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21/05/25(火)01:11:59 フクキ... のスレッド詳細

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21/05/25(火)01:11:59 No.806223594

フクキタルの担当になって以来、心霊現象に見舞われ続けた俺はすっかりそういうモノが見える体質になった ただ、見えると言ってもそういうモノとそうでないものの区別くらいはつく…つもりだった カフェの『お友達』という例外に出会うまでは 「こんなところにいたのね。よかった…また会えて」 『…………』 相変わらず『お友達』の声は聞こえない。今日は口パクすらしない カフェは天皇賞を制したこと、凱旋門賞の出走枠に選ばれたこと、その他小さな出来事まで… 離れ離れになっていた間のことを打ち明けるが『お友達』は無反応を貫いている そういうモノの多くは現世に留まるだけの強い意思を宿している しかし彼女からはそういった意思は読み取れず、感じるのは走りたいという純粋な衝動のみ そしてその気迫は生者の放つものと何ら遜色ない…いやそれ以上か カフェだけに見えて、カフェをレースに導いていた彼女が何者か…俺には見当がついていた

1 21/05/25(火)01:12:43 No.806223757

>「この子はカフェとレースがしたいんじゃないかな」 「えっ…?」 『!』 それは唐突な提案だったが『お友達』は初めて反応し大きく頷いた 彼女が待っていたのは昨年の夏合宿で地縛霊が根負けするまで走りまくった場所… 合宿場裏山、直線1000m即席コース。そのスタート地点だった >「それじゃ俺はコースを点検しながら登っていくよ。準備出来たら電話する」 「ちょっと待ってください。いきなりレースと言われても…何が何やら…」 >「カフェ」 俺はカフェを落ち着かせるようといつものように頭を軽く撫でた 思えば彼女と出会ったのも、彼女の才能の片鱗を初めて見たのもこの場所だった おそらく今日この日も、彼女にとって大きな区切りになる…そんな気がする

2 21/05/25(火)01:13:20 No.806223868

>「君がどれほど練習を積んだか。どんな強豪と競ってきたか。どれだけ速くなったか」 >「今度は君があの子に教えてあげる番だ」 >「今までもお互いに走りの中で語り合ってきたんだろう?」 「それは……そうなんですが…」 >「それともやっぱり俺なんかが昔整備したコースを走るのは怖いか…」 「そんなことはありません!」 おそらくカフェ自身もこのレースで何かが変わると本能的に感じているはずだ 可能な限り背中は押してやりたいが、もし本気で拒絶し変わることを望まないなら… そう思っていたとき俺とカフェの間に割り込んでくる者がいた 『……』 「……なんで、何も言ってくれないの」 今にも泣きそうに震えた声のカフェを前にしても『お友達』は何も言わなかった

3 21/05/25(火)01:13:58 No.806224022

結局、トレーナーさんは私たちを残して山道を登って行ってしまった 昨年しっかり整備してくれたおかげか滅多に人が寄り付かないせいもあってか、思ったより彼の足取りは軽いようだ ゴール地点に辿りつくまでの間、私は観念して準備体操を始めていた 『……凱旋門賞』 「えっ…今なんて」 『勝ちたい?』 それは何週間ぶりかに聞いたお友達の声…マイクを通して聞く私の声そのものだった 「……もちろん、勝ちたい」 『でも、今のままじゃ届かない』 「こ、これからたくさん練習すれば……」 『届かない』

4 21/05/25(火)01:14:37 No.806224157

『お友達』は昔から私のことをなんだって知っている いつだって私が目をそらそうとしたことに気付かせてくれる 「…だからまた、あなたに走り方を教えてほしくて」 『もう必要ない』 「必要なくなんかない!!」 でも今日はあまりにも辛辣で…あまりにも意地悪だった 『……もう、1人じゃないでしょう。トレーナーさんも、フクキタルさんも、タキ……ふたりとも、本当にいい人』 「そんなこと分かってる」 『昔みたいになったって、きっとそばに居てくれる』 『それも分かってる」 『私はどんなことをしてでも、どうなってしまおうとも、私を信じてくれる人に報いたい』 「…本音は?」

5 21/05/25(火)01:15:23 No.806224330

『私はすごいんだって、世界中の人たちに知らしめたい』 「…………」 『違う?』 「……違わないけど」 正直すぎる物言いに呆れ始めたあたりで私の電話が鳴った。遠くにトレーナーさんが手を振っているのが見える 『…じゃあ始めようか』 「今日は……私が勝つから」 いつだって背中を追いかけるばかりだった私が口にした、初めての宣戦布告 常に無表情か怖い顔しかしなかったあの子だけど、この時だけは微笑んだような気がした 1分に満たないレース。私は全身全霊をかけて初めて彼女の背中に追いつき…追い越した ゴール板を駆け抜けたのはただひとり。トレーナーさんの胸を借りて私は少しだけ泣いた

6 <a href="mailto:s">21/05/25(火)01:17:35</a> [s] No.806224828

フクキタルが居ないとバ場が重くなるのでやっぱり必要だなと感じました たぶん次で最後です su4876124.txt これは今までのやつです

7 21/05/25(火)01:20:46 No.806225521

タキオンは……まあいいか

8 <a href="mailto:タキオン">21/05/25(火)01:20:50</a> [タキオン] No.806225539

(あれ?私もカフェの友達じゃなかったのかい…?)

9 21/05/25(火)01:22:11 No.806225857

カフェ視点のタキオンは居なきゃ居ないで別に困らないしな…

10 21/05/25(火)01:23:12 No.806226066

変な薬飲ませようとしてくる変人は友達じゃありません

11 21/05/25(火)01:24:41 No.806226393

歳がバレそうだけどスースと王天君みたいな関係か

12 21/05/25(火)01:26:36 No.806226776

むしろ一瞬名前出てきそうになっただけでも十分褒められてるほうだろ

13 <a href="mailto:フクキタル">21/05/25(火)01:28:11</a> [フクキタル] No.806227087

(これ私だけ理解してないやつじゃないですか…?)

14 21/05/25(火)01:29:06 No.806227296

若干フクキタルが薄くなってて駄目だった

15 21/05/25(火)01:34:57 No.806228312

カフェもやっぱり本音は戦って勝ちてえなのか

16 21/05/25(火)01:36:50 No.806228626

ここまで進んでもまだ抱けー!!って空気じゃない…

17 21/05/25(火)01:37:47 No.806228789

>ここまで進んでもまだ抱けー!!って空気じゃない… 育成シナリオならまだシニア5月くらいだよ!?

18 21/05/25(火)01:56:38 No.806231747

フクちゃんがすっかり空気になりましたがカフェとあの子の怪文書 私の性癖には合っていますよ! あの子はSSなんだろうなあってぼんやり思っているSS産駒で一番父親似はマンハッタンカフェだったしなあ

19 21/05/25(火)02:17:01 No.806234839

あまりにも健全なアスリートしてるうえフクキタルのことも尊敬してるから取り合いにならない…

20 21/05/25(火)02:22:02 No.806235544

>あまりにも健全なアスリートしてるうえフクキタルのことも尊敬してるから取り合いにならない… 大半の怪文書が育成シナリオ終わって信頼関係出来上がった後だからエンディング後に期待ということで

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