虹裏img歴史資料館

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21/04/30(金)01:01:41 休日、... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1619712101766.jpg 21/04/30(金)01:01:41 No.797721104

休日、論文書きなどという柄にも無い仕事に集中していた所、一本の電話。 我が愛バことシンボリルドルフから、休日用のトレーニングメニューと学園での雑務を終え、体が空いてしまったとのお達しだった。普段ならすぐに何かしら提案するところだが、意外と論文というやつは手強い。仕事が手放せなくて、と笑うと、陣中見舞いに行こうと申し出てくれたのがついさっき。 インターホンと共に現れた彼女は、普段よりいくらかラフなパンツルックで、胸に紙袋を抱えていた。 「進んでるかな?」 「中々。それより、気を使わせたな」 紙袋を受け取りながら恐縮すると、笑ってキスをし、ずかずかと室内へ。勝手知ったる担当の部屋といった所か。 「お、コーヒーか」 「うん、マンハッタンカフェと話す機会があってね」 「他にも色々あるが」 「簡単なものだが何か作るよ。想像通り、大したものを腹に入れていないようだし」 俺のデスクを指差しなが、ルドルフはキッチンへ立った。仰る通り、朝から小さなパンやエナジーバーくらいしか口にしていない。 「助かる」 「なに」 気安く笑って、ルドルフは髪を1つに束ねて手を洗う。

1 21/04/30(金)01:01:54 No.797721158

後頭部の少し高いところで結われたキャラメル色の髪を揺らしながら、テキパキと作業をすすめる。 ちらちら覗くうなじにも、忙しなく移動するヒップにもつい目を奪われるが、俺を責める事の出来る男など存在しないはずだ。 「手が止まっているぞ」 「より興味深いものが近くにあってはな」 「制服から着替えてきたのにこれだ」 苦笑いのルドルフ。彼女なりに生足を出すよりは良かろうという気遣いだったのだろうが、残念ながら見えなければその奥を想像するのが男である。 さておき、彼女の心づくしが出るまで時間を無駄にしてはそれこそ悪い。なんとか気を引き締め直し、資料とパソコンの往復に戻る。 それから程なくして、ルドルフが皿とコーヒーを持ってデスクの脇へやってきた。 「簡単だが、空腹ならこれくらいで良いと思ってね」 そう言いながら差し出してきたのは、出来たてのガレット。半熟の卵の瑞々しさと、かりかりのベーコンから立ち上る香ばしい匂い。口に涎が溜まりそうだ。 「嬉しいよ」 「悪くないと思う。熱いうちに」 言われるまま口にするガレットは、絶妙な塩加減と腹持ちの良いボリュームで、あっという間に無くなってしまった。

2 21/04/30(金)01:02:05 No.797721202

「美味かった」 淹れてくれたコーヒーも、これはと思うほどの味で、つくづく恵まれた立場に居る自分を思う。 デスクの脇に立ち、同じようにカップを傾けながら、ルドルフはにこりと微笑んだ。それから、俺の肩越しにモニタを覗き込む。 「育成論かな」 「俺みたいな若造が、とも思うんだが」 「錚々たる結果を出したからね。君の謙遜は自己韜晦だと思われるのさ」 「過大評価だなあ。書けるのは一般的なトレーニング理論になってしまう」 「そうかな。私にとってそれはそれは頼もしいものだったが」 「精々俺がやった独自のものなんて、君を信じて失望されないよう必死になったくらいだよ。こんな事書いても笑われるしな」 「笑わないよ」 冗談混じりの俺の言葉に、ルドルフは微笑んで否定した。 「笑わせるものか。君のやってきた事が、どれほど私を勇気づけてくれたか」 美しくも真剣な面差しでそう言われると、目が逸らせなくなる。そうだった、彼女はと俺は、出だしから特別だった。 「我々ウマ娘がレースの最中考えること。勝利への渇望、ライバルへの思い、家族。様々に違いはあるだろう。だが私も含め、皆苦しい時には必ずトレーナーを思うはずだよ」

3 21/04/30(金)01:02:21 No.797721257

「そうなら、冥利に尽きるが」 「私はあのURA決勝の最終コーナーを出た時、前を行く者を追い抜く時、ゴールで待つ君を思った」 「そうか」 「忘れないで欲しい。君のやり方は私を何度も奮い立たせてくれたよ。ありがとう。愛している」 俺が貰った感動に比べれば多すぎるほどの礼と愛。受け止めるのは、何よりの喜びだった。 腰を曲げて顔を寄せたルドルフが、唇の寸前で止まる。それを迎えに行き、暫くくっついて、離れた。切ないとも、満たされたとも感じる不思議な時間である。 「まあ、論文に書けないのは確かだな」 「いや、いくらか書き様が思い浮かんできたよ。ありがとうルナ、俺も愛してる」 「現金な言い方に聞こえる」 苦笑いをして、ルドルフはやれやれと言った様子で手荷物を掴んで玄関へ向かう。慌てて椅子から立ち上がった。 「もう帰るのか?」 「夕食まで集中したらいい。何か美味しいものを作るよ」 最高のご褒美を用意されて、ゴールで待つ彼女の料理と彼女を思い浮かべ、俺はきっとだらしない顔で愛バを見送った。

4 21/04/30(金)01:02:38 No.797721327

会長に愛してるって面と向かって言われたいだけの人生だった

5 21/04/30(金)01:05:37 No.797722026

トレーナー側もかっこよすぎる…

6 21/04/30(金)01:06:32 No.797722261

スマートだな…

7 21/04/30(金)01:07:16 No.797722444

ポニテ会長!!!!!

8 21/04/30(金)01:08:59 No.797722810

かっこいいイチャラブカップルめ

9 21/04/30(金)01:10:19 No.797723139

む!

10 21/04/30(金)01:10:43 No.797723239

やり取りが美男美女カップル過ぎる…

11 21/04/30(金)01:11:27 No.797723419

ポニテ眼鏡会長とか激レアすぎて危険

12 21/04/30(金)01:13:35 No.797723882

毎日毎日映画みたいな生活しやがって!羨ましい!

13 21/04/30(金)01:13:45 No.797723917

ポニテ会長とかトレーナーしか見られないんだろうな…良いな…

14 21/04/30(金)01:13:47 No.797723925

良い…

15 21/04/30(金)01:14:30 No.797724072

良いなこれ…

16 21/04/30(金)01:15:07 No.797724195

ラブラブカップルだ…

17 21/04/30(金)01:15:32 No.797724268

>「笑わないよ」 >「笑わせるものか。君のやってきた事が、どれほど私を勇気づけてくれたか」 ヒョエ~~~~~~!!

18 21/04/30(金)01:15:51 No.797724346

お互いに照れ居るでもなく淡々と自分の感じている好意を隠さずに伝える 会長は大人だなあ

19 21/04/30(金)01:15:56 No.797724361

>「笑わせるものか。君のやってきた事が、どれほど私を勇気づけてくれたか」 会長はこういうこと言う 言ってくれる

20 21/04/30(金)01:16:39 No.797724508

>お互いに照れ居るでもなく淡々と自分の感じている好意を隠さずに伝える >会長は大人だなあ 言葉にしないと伝わらないこともあるよね…大人の恋愛だわ…

21 21/04/30(金)01:17:48 No.797724729

大人のカップルだ…

22 21/04/30(金)01:18:15 No.797724834

ポニテ会長とか大人のテイオーじゃん…

23 21/04/30(金)01:18:37 No.797724909

論文の謝辞に「我が愛するシンボリルドルフ」とか書くつもりだろこのトレーナー!

24 21/04/30(金)01:18:47 No.797724933

>腰を曲げて顔を寄せたルドルフが、唇の寸前で止まる。それを迎えに行き、暫くくっついて、離れた。切ないとも、満たされたとも感じる不思議な時間である。 ここでちょっと待ってトレーナー君にさせるの好き

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