21/05/16(日)01:02:16 「ん…今... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1621094536301.jpg 21/05/16(日)01:02:16 No.803164008
「ん…今日はアッサムかな」 此方を向いた彼女の顔は少し熱っている。先程までシャワーを浴びていたからだろうが、淹れたての熱い紅茶を啜る手は止めないのは、ある意味彼女らしい。 熱くないの、と以前訊いたことがあったが、よく眠るためのルーティーンだと言われて妙に納得してしまった。 「うん。キーマンが品切れでね、いいのを見繕ってきたんだけど、どうかな」 「…あぁ、悪くないよ。今の君の選ぶものなら間違いあるまい」 ティースプーンで砂糖をぎりぎりまで流し込む彼女をよそに、少しだけ肩を揉む手の調子が良くなる。茶葉の選定に信頼を置いてもらえているのは、最近の自分の密かな自慢だ。
1 21/05/16(日)01:02:40 No.803164121
「解れたかな」 「随分とね…ぁあ」 マッサージとティータイムを終えた彼女の瞼はかなり重くなっているようだった。シーツを整えようと腰を上げると、服の裾を引っ張られる。 「何処へ行くんだい…まだマッサージは終わっていないよ?」 振り返ると、我が愛しの主人の最大の財産とも言えるものが、そこにあった。 「脚のマッサージは専門外だよ?」 「謙遜も過ぎれば卑屈になるものだよ。私の脚のことなら、私以外の誰よりもよく知っているくせに。 それにね、私は何処の誰ともわからない専門家とやらに、これを触らせる気はないよ」 彼女を象徴するものは何かと余人に問えば、叡智と狂気を等しく孕んだ頭脳と、この超光速の異名を恣にする脚と答が返ってくるに違いない。 彼女がどれほどこの脚に思いを寄せているかは、誰よりもよく知っている。躊躇いと温かな歓喜が、同時に押し寄せた。 「…じゃあ、任された」 モルモットの使命だ。主人の信頼は裏切れない。 「わかっているじゃないか、では早速やってくれたまえ」
2 21/05/16(日)01:03:30 No.803164373
ぴんと伸ばされた脚の片方に、まず手をかける。 普段はタイツを履いているために見る機会があまりなかったが、こうして触れてみると改めて感銘を禁じ得ない。 すらりと伸びた前脚の直線を、多過ぎず少な過ぎもしない筋肉が絶妙なカーブで縁取っている。その上にある太腿も、指を沈めればはっきりと押し返してくる力強い筋肉を宿しながらも、女性的なプロポーションの均整を崩さずに保っている。足の裏側はあれほどの力強さで地面を踏みしめる衝撃に耐えうるのが信じられないほどやわらかくて、気がつけば幾分多めに揉み込んでしまっていた。 機能美と造形美は両立しうるのだということを、これほどまでにはっきりと示した例もないだろう。気づけば、彼女を癒すための行為に虜になってしまっている自分がいた。
3 21/05/16(日)01:03:42 No.803164453
「どうかな」 「よく解れたと思うよ…あれだけ耽溺されれば当然かもしれないが」 彼女にはどうやら気づかれていたらしい。これほど入れあげて、わからないほうがおかしいかもしれないが。 「ごめんね?でも、あんまり綺麗で」 「聞く人が聞けば勘違いされるよ?それにしても、それほど君がこれに夢中とはね。 ──では、存分に堪能したまえ」 目の前にあった脚が、そっと顔の横に伸びてくる。すう、と、レースの時に比べれば亀の歩みの緩やかさで、彼女の脚が頬をそっと撫でた。 幾分血行の良くなった脚から、彼女の体温が伝ってくる。 「随分と熱いね。温かいのは私の脚かな。 ──それとも、こっちかな」 指で擽られた頬は、きっと呆れるほど熱くなってしまっているのだろう。くすくすと笑う彼女の表情からも、それがはっきりとわかる。 ──ああ、本当に──
4 21/05/16(日)01:04:10 No.803164598
気づけば、彼女の脚にもう一度手を伸ばしている。 「そんなに好きなのかい?フェティシズムは人それぞれだと思うけど、行き過ぎは何事も毒になるものだよ?」 「じゃあ、タキオンにはもう少し素っ気無くしたほうがいいのかな」 まあ、できるはずもないけれど。むぅ、と拗ねる彼女の表情すら、目が離せなくなってしまっているのだから。 「…それは例外だよ、モルモットくん」 「だから、ずっと大切にするよ。この脚も、タキオンのことも。 …疲れたよね、二人分の夢を乗せてるんだから。僕と、君の。 ありがとう。本当に、お疲れ様」 足の甲に、そっと唇を落とした。募る想いを、そこに遺していくように。
5 21/05/16(日)01:04:29 No.803164698
彼女は暫く何も言わなかった。 そう思うと、いきなりすっくと立ち上がられ、思わず見上げてしまう。今までの悪戯っぽい表情は消えて、熱に浮かされたような仕草で、そっと此方を押して来る。導かれるままに足を動かして、ベッドの上に腰掛けた。 口をつけられた耳元から、普段の理知的なそれからは考えられないような声が流れ込んできた。 「ぎゅってして」 少し舌足らずな甘い声で、頭の内側を撫でられるような感覚に陥る。 そっと腕の中に滑り込んできた彼女を受け止めるのに、もう躊躇えなくなるほどに。
6 21/05/16(日)01:04:53 No.803164832
どれだけ経っただろうか。 彼の温もりと匂いに包まれると、時間の歩みをすっかり忘れてしまう。 でも、それはもっと前からかもしれない。彼の唇が、私のそこに触れてから、もう何も考えられない。 ──あんなことをするなんて。 「あれがどういう意味か、わかっているのだろうね?」 問われた彼は、先程の自分の大胆さに少しだけ照れるように、小さく答えた。 「あのときは、気づいたらああしてたんだ。 この脚で、いつも夢を運んできてくれるんだって思ったら、本当に大切に思えてきて」 ──ほう。知らずにやっていたということか。何も知らないで、私にいまそんなことを言うのかい? 彼の耳元で、その行為の意味を囁いてやる。 「…ふふ、耳まで紅くなっているよ」
7 21/05/16(日)01:05:17 No.803164946
少しだけ強く、彼の背中に手を回す。 彼は私をどう思っているのだろうか。こんなことをしている、私を。 甘えていると思っているのだろうか。からかっていると思っているのだろうか。 ──とびきりの愛の証を示されて浮足立つ、あまりにもありふれた女の仕草とは、思ってくれていないのだろうか。 「撤回するかい?」 彼はそっと、首を横に振った。わかっていても、きっとやめられなかったと言って。 そのときの君と同じだよ。私だって、溢れ出した衝動に身を任せてしまいたくなることもある。 今はもう、君を離したくない。
8 21/05/16(日)01:05:42 No.803165074
──ああ、それにしてもなんてことだ。君の想いに変わりはないとはいえ、知らずにやっていた行為にここまで翻弄されるなんて。 主人に勝手をするモルモットにはお仕置きをしなくては。 「…今日はここで眠ってもいいかい」 「ちゃんと布団に入った方が──」 「だめだよ。私を弄んだ罰だ。 ──このまま、こうしていたまえ」 彼が諦めたように、慈しむように、そっと微笑む。 「じゃあ、許さないでいてね。 そしたら、ずっとこのままでいられるから」
9 21/05/16(日)01:06:06 No.803165198
──ああ、なんて滑稽な。 籠に入れたはずのモルモットに、いつのまにか自分が虜になってしまったなんて。 でも、それでいい。ふたりだけの籠の中は、蕩けるほど温かくて心地いいから。 今はただ、君と一緒にいたい。
10 21/05/16(日)01:07:46 No.803165768
ウワーッ!甘々だーッ!
11 21/05/16(日)01:08:08 No.803165873
キームンとはいい茶葉使ってるなタキオン
12 21/05/16(日)01:08:10 No.803165881
おわり ウマ娘にとって命にも等しい足に男性がキスすることはその娘の一生に責任を取る的な意味があるみたいな設定があるといいと思う
13 21/05/16(日)01:10:55 No.803166742
ウマ娘の走りを見て脚フェチに目覚めるトレーナーとかもいるんだろうか
14 21/05/16(日)01:12:55 No.803167424
ガラスの脚を最高の宝石のように慈しんでもらう気分はどうだ?
15 21/05/16(日)01:13:42 No.803167657
>ガラスの脚を最高の宝石のように慈しんでもらう気分はどうだ? もっとしてほしい
16 21/05/16(日)01:14:59 No.803168097
>おわり >ウマ娘にとって命にも等しい足に男性がキスすることはその娘の一生に責任を取る的な意味があるみたいな設定があるといいと思う 実質プロポーズなのでは?
17 21/05/16(日)01:16:35 No.803168550
書き込みをした人によって削除されました
18 <a href="mailto:s">21/05/16(日)01:17:27</a> [s] No.803168830
>ウワーッ!甘々だーッ! カフェNTRとか略奪愛が流行ってるみたいだけど俺は弱いモルモットだから純愛しか書けないんだ
19 21/05/16(日)01:18:01 No.803169012
脛へのキスは服従の意があるんだ
20 21/05/16(日)01:20:53 No.803169970
>脛へのキスは服従の意があるんだ モルモット君ならやるかもしれない
21 21/05/16(日)01:24:50 No.803171237
>脛へのキスは服従の意があるんだ レースが終わった後に跪いてシューズを脱がせるみたいなシチュがあるといいと思います
22 21/05/16(日)01:25:57 No.803171566
私の性癖にあってますよ
23 21/05/16(日)01:28:09 No.803172169
寝る前に素晴らしい安眠剤を頂いてしまった ありがとう…
24 21/05/16(日)01:28:27 No.803172230
タキモルはいくらでも甘々にしていい
25 21/05/16(日)01:32:20 No.803173279
>「ぎゅってして」 知性が愛情に負けてる…
26 21/05/16(日)01:33:08 No.803173489
色々読んでいらっしゃる方?
27 21/05/16(日)01:34:30 No.803173867
このタキオンは何がなんでもプランA完遂するよね…
28 21/05/16(日)01:36:01 No.803174266
いい…