虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

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    21/05/02(日)00:51:31 No.798378450

    「みんな、忙しいなか俺の急な頼みに時間を割いてくれてありがとう。今日は全部おごりだから、好きなだけ飲んで食って……そして聞いて欲しい。後生なんだ、どうか頼む」 「どうした急に。俺たちを集めて」 「本当にどうしちゃったんですか、先輩」 「まぁまぁ二人とも落ち着きなよ」 「落ち着いても居られませんよ! だってあの他人に頼りたがらない先輩が私たちを集めて話を聞いてくれと来たんですよ?!」 「天変地異の前触れかと思ったな、俺も」 「まあそれは確かにね。でも彼の話はそろそろ終わるどころか、まだ始まってもいないようだしさ。前口上全部を聞き終わってから質問責めしても遅くは無いんじゃないかと思うよ?」 「気を遣わせて済まない……それで話っていうのは……」ハイスミマセーン、サキヅケトナマビールフタツデース 「あ……ありがとうございます、俺のと、あとお前のか」 「助かる。やっぱビールだな、最初は」アトウーロンハイト…… 「あ、私ですね。ありがとうございます」カシスソーダニナリマース。 「僕ですね、ありがとう」ゴユックリドウゾー……

    1 21/05/02(日)00:52:25 No.798378736

    「それで。前置きはまだありそうか?」 「……いや、ないかな。すまん、ありがとう。あー……このまま喋ると舌が回らなさそうだし、とりあえず乾杯でもしようか」 「そうするか。何に乾杯する?」 「普通にトレーナー業お疲れ様とかでいいんじゃないんですか?」 「だね。しきたりなんて適当に済ませてしまおう」 「よしそれじゃあ、お疲れ様、乾杯!」 「「「乾杯!」」」 「あー! 久々のお酒は沁みますね~!」 「そうだねえ、なんだか学生時代を思い出すよ」 「この面子だしな、それは分かる」 「ははは……」ハイシツレイシマース、オマチドーサマデス、カラアゲヨニンマエトシーザーサラダアト…… 「はい、すみません。ありがとうございます。じゃあガサツな先輩方のために取り分けて差し上げますね~」 「助かるよ。持つべきは有能な後輩だね。それじゃ、本格的に酔いが回ってしまう前に」 「悩み、聞かせて貰おうか」 「折角のお酒、美味しく飲みたいですからね!」

    2 21/05/02(日)00:53:28 No.798379077

    「みんな、ありがとう。実は……」スミマセンレモンサワーヒトツ、ペースハヤッ!アアワタシモウメシュロックデ、ボクハシャンディガフモラオウカナ…… 「……って、喉元まで来てるんなら喋ってくださいよ! 注文なんて私たちに任せてスルーでいいですから!」 「あ、ああ。じゃあ……みんなさ、担当とはどれくらいの距離感を保ってる……?」 「喋ったと思えば。なんだ、藪から棒に」 「いや、その……」 「まあ、敢えて言うのもアレだが、付かず離れず二人三脚って感じだぞ。俺とスカーレットはなんというか」 「私とマヤノもそんな感じですね。ほんのちょっぴり、自分が女で良かった~とか思ったりするときも有りますが」 「僕とグラスは……」 「いや、みなまで聞かないでも分かるからいいよ……」 「お言葉だなあ、それでどうしたの。何だい、AやBをしちゃったとでも?」 「……………………」 「え、先輩まさか……」 「そう、なんだ……そのまさか、なんだ……」 「マジでか」 「……ああ」

    3 21/05/02(日)00:54:06 No.798379301

    「なるほどね、偉く渋そうな顔をしていると思ったら。となると、なし崩し的に付き合ってしまった、ということかい?」 「いや……その……下衆な話なんだが……」ワハハハハ!キョウハブレイコーダゾー!ウマピョイウマピョイッテナー!ワハハハハハ…… 「うわぁ……」 「ちょっと、その反応は流石に傷付いちゃいますって! 先輩ナイーブなんだから!」 「メンタルおぼろ豆腐だしな、昔から。で、やることはやっちまった、と」 「とりあえず水でも飲んで落ち着こうか。はい、どうぞ」 「ああ、ありがとう……んっんっん……」 「ええと、君のところはトウカイテイオーさん、だったよね?」 「ああ……」 「先輩から攻めたんだったら軽蔑します」 「違うって! あっちからだよ、俺からとか冗談でもやめてくれ! 俺にだって守りたいものぐらいあったんだから!」 「守りたいものってなんだい?」 「貞淑と貞操ォッ!」 「理事長の真似?」 「やかましい! そんなわけ無いだろ!」

    4 21/05/02(日)00:54:32 No.798379427

    「で、お前はどうしたんだ。枕並べて一緒に寝て、答えもないんじゃ今に連絡来るぞ」 「うう、おおっ……! そうだけどぉ、そうだけどさぁ……俺は、別にテイオーとそういう関係になりたかった訳じゃないんだよぉ~!」 「おっ来たな、お得意の泣き上戸」 「あれ、まだそんなにお酒飲んでなくないで……ええ?! ちょっとこれ水じゃ、いや何飲ませてるんですかこれ!?」 「うん? ストレートの獺祭だよ?」 「いつ頼んだんだ?」 「さっき、こっそりね」 「やるな、流石だ」 「なにやってんですか?!」 「彼お酒に弱いし、これでもかってくらいに酔って貰った方が本音も出しやすいかなってさ」 「吐いた時の介抱、私にさせたらぶっ飛ばしますからね」 「いやあ、ははは。僕としては跳ね除けてくれると思ったんだけどねえ……」 「酒と水の区別も付いていないとは、相当来てるみたいだな」 「まあそれも分からなくはないですよ、だって未成年プラス担当の子に手を出しちゃったんですから……」 「俺からじゃないんだよぉ……」

