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うーん... のスレッド詳細

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21/05/12(水)22:48:17 No.802109048

うーん、今日もいいタイムだ。次のレースまでの日程を考えたら、どう指導していくべきか…… ああでもない、こうでもないと考え込んでいると、いつの間にか愛バに目の前まで近づかれている。ついのめり込んでしまうのが悪い癖だ。 ねぎらいの為に顔をあげようとしたところで、がっしりと腕を掴まれた。 「トレーナー、爪を噛むのは良くない」 うっかりしていた。無意識のうちにやりがちだから、人前では気をつけていたつもりであったが油断してしまっていた。 年頃の子達には不潔に見えてしまうだろう。 「すまない、気をつけるよ」 「ああ、そうした方がいい。ところで、爪はちゃんと切っているのか?」 指摘されて、だいぶガタガタになっていることに気づく。

1 21/05/12(水)22:48:46 No.802109271

「トレーナーも人前に出ることは結構あるんだから、その辺りはちゃんとしておいた方がいいんじゃないか?」 はい、おっしゃる通りです。 「その、よければ私が切ろうか?爪切りは得意なんだ。トレーナーの為だ、任せてくれ」 流石にそこまではと、断ろうとするとしゅんと耳を伏せて落ち込む様子。どっちの為だろうなと、苦笑してしまう。 「わかった、それじゃお願いするよ」 「そ、そうか!それじゃあお風呂の後に部屋にいくから、大体の時間を教えてくれ!」 「今からじゃダメなのか?」 「トレーナー……爪切りというのは爪が柔らかくなるお風呂の後がベストなんだ」 ◆ ……どうしてだか変な文言が見えた気がする。しかしそうか、そうだったのか……それなら仕方ない、のか? 「わかった、それなら20時頃にお願いするよ」 「楽しみに待っていてくれ!」 ふんすふんすと喜んでいる彼女を、どんなおやつで迎えたものかなぁ。

2 21/05/12(水)22:49:30 No.802109622

よし。手入れ道具は持った、汗も流した、完璧だ。 「トレーナー!オグリキャップだ、開けてくれないか!」 ふふ、少しワクワクしてしまうな。 「開けてるから入ってくれ」 「お邪魔、します」 ドアを開けると同時に、ふわりと漂うトレーナーの匂い。不思議と落ち着く、そう思える。 普段と違い随分ラフな格好をしていることにも驚いてしまう。そ、そうか、自室だものな。 急に恥ずかしくなってきてしまった、いやいや今日は爪切りをやりに来たのだ。 「早速だがトレーナー、手を出してくれないか?」 「これでいいか?」 「うん、ありがとう。……大きくて、硬いな」 「ははは、許してくれ」 うん……私のそれより、随分と大きくて、この手に支えられてきたんだ。 感謝を示すように、優しく手を添えて——

3 21/05/12(水)22:50:30 No.802110130

「そ、それじゃ、やっていく、き、ます……」 うう、なんだか緊張してしまうぞ。 しかし手慣れたもので、いざ切り出すとスッと心が落ち着いてくる。 ぱちり、ぱちり。 丁寧に、かつ大胆に。荒れた断面を整形していく。 ぱち、ぱち。 ふぅ、こんなところだろうか。 「オグリは爪切りを誰かに教わったのか?」 「ああ、脚が特にそうだったんだが、お母さんがよくやってくれたんだ。この爪切りも、トレセンに入るときに持たせてくれたんだ」 数少ない、ずっと大切にしている思い出の一品。誇りの一品だ。 「よし、次はヤスリをかけていくぞ」 しゃりしゃり、しゃりしゃり 焦らずに、力をこめず、優しく丹念に。

4 21/05/12(水)22:51:00 No.802110333

「少しくすぐったいな」 「ちょっとばかり我慢してくれ」 数分もたたずに、爪はピカピカと輝き出す。我ながら完璧だ。 「どうだ、トレーナー。私も結構やるだろう」 「おお、すごいな……こんなにツルツルになったのは初めてだ」 「そうだろうそうだろう。折角だし、足もやらせてくれないか」 こんなことは絶対に人形じゃできないんだ。何故だか笑みが溢れてくる。 そうして、ベッドに腰掛けるトレーナーの足元に座り込む。 「よし、始める……ぞ……」 上に目線を向けると、自分を覆う黒い影。トレーナーは、こんなにも大きかっただろうか。 被りをふって、ぞくりとする感覚を追い払う。今の私は爪切りマシーンなんだ。

5 21/05/12(水)22:51:21 No.802110490

むに、私の方が何倍も走って使っているのに、それよりも硬い感覚が不思議だ。 むにむに、ずっと立っているだけでも硬くなるんだろうか、それとも男と女の違いというやつなのであろうか。 「オグリ?」 「あっいや、すまない」 つい夢中で足を触ってしまっていた。集中しなければ。 風呂上がりのソープの匂いだけでは無い、部屋の匂いを少しばかり煮詰めたような、また違うような匂いが強く鼻を刺激する。 これは、なんなのだろうか。わからないが、なんだかもっと欲しいな。 そんな事を考えながら、ぱちりぱちりと爪は整形されていく。 手のそれよりも力がかかる分、少し短く、弧は弱く。 そうして切り終えたら、やすりでツルツルに。

6 21/05/12(水)22:51:41 No.802110627

「終わったぞ、トレーナー」 「ありがとう、気持ちよかったよ」 ふふん、もっと褒めてくれてもいいんだぞ。 「オグリのお母さんはいい人だったんだなぁ」 「ああ、自慢の母さんだ」 「オグリもそんなお母さんになるのかなぁ」 「お父さんが何を言っているんだ」 ふふふ 「え?」「あ?」 「すすすすす、すまない今のは忘れてくれいい間違いそういい間違いだ」 ああああ、私は何を言っているんだ。トレーナーの顔が、見られない。 「わわ、わかった。何も聞かなかった。爪切りありがとう、オグリ」 「う、うむ。それじゃ、私はこれで帰り——」 「お礼にケーキを用意してあるんだ、食べていかないか」 「食べる」

7 21/05/12(水)22:52:00 No.802110777

もにゅもにゅ、最高に美味しいケーキだ…… 少し量が物足りないが、嫌なことも全部忘れられる。 「ごくっ……ご馳走様、トレーナー。美味しかったよ」 「気に入ってもらえたのなら良かったよ」 「これからは、爪を噛んだらだめだぞ」 「うん、気をつけるよ。でもどうしても無意識にやっちゃってなぁ……」 そうか、なら。 「なら、できる限り……手を繋ぐ、とか……どうだろうか……?」

8 <a href="mailto:s">21/05/12(水)22:53:09</a> [s] No.802111270

わっふるわっふる

9 21/05/12(水)22:53:20 No.802111329

私性合

10 21/05/12(水)22:56:59 No.802112918

爪切りオグリ良い…

11 21/05/12(水)22:57:40 No.802113182

週の真ん中の疲れが出始めた頃のオグリ怪文書はよく効く

12 21/05/12(水)23:02:22 No.802115235

爪を綺麗に切ってくれるオグリいいよね

13 21/05/12(水)23:08:33 No.802117691

むぅ身繕いオグリ…

14 21/05/12(水)23:11:13 No.802118725

爪を綺麗に切るのがとても上手いらしいからな...

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