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21/05/28(金)12:23:23 三女神... のスレッド詳細

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21/05/28(金)12:23:23 No.807266629

三女神様が見てる ある日の事です。我が友シップのトレーナーから連絡が入りました。 曰くトレーニングに来ない。何処を探しても見付からないとの事で私に相談したとか。 私は二つ返事で承諾するとカフェの椅子から立ち上がりました。 何かと場をしっちゃかめっちゃかにして笑う我が悪友シップではありますが、存外そんな彼女もしんみりする時は静かな場所に居るものです。 学園の片隅にある温室。サラサラと流れる小さな水の音が響くガラスの宮殿の中に、シップは座り込んでいました。 「シップ。お隣、失礼しますね」 静かにそう告げて、ベンチの端に腰掛けます。 何も言いません。静かな時間が過ぎて行きます。 「眠くは、ありませんか?」 そう問い掛けるとシップは無言で私の膝に頭を乗せます。私はサラサラの美しいシップの芦毛を撫でます。

1 21/05/28(金)12:24:31 No.807266914

「何か不機嫌ですか?」 「…ちげーし」 「では、嫌な事でも?」 「そんなんでもねーよ」 嗚呼、大体の事は分かりました。このヘソを曲げた少女の気分が。 「失礼しますね」 と、シップに告げると私は携帯電話を取り出し、彼女のトレーナーに繋ぎました。 「シップは今、頗る元気が無いので、私に任せて下さい」とだけ。 膝の上で僅かに身動ぐシップの頭を優しく撫でながら囁きます。 「我が友、シップ。これから授業が終わったらお出掛けに行きましょう。午後のトレーニングも何もかも、置いてけぼりにして」 そう言うとシップは体を起こして、私に手を差し出しました。 「……手。繋いでくれなきゃやだかんな」 分かってます。と言って私は彼女の手を恋人つなぎするのでした。

2 21/05/28(金)12:25:04 No.807267053

それからと言う物。私達はデート三昧の日々を送ります。 他の生徒や生徒会長からは不審な目で見られましたが、我が友シップのメンタルケアだと言えば納得して頂けました。 あの暴走機関車ゴールドシップのメンタルケアならば致し方ない。と。 然し、幼馴染みである私にとっては少し不満です。何故なら彼女だって一人の女の子でありますし、デリケートな事だってあるのです。 さて置き、私達のデートはただただ甘いです。スイーツショップを巡っては色んな甘味を楽しみ、食事処に出向けばあれやこれやと食べて。アクセサリショップでは何か可愛い耳飾りや何かは無いかと見て回ります。勿論その間、出来る限り手は繋ぎ続けて。最早恋人同然でしょうか。その姿は。 不意に、我が友シップが自ら言葉を発しました。 「海に行きたい」 私は列車のチケットを買いました。

3 21/05/28(金)12:25:31 No.807267177

列車に揺られ、傾く太陽に黄色く照らされた浜辺を、私達は歩きます。可愛い貝殻を拾ったりして。 そうしていると、ショップは座りたそうに私の手を引っ張りました。私達は浜辺にそっと座り込みます。 漣が耳を撫でます。迫っては引く波の様子をぼんやりと眺めます。私達の目の前を、二人のウマ娘がキャッキャと通り過ぎました。 「ジャスタは、さ…」 我が友がポツリと言葉を発します。 「…何時まで、アタシの親友で居てくれるのさ」 フムン。何時までですか。 「ずっとですよ。貴女が誰かと恋をして、誰かと結婚して、子供を授かって、お婆ちゃんになっても」 「…例えば、アタシが100年後の未来からやってきた未来人だとしても? もしも明日、パッと未来に帰ったとしても?」 「勿論です、我が友。私の心は変わりません」

4 21/05/28(金)12:26:00 No.807267303

「じゃあ、さ…」 もじりもじりと言葉を濁らせます。 「…アタシがあんたの事、愛してても、受け止めてくれるか…?」 喉に詰まらせたシップの言葉を、私は確かに受け止めます。そして、握っていた手をぎゅっと僅かに力を強めると、彼女の体が小さく撥ねました。 「…愛してます。愛してますとも。私に世界の彩りを与えてくれたヒト。愛しいゴールドシップ。私の人生の旅路を進む、大切な舟…」 「ジャスタ…ジャスタウェイ…」 「遠くない未来、ウマ娘同士で子供が出来るかも知れません。その時は是非とも、貴女の子供を下さい」 「…馬鹿野郎。気が速すぎるだろうが…」 「伊達に世界一位を名乗ってませんよ。浮沈艦」 「…くふふふ」

5 21/05/28(金)12:26:31 No.807267435

照れ臭そうな笑い声が聞こえたかと思うと、其処にはすっかり調子を取り戻した我が友の顔がありました。 「アタシも、愛してるぜベイベー。アタシの鎖、絶対放すなよ?」 そう言うとシップは、私の唇に深い深い口付けをするのでした。 そして週が明けて。 「ゴルシちゃん、大ッ復ッ活ーッ!」 トレーニング用のコースの芝を踏み荒らす程のテンションで駆け回っていました。周りからは「うわ、またゴルシだよ」って顔をされて居ましたが、元気な方が良いに決まっています。 「しかしあんなにテンション駄々下がりのゴールドシップをよく復活させられたなぁ」 トレーナーは感心する様に呟き、何かテクニックはあるのか? と問い掛けて来ました。 「私だけが出来る魔法です」 そう、それは恋する乙女だけが使える魔法。 私が我が友、シップにだけ使える魔法なのです。

6 21/05/28(金)12:28:00 No.807267854

甘酸っぱいしっとりゴルジャスが書きたいなと思って書きました 反省も後悔もしてません ゴルジャス世代の他のウマ娘に対する幻覚が足りないのが最近困ってます

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