虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

1 21/05/19(水)00:04:09 No.804180064

「エ～ル～」 「オオゥ。グラス、怖い顔しないでください。きっとトレーナーさんも喜んでくれますって」 ポコン。さっそく返信です。 『すごく良い。もっと見たい』 再びシャッター音。今度は自分の足元から聞こえました。 気づいたら、エルは私のベッドの近くまで移動していたようです。 『サービスデス』 送られたのは……私のジャージを履いたお尻、しっぽの付け根のアップの写真でした。 寝転び方の問題なのか、ジャージがパツパツになってうっすら下着の線が浮かび上がっているのがわかります。 『最高』 すかさず返事が来ました。 「エル」 「あ、ちょ、グラス、ダメダメダメ痛い痛い痛いデース！どこでそんな技覚えたデース！？」 私は覚えたての合気道の技でエルの手首を極めました。

2 21/05/19(水)00:04:38 No.804180215

『写真は消してくださいね』 エルをこってりと絞った後、そのように連絡した。 『はい』 トレーナーさんは素直に返事されましたけれど、本当に消してくれるでしょうか。 まあ……以前トモの写真を撮ってもらいましたし、あんまり違いがないといえばないのですが……プライベートな空間での写真はまた別の気恥ずかしさがあります。 『ちゃんと確認しますから』 『はい。あと、忘れずにポーズを写真をお願いします』 当初の目的を忘れていました。 ポーズ、ポーズ……。 『グラスは今年も年度代表ウマ娘の筆頭候補になっていて、そのための新しい広報写真が必要になるらしい。できれば今までと違う、新鮮なポーズの写真が欲しいって広報から催促されてる。衣装は勝負服で決まっているけれど、先にポーズをチェックしたいそうだ。夜中に申し訳ないけれど、ポーズを考えて写真を送ってもらえないか？』 そんなメッセージが来たのは1時間ほど前のことでした。

3 21/05/19(水)00:05:13 No.804180401

……時刻は夕食を食べ終わってお風呂も入り終わった21時。こんな時間に頼まれても困ります。 しかし、本当に困っているのはトレーナーさんの方でしょう。 手回しの良い彼がこんなことを急に私に頼むわけがありません。 彼に急な依頼を投げた学園やURAの広報担当者は一体何を考えているのでしょうか。 私はトレーナーさんに迷惑をかけている彼らに苛立ちを覚えました。 でも、このお願いを無視したら困るのはトレーナーさんでしょう。仕方がありません。 「エル。ちょっと今からポーズを取るので、写真を撮ってもらえないでしょうか。それを今から招待するグループメッセージに送ってください」 「ん？いいデスよ」 隣のベッドでプロレス雑誌を見ていたエルは快諾してくれました。 まずは、手を前に合わせて立った、大和撫子に相応しいポーズで。 「面白みがないデスね。それと、これ去年の写真のポーズと同じじゃないデスか？」 エルに指摘されました。確かに、去年も同じポーズだった気がします。

4 21/05/19(水)00:06:00 No.804180632

「たしかにそうですね……どんなポーズにしましょうか」 「もっとド派手なポージングがいいデース！これを見るデス！」 彼女は何かプロレス技か、プロレスラーのポーズを取りました。 彼女の雑誌を見せてもらいますが……どれも参考にはならなさそうです。 ひとまず、無難に頬に手を当てた写真を撮ってもらい送ってもらいました。 「しかし……これでは弱いような印象を受ける気がしますね」 私はつぶやきました。 「グラスは武道をやっているなら、武道に出てくるポーズはどうデス？」 さっき極められた手首の調子を確かめるように振りながら、エルが提案してきます。 「それは良いですね」 合気道、柔道、弓道、薙刀術など、興味の湧いた日本古来の武術は一通り体験したことがあります。

5 21/05/19(水)00:06:22 No.804180743

特にお気に入りは薙刀です。 女性のために考えられた武術ということもあり、私にマッチしている気がします。 私はいくつかの武道の中で出てくるポーズ、そしてさらに模擬的に棒を持ちながら、ポーズを取りました。 それをエルに撮影してもらい、送ってもらいます。 『ありがとう。これだけあれば十分だろう。夜遅く対応してくれて助かった』 エルが気にしないでくださいという意味のスタンプを送りました。 『お疲れさまです。トレーナーさん。おやすみなさい』 私もメッセージを送ってから、グループメッセージを終了しました。 エルはスペちゃんの部屋に遊びに行ってしまいました。部屋で一人、明日の座学の予習をします。 しかし、さっきエルに送られてしまった写真が気になります。ちゃんと消してくれているでしょうか。 トレーナーさんのことですから、消したと見せかけてどこかに密かに保存されているかもしれません。 ……別に構いませんが。

6 21/05/19(水)00:06:39 No.804180839

それにしても、私の写真ばかりでは不公平ではないでしょうか。 トレーナーさんのお部屋には何度か伺ったことがありますが、夜の彼の部屋、彼の姿は知りません。 私は再びメッセージアプリを開きました。今度は二人だけのメッセージで。 『トレーナーさんの今の姿を、撮って送ってください』 どんな写真が来るでしょうか？ ソワソワしながら待っていると、数分後、通知音が鳴りました。 メッセージアプリを開くと……。 『これでいいかな』 日頃ちゃんとカッターシャツを来ている彼が、Tシャツとハーフパンツというラフな姿でソファに座っている写真が送られていました。 これが、夜のトレーナーさんの姿なんですね。 貴重な写真を手に入れました。

7 21/05/19(水)00:06:59 No.804180944

先ほどはポージングのためにジャージに着替えていましたが、今はパジャマ姿です。 私はスマートフォンを自撮りモードに設定して掲げ、今の自分の写真を撮って送りました。 『お返しです』 すぐさま既読が付きます。 『ありがとう』 ありがとう……？私は自分が送った写真を確認しました。 あ……斜め上からの角度で撮ったので、ほんの少しだけ、パジャマの胸元から谷間と、白いブラが写っています。 やってしまいました。こうなれば、肉を切らせて骨を断つべきでしょう。 『トレーナーさんも、もっと写真を送ってください』 私の意図が伝わったのでしょう。 『セクハラとか言わない？』 『問題ありません』 即答します。しばし待った後、写真が送られてきました。まぁ……。

8 21/05/19(水)00:07:17 No.804181031

トレーナーさんは鏡の前で、上半身裸です。思った以上に筋肉質だったんですね。 これは、実にいけない写真ですね。私は2枚の写真をダウンロードして保存しました。 対抗心が燃え上がります。 パジャマの第一ボタンを外して。肩を露出して。ブラはできるだけ見えないように、ブラ紐だけ……。 撮れました。私はゾクゾクしながら、写真を送信しました。 「……グラス。危ない遊びは止めるデース」 声に慌てて振り向くとエルがどんよりした目つきで私を見つめていました。 通知音が響き。 『ごめん。これくらいにしておこうか』 トレーナーさんのメッセージを最後に、この会話ログはお蔵入りになりました。

9 21/05/19(水)00:07:40 No.804181151

後日。年度代表ウマ娘の広報用のポーズについては、棒を持ったポーズが採用されたようでした。 今日は撮影日です。 「グラス……その、長物は？」 「薙刀です。通わせていただいていた道場から、お借りしてきました」 トレーナーさんはあの棒が薙刀の代わりだとは思っていなかったようでした。 「良いのかな、これ……まあ、広報が良いっていうなら良いのか。今までグラスがファンに見せてきたおしとやかな面だけじゃなくて、強い面も見てもらうのもの悪くないし」 俺だけが知っていても良かったけどね、と彼は続けました。 思わず、しっぽを振ってしまいます。

10 21/05/19(水)00:07:51 No.804181195

「グラスワンダーさん！撮影ブースの方にお願いします！」 スタッフに声をかけられて、私は袋から得物を取り出しました。 刃引きされているものとはいえ、鋭い白刃がライトの光を浴びて輝きます。 関係者がどよめく声が聞こえました。トレーナーさんが汗をかいているのがわかります。 「そ、それでは、ポーズをお願いします」 私は構えました。脳裏に浮かぶのはあの時の写真です。 駆け寄れば刃の届く距離にいるトレーナーさん。 彼の服だけをサッと切り取れたら……そんなことを夢想しながら、私は表情を作りました。

11 21/05/19(水)00:23:51 No.804186052

グラスまた危ない遊びしてる…

12 21/05/19(水)00:49:21 No.804192891

私の性癖には合っていますよ！

13 21/05/19(水)00:50:47 No.804193274

グラスはこういうことする

14 21/05/19(水)00:54:16 No.804194169

このグラスは性欲が強い