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土曜日... のスレッド詳細

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21/04/28(水)22:05:03 No.797307094

土曜日の昼。 一軒家から少女が出掛けていた。 少女の名はムーン。 今日の彼女の目的地はアローラ一のディスカウントストア「スーパーメガやす」だ。 実家から持ってきてもらった自転車を乗り回し、十分ほどで到着した。 彼女の目当ては友人サンの為の絆創膏の補充それと…… 「……今日もか……」 自分とサンの描かれた同人誌だ。

1 21/04/28(水)22:05:59 No.797307443

ー 最近ムーンは困惑していた。 サンと自分の同人誌をアローラに流通させてる者がいる事に。 具体的に言うと「運ムン」と名乗ったシリーズでサンとムーンが釣りなどのデートをしたりする物だった。 ムーンは半年ほど前から実の姉「」ラチナやはとこの「お乗様」と名乗る少女におびただしい数の同人誌を作られてきた為、自分の同人誌を描かれる事には慣れていた。慣れてしまっていた。 慣れとは退屈も表す。ムーンは内心この状況に対して好奇心を燃やしていたのだ。 ムーンは家に戻り、既に郵送されていた件の同人誌を眺めていた。 「お姉さま……にしては絵が稚拙だし話も雑、描いた人がお乗様だったとしても同じ事が言えるわね。」 ムーンは頭に高笑いする二人を浮かべつつ、同人誌を捨て置いた。 「……けど月イチペースで新作を出してくるし、段々シチュエーションも生々しくなってきてる。」 「本当誰よこんなの描いてるのは……」 そうムーンは呟き、茶を淹れる準備をし始めた。 サンとの茶会を行う為だ。

2 21/04/28(水)22:07:06 No.797307841

ー 三時ちょうど。 茶会は予定通りに進行していた。 「本当に困ったわね運び屋さん。」 ムーンはサンに同人誌の一件を相談していた。 普段は目的の為ならどんなに自分が傷ついてもあまり気にしないサンだっだが、 「お…おう」 今回は妙に脂汗を流していた。が、ムーンは気づけずに話を進めた。 「わたしたちそういう関係じゃないのにね。」 「そ……そうだな……」 サンが露骨に目を合わせてこないのに気づき、ムーンは声をかけてみる事にした。 「運び屋さん?」 ぼやき程度のものすごく小さい音量で名前を呼んだムーンだが、サンは焦り過ぎで却って耳が澄んでいたのか 「え!?なんだい!?」 と驚きながら返した。

3 21/04/28(水)22:07:25 No.797307960

「どうしてそんなに脂汗を書いてるの……?」 ムーンの指摘にサンはますます焦り、呼吸が「ヒッヒッフー」でおなじみのラマーズ法になっていた。 「……やべ!確認忘れてた!」 サンは壁に掛けておいた荷物を持った。 「また明日な!お客さん!」 そのままサンは帰った。 「怪しい……」 そんなサンを、ムーンは科学者が研究対象を見つめるような眼で見ていた。

4 21/04/28(水)22:08:28 No.797308402

ー とある豪邸の一室。 サンと二人の少女が話をしていた。 「フッフッフッ……で、逃げたんですね。」 「普段のさっちゃんからは到底考えられない……」 茶の瞳の少女が、脚をテーブルの上に載せながらサンに話しかけた。 「まあこれで初めてからちょうどニヶ月になりますし、ムーンに感づかれるのも仕方ありませんね!」 その隣のシャンパンゴールドの瞳の少女もサンに話しかけた。 この少女こそがムーンの実姉「」ラチナ・ベルリッツである。 因みに隣にいるのがお乗様。 「そこで相談なんだけど……」 「何です?」「話だけなら聞いてやりますよ。」 「……もう止めねえか?同人誌描くの?」 少し部屋を静寂が包んだ後、お乗様は爆笑した。 「……ぜぇ……ぜぇ……さっちゃん、この業界に脚突っ込んでおいて気が向かないからやめたいなんて……虫が良すぎやしませんか?」

5 21/04/28(水)22:08:57 No.797308585

「」嬢様も続いた。 「そうです!それに契約の件もありますしね!」 契約、というのは二か月前、サンは友人リーリエやその母ルザミーネ等、多数の知り合いが腐女子になってしまった為、儲け話になると感じた彼はそのまま同人誌界に脚を踏み入れたのだった。 「」嬢様の的確なアドバイスや指導に大手AVメーカーの社長でもあるお乗様のコネを使った販売ルート確保によって、彼は新進気鋭の同人作家として生活出来ていたのだが、問題が無いわけがなかった。 初回のみゴールドがモブキャラに陵辱される本だったが、その後は「」嬢様の要望により 自身とムーンの純愛限定で同人誌を執筆させられていたのだ。 上の通り己の目的の為の資金をかき集められるのは好ましく思うサンも、あくまで他の人物と比較してだが、最も意識している異性であるムーンとの関係を妄想しては本や文にする今の状態に、どことなく恋患いのような想いを抱いていた。

6 21/04/28(水)22:09:13 No.797308694

ー サンが部屋から退出してすぐにムーンは「」嬢様の自室に現れた。 「フッフッフッ……何かと思えばあのアバズレ毒女じゃないですか。」 「ちょっと!人の妹の悪口言わないでください!」 二人が余裕綽々な態度を取っていると、ムーンが手持ちを出した。 「やれ」 出てきたアローラベトベターは二人の口に向けて自身の一部を発射した。 瞬間、お乗様はソファから転げ落ちつつ腰から手持ちを取り出した。 「」嬢様もテーブルを持ち上げ、盾にして毒を防いた。 「襲いかかってくるということは、」 「倒される覚悟は出来ているんですね!」 「のめ」 次の瞬間、ベルリッツ邸の一角は砂と化した。

7 21/04/28(水)22:09:39 No.797308840

ー 「ぜぇぜぇ……お客さーん!」 ベルリッツ邸がボロボロになった次の日、サンは秘密を打ち明ける為、ムーンを呼び出していた。 「わりい待たせちまって!」 「埋め合わせはいずれしてもらいます。それより要件って?」 いつもと変わらないムーンの反応に、サンは恥ずかしくなってきた。 自分の一切を把握されたような気がしたからだ。 彼の身体をいつも治療している為、ムーンは本当にサンの身体を本人以上に知っているのだが、サン本人はその事に気づいていない。 それはさておき、サンは羞恥心を抑えつつ同人誌を描いた人物を打ち明ける事にした。 「実は……俺っちなんだ……お客さんの本描いたの……」 「知ってる。」 「えっ?」 「予めお姉さま達に問い合わせたの。」 「これ以降同人誌は描かせないよう言っておいたから。」 サンの頭は困惑で埋め尽くされていたが、同時に危険から開放された喜びも感じていた。愛情に近い感情も混じっていた。

8 21/04/28(水)22:09:59 No.797308952

それを一纏めに表したかったので、サンの返事は 「さっすが……敵わねえや……」 だった。 「当然です。」 ムーンはサンが追い詰められた状況に久しぶりに遭遇したため、自分の力だけで問題を解決出来た事に得気になっていたが、表情には出さなかった。 或いは、これから自分が聞く話題について、どんな返答であっても心を冷静に保つ為なのかもしれない。 「ところで……どこまで運び屋さんが描いていたの?」 サンは面食らった。 身体中から再び脂汗が吹き出すほどだった。 「それは……」 「それは?」 「……全部だよ。お客さんのお姉さんのアドバイスも聞かずに。」 ムーンは彼を抱きしめた。 「私の水着をスクール水着にしたのも?」

9 21/04/28(水)22:10:21 No.797309084

「真面目な人はそういう水着着ているものかと思って……」 本当の水着を見せておけば良かった……とムーンは思いながらサンを抱きしめるのをやめた。 「なあお客さん……俺っち達元通りにやっていけるかなあ。」 「大丈夫よ、元から私達の関係はあの人によってばら撒かれてるし。」 「あっ、そうだった。」 自分のやっていた事が非道だった事に気づいたサンだったが、ムーンは特に気にしていないし、仕事にも差し支えはなさそうなので、悩むのをとりあえず止めた。 「あっそうだ!」 ムーンは今まで話していた池を後にしようとしたが、呼び止められたと思い脚を止めた。 「お客さん、今度はレンタル彼氏やってみようと思うんだけど……」 「んもぅ……」 ムーンはとりあえず予約しようと思いつつ、再び帰路についた。

10 21/04/28(水)22:11:12 [s] No.797309389

こんばんはお乗様です!今日は土曜日の「」嬢様のダイス怪文書にしました!

11 21/04/28(水)22:12:30 No.797309895

何当たり前のようにベルリッツ邸にいやがるお乗!!

12 21/04/28(水)22:13:26 [s] No.797310217

とにかくサンの迷走しているような感じを押し出してみました!

13 21/04/28(水)22:14:03 No.797310433

お乗→サンの呼び方さっちゃんなのか

14 21/04/28(水)22:14:21 No.797310544

>何当たり前のようにベルリッツ邸にいやがるお乗!! 一応はとこだしサンに協力しているのもあって出入りを許可されているのかと

15 21/04/28(水)22:14:56 No.797310769

お嬢の怪文書にしては長めの分量だな… 察しの良いムーン良いよね

16 21/04/28(水)22:16:19 No.797311265

>ムーンは半年ほど前から実の姉「」ラチナやはとこの「お乗様」と名乗る少女におびただしい数の同人誌を作られてきた為、自分の同人誌を描かれる事には慣れていた。慣れてしまっていた。 開幕からひどくてダメだった

17 21/04/28(水)22:17:22 No.797311635

>とにかくサンの迷走しているような感じを押し出してみました! 困ってる人に手を差し伸べるのがムーンの魅力だもんな…

18 21/04/28(水)22:19:07 [s] No.797312316

>お乗→サンの呼び方さっちゃんなのか いつぞやのダイスでムーンをアバズレ呼ばわりしたのでダイスでの私は三人称が結構適当になると判断したので 今日のダイスでも素の口調出しちゃったし…

19 21/04/28(水)22:29:34 [s] No.797316147

ここからはおまけとして落ち際に貼ったゲームの魅力を! https://twitter.com/ibukkey/status/1385970334197719040 一つ目は世界観!ロボットがジャングルの先住民のような暮らしを営んでおり、普通に感染症にかかったりする普通の生命体のような雰囲気! 二つ目はキャラデザ!村人は小人種族のような背丈でヒーローはちゃんとした体格動物はギミック最優先の割り切った形状と部族の戦士的な感じがもうたまらない! ラストにストーