ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
21/05/05(水)00:47:48 No.799448908
トレーナーの手に触りたい そんな事を考えだしたのは果たしていつの頃からだろうか? 客観的に見てアタシは可愛げの無い捻くれたウマ娘だから 巷の、世間一般で言われる専属契約を結んだ連中のような真似はできない それでも時折まあ、褒められたよそのヤツがトレーナーに撫でられて笑みを浮かべているのを見ると なんとなくだが気になってしまうもので 別に羨ましくは無いし いいな、とも思わない そういう馴れ合い的な物をウザいとして極力避けてきたのがアタシなのだから 今更距離感を崩すのもきっとおかしな話。まあアイツは喜ぶかもしんないけど ああ、うん きっとまあうちのトレーナーは頼めばしてくれるだろう それがタイシンの為になるのならみたいな事を言いながら力強く握ってくるのだ …そういう事じゃないんだよね トレーニングと関係ない所で手を取って欲しいし、触りたい
1 21/05/05(水)00:48:01 No.799448963
なら触ればいいじゃん チケット達ならそういうに違いない 君の好きにすればいいと。実際その通りなんだけど …難しい 悶々とそんな事を考えながらきっかけを探しつつ 気づけばスマホや資料を握るトレーナーの手を見つめたりなんかして そんなある日、トレーナー室を訪れるとアイツがソファでだらしなく寝ていた 恐らくは疲労からか資料をまとめている際に寝落ちしてしまったのだろう 足元に資料が散らばり口も半開きになっている 「…何やってんだか」 呆れつつも資料をかき集めて机に置き 改めてトレーナーの方を見る が、起きる気配はない。ドアを開く音にも反応しなかったのだからまあ、当たり前か ここの所徹夜が続いていたようだからむしろ休ませてあげたいし
2 21/05/05(水)00:48:18 No.799449056
「……」 改めてドアの方を見る バカみたい、そりゃあチケット達が急に来るかもしれないけど 基本的にこのトレーナー室を利用するのはアタシとトレーナー位だというのに …降って沸いた好機に浮足立っている 「バカじゃないの」 落ち着け。落ち着け ただソファに垂れさがっている手にそっと自らの手を重ねるだけの事なのに 何をレースよりも遥かに緊張しているのだろうか? 「う…」 「…っ」 手を凝視していた視線が漏れた声にトレーナーの顔に向く ほら見ろ。仕事のしすぎだ、うなされてやんの 人が菊花賞の時に倒れた時には死にそうな顔をしてた癖に
3 21/05/05(水)00:48:30 No.799449110
「…トレーナー」 ソファに垂れさがっていた手を握り、アタシの両手で挟み込む 大きさでは勝てないのだから数で圧倒するしかない 暫くそうしていると皺の寄っていたトレーナーの眉間が緩み 苦しそうな寝息が随分と落ち着いてきた 「…うん」 挟んでいた手を片方だけ離してギリギリ届く位置にあったブランケットを手に取ると 包まるようにしてお互いの肩にかけ、そして目を閉じた 「…ふぁ…あれ」 「おはよ。やっと起きたの?」 俺が起きるといつの間に来たのかタイシンが呆れたように声をかけてきた 「いや、すまん。何時だ…?」 「トレーニングには間があるからちょっと休んだら?根詰めすぎでしょ」 「そうかもな…」
4 21/05/05(水)00:48:40 No.799449176
彼女に謝りながらふと自らの掌を覗き込む 「ん?どうしたの?なんか書いてある」 「いや、なんかあったかいなと思って」 「は?わけわかんない」 「そうだな。俺も分からんが…」 「あ、そう。じゃあアタシ、先に練習してるから」 「おう… タイシン」 「うん?」 「良い事でもあったのか?」 「いーや、別に。何にもない」 しかしどう考えても彼女は妙に上機嫌で そんな彼女の揺れる尻尾を見た後俺は仮眠を取るかと再び目を閉じた。
5 21/05/05(水)01:02:16 No.799453505
この捨て猫系ガールいっつもトレーナーとスキンシップしてるな…
6 21/05/05(水)01:08:07 No.799455222
捨て猫系ガールと理解のある彼ぴの組み合わせは最強だからな
7 21/05/05(水)01:24:57 No.799459876
私の性癖には合っていますよ
8 21/05/05(水)01:56:31 No.799467788
タイシンはかわいいなぁ