしました。 「リョテイが見た事も無いくらいしょげてるわね。スペちゃん。」 「私敬語使ってるリョテイさん初めて見ましたよ。」 「クソ……アイツが来ねえからこんな事に……ハァ……もう助けに来てくれねえのか?」 俯いてぼんやりしているとリョテイさんのトレーナーさんが戻って来ました。 「おーいリョテイ。トレーニングは終わったのか?」 「……あ゛?」 「えっ、なんで怒ってるの……。」 「お前……今までどこ居たんだ?オレのやらかしでも見て笑ってたのか?」 「いやトイレに……。」 「はぁ?トイレだぁ?あのな……オレから目ェ離してんじゃねえよ!このクソバ鹿!!」

4 21/05/28(金)23:07:14 No.807462971

「ウワーッ!」 リョテイさんの回し蹴りが決まり、トレーナーさんは大きな水飛沫を上げてプールへと沈んでいきました。 「『目を離すな』なんてリョテイも大胆な事言うようになったわね。アレ怒ってるようで半分告白よ。」 「リョテイさんこれで少しは懲りますかね?」 「スペちゃん?そんな訳無いじゃない。今度からは状況を見計らってやるようになるだけよ。要求もマシマシでね。」 「えぇ……。」 自力でプールの縁まで上がって来たトレーナーさんを見下ろしリョテイさんはスズカさんの言うように怒鳴りながら一方的に要求を叩きつけていました。 「お前!!今度オレが溺れてるフリした時は掴んで引っ張り上げるんじゃなくてちゃんと抱えて一緒に上がれ!後な、上がった後もちゃんと心配しろ!分かったか!?返事は!」 「よ……よく分からないけど分かりました。」 「フフッ、ホラね、言った通りでしょう?」 「スズカさん……。なんか、リョテイさんのイメージが……。」 「あら?また誰か来たわ。」

5 21/05/28(金)23:07:50 No.807463196

「オイ、好き勝手やってんなリョテイ。」 「あん?誰……うわああ!で、ディクタストライカ!」 「呼び付けとは偉くなったな、聞いたぞ。お前オグリを溺れさせたらしいじゃねえか、どういうつもりだコラ。」 「溺れさせた!?オグリってオグリキャップを!?」 「ん?リョテイから聞いてねえのか?リョテイが溺れたとかで助けに行って自分も溺れたそうだ。……コイツが溺れるなんて信じがたいがな。」 「わ、わざとじゃ……その……トレーナーにイタズラするために。」 「ハァ……お前な、つまんねえイタズラでトレーナーと仲良しこよしは良いけどよ、それで他のウマ娘に迷惑かけるのは違うよな?なあ!?」 「う……はい……。」 「後でツラ貸せ。そこで水浴びしてるトレーナー。アンタもリョテイのトレーナーなら注意しろ。ったく、どっちが手綱握ってんのか分かったもんじゃねえ。」 「も、申し訳ない……。」

6 21/05/28(金)23:08:15 No.807463386

「「コワ~……。」」 「けど全部正論ですね……しばらく覗きはやめましょうか。」 「スペちゃん、これは観察よ。でも賛成。今はサッサと逃げましょう。それでも先頭の景色は譲らないけど。」 「オイ!そこの二人!いつまでジロジロ見てんだ!見世物じゃねえぞ!!散れ!」 「「ひッ……は、はいぃ!!」」 睨みつけられた私達は千直を走るような勢いで逃げて何とか無事で済みました。もうしません……多分。 それにしてもリョテイさんもディクタストライカさんもなんで似たような睨み方するんでしょうか?……アレ?リョテイさんとよく一緒にいるウマ娘の子達……確かゴルシさんもたまーに似たような眼をする時があったような……。気のせいかな?

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