    5 21/05/02(日)00:55:07 No.798379597

    「分かった分かった、んじゃあ結局どうしたのかを教えてくれ」 「実は……」 「はい、実は?」 「答え、まだ出せてないんだぁ……」 「優柔不断だな」 「流されたのは俺の責任だってのは分かってるんだけどぉ……」 「そうだね」 「切れ味のあるツッコミだ」 「茶化すタイミングじゃないですよ……で、どうすんです先輩?」 「それを聞きたいんだよぉ……んっんっん、ぷはあ……なぁ、俺はどうしたら……」 「取るしかないね、責任」 「取るしかないでしょう、責任」 「取れ、責任を」 「……だよなぁ~~~!!!」 「なんだ、答え、出てるんじゃないか。出せてないと言っておきながら」

    6 21/05/02(日)00:55:44 No.798379811

    「でもふんぎりがさぁ……!」テレレンテレレン…… 「あら、先輩携帯鳴ってますよ」 「今話題の彼女だったりしてね」 「はは、そんなわけ……ウッ……!」 「あっ、命中したみたいですね」 「なんて書いてるんだ?」 「あはは、プライバシーの欠片もないね。それで?」 「いや、今、トレーナー寮の前に居るって、昨日の返事を、聞きたいって」 「順当だな。そういやしちまったあと、昨日はなんて言って別れたんだ?」 「テイオーは、まだ『女の子』だから、こんなこともうしちゃいけないよ、って……」 「うわぁ……」 「次は君が引くのかい。まあ分からなくはないけど」 「すげぇ怒ってるよ絶対……なあ、どうしよう……」 「……ふむ。よし、今日は解散だね!」 「ええっ、今から行けってことぉ?!」

    7 21/05/02(日)00:57:12 No.798380252

    「……そうだ、覚悟決めて行ってこい!」 「うおお……でも……」 「先輩、男でしょ!」 「……それを言われちゃ引けないな……行ってくるよ!」アリガトオー!……ガララッバシャン!…… 「……さて、当事者は出てっちゃったし、僕たちは僕たちで適当に楽しみますか」 「そうだな、つまみもまだまだ残ってるしな」 「あはは、奢りとか言ってたけれど、先に帰ったら奢りも何もないねえ」 「まあこういう時もあるさ」 「ふふ、そうですね。それにしても……」 「ああ、気を付けないとな、俺たちも」 「ええ、本当に……」 「どうしたのさ神妙な顔をして。気を付ける必要なんてあるかい? 僕たちならそんな過ちは……」 「その先のご高説は拒否します」 「同じく。参考にならん」 「君たちさっきから僕に当たり強くないかい?」

    8 21/05/02(日)00:57:38 No.798380408

    「気のせいだ」 「そうですね」 「そうかなあ。ま、とりあえず明日は我が身ってのを気にしながらトレーナーしていくしか無いんだろうね。僕たちは」 「道は踏み外したくないもんだな、出来れば」 「先輩、明日から変になっちゃわないと良いなぁ……」 …………?………… 「テイオー! 待たせてごめん!」 「うん、まってたよー」 「俺さ、決めたよ!」 「ボクもね、決めたよー」 「えっ、何を決め……ちょっ、ウワッー!」 …………?…………

    9 21/05/02(日)00:58:22 No.798380629

    「なあ聞いたか、あの話」 「ええ、先輩の左手薬指に……」 「銀の指輪が嵌ってるってやつだろう? 僕も風の噂で聞いたよ」 「にしても昨日の今日ですよ、そんなにすぐ根も葉もないのが広まりますかね……?」 「根も葉もあるんじゃないかい……? 恐らく既成事実に根回……」 「アアーッ! トレーナーノトモダチノトレーナータチダー! ラウンジノスミッコテニアツマッテアレードウシタノー?」 「う、うわあっ! お、脅かさないでくれないかい、テイオーさん」 「ナンデビックリスルノー? アー、ヤラシーハナシデモシテタンデショー?」 「い、いや違うんだよ。ちょっと君のトレーナーのことでな」 「ナアニートレーナーノコトー? どうしたの、何が知りたいの?」 「ひっ……」 「怖がることないのに、変なの」 「お前、あいつをどうした……」 「ボクとトレーナーはね! すっごくつよーい絆で結ばれたんだよ、法律にも誰にも邪魔されない好きって気持ちで! トレーナーもね、昨日言ってくれたんだ。ボクとならいいよって。だからね、トレーナーにはね、シルシをあげたの。おそろいの指輪なんだー、いいでしょ?」 「えっ、あっ、そ、そうです、ね……」ピリリ、ピリリ!

    10 21/05/02(日)00:59:05 No.798380881

    「アッ、トレーナーガヨンデル! ゴメンネ、イカナキャ、マタネー!」パタパタパタパタ…… 「息できねぇ……マジかよ……」 「何があったらあんなにおかしくなるんですか……」 「恋ってやつがそうさせたんじゃないかい? 考えたくないけどね……」 「歪すぎて認めたくないが、多分そうなんだろうな」 「……僕らも気を付けないといけないね」 「そうだな……」 「ああならないように……ですね」 「二、三年後の結婚式の招待が今から怖いなあ……」ピリリ、テレレ、テケテン…… 「え、一斉に……?」 「なんだ急に。スカーレットから……?」 「私も、マヤノからメッセージが……」 「僕もだ……今から会えますか、場所はトレーナー寮の前で……」 「まさかね……あの、ちょっと携帯見せ合いません……?」 「いいけど……うわっ……どういうことなんだいこれ……」