21/05/26(水)23:53:00 「マチ... のスレッド詳細
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21/05/26(水)23:53:00 No.806814216
「マチカネタンホイザ……さん？」 「そうだよ～！今日からカノープスで一緒に頑張ろうね！ あっ、えへへ……気軽にマチタン先輩って呼んでもいいからね～」 目の前のウマ娘はそう笑う。 簡潔に言えば、へらへらと間抜けそうな奴だと思った。 そんな本音を内に隠し、社交的な笑顔を向ける。 「初めまして、私はキンイロリョテイと言います。 もう、ご存知とは思いますけれどカノープスに体験参加することになりました」 慣れた仕草で頭を垂れた後、周囲を見回す。 人影のない、芝2000の左回りコース。天気は晴れ、バ場は良。 実力がストレートに響く、つまり格付けするにはうってつけだ。
1 21/05/26(水)23:53:14 No.806814299
「ぜひ、先輩に並走を…… いえ、模擬レースをお願いしたいんですがよろしいですか？」 その誘いに、タンホイザはいとも簡単に乗った。 バカそうなやつは扱いやすくていい、後は 走りでどっちが明確に上か、叩き込んでやればいい。 最低限の労力で最大限の対価を得る。 世を上手く渡るというのは、まさにこれだ。 お互いに準備を終え、ターフへと入り横に並ぶ。 セットしたアラームのスタート音と同時に、レースは始まった。
2 21/05/26(水)23:53:33 No.806814407
タンホイザはやや出遅れたのか、先に前に出たのはこちらだ。 芝を踏む感覚、風を切る感覚、背後に迫る足音。 それだけでも分かる、このタンホイザは見た目ほどズブい相手ではないようだ。 それなら勝負は最後の直線でいい、カーブで一息入れてもつれ込むように直線へと駆け出す。 「……行くよ！」 先に足を使ったのは向こうだった、ぐんぐんと速度を上げて距離が離れてゆく。 本能として分かる、仕掛けるのはここだ。全身に血が巡る、目の前のアイツを抜き去りゴールへと行く！ ペースアップの一歩を踏んだ所で、外野から響く間抜けな声に気がついた。
3 21/05/26(水)23:54:13 No.806814628
「うおー！マチタン早速やってる！あの黒いのが新人かー！」 いつの間に……おそらくカノープスのメンバーだろう。 時期尚早か、みなぎった力を抑えスローペースへと切り替えて走る。 結果だけを言えば、一着はタンホイザ。 それに1バ身で追いつく形でこの模擬レースは終わった。 実力を示す、という意味では十分だろう。 こんな所で必死にやる必要もないのだから。 ……続々とやってきたメンバーに続いて来たトレーナーに次の方針を聞こう。 「……先輩、ありがとうございました。」 走り終え、そう謝辞だけ伝えたが呼び止められた。
4 21/05/26(水)23:54:50 No.806814837
「ねぇ、リョテイちゃん。その、最後なんだけど」 「ペース配分を間違えました。張り切りすぎたってだけです」 額の汗を拭い、チラと瞳だけを向けて告げ歩いた。 「む～ん……」 やや釈然としない様子のタンホイザも、気分を切り替えると合同練習へと加わった。 トレーニングの内容に不満はない。前のチームより合理的で、無駄はないと感じた。 ここなら適当に力を抜いて走ってられそうだ。 当たり障りない顔をしておけば妙なことを突いてくる奴も居ないしな。
5 21/05/26(水)23:55:02 No.806814894
いや、一人は居るか。 マチカネタンホイザ……ずっと付きまとって来ては世話を焼こうとしてくる。 レースで、少し本気を出そうかなと言う気にさせられる程度には出来るやつだが 別に認めているわけじゃない、だが……どうしてやろうかな。 見込み違いじゃなければ、それなりに楽しい時間が過ごせるかもしれない。 思案しながら寮への帰り道を共に歩くタンホイザを見つめる。 「ん！？ピース！」 目が合ったかと思うとニンマリ笑ってVサインを見せつけてきた。 いや、うーん……やっぱりうっとおしいだけかもしれない。
6 <a href="mailto:s">21/05/26(水)23:56:26</a> [s] No.806815401
外面は良くしてる不良と能天気な良い子の組み合わせが好きです
7 21/05/27(木)00:02:42 No.806817435
他が大怪獣揃いなだけでカノープスも化物揃いだよね…
8 21/05/27(木)00:06:03 No.806818563
マチタンもステ……リョテイも早く育成来ないかなー！
9 21/05/27(木)00:37:07 No.806828856
リョテイは絶対できないじゃんっ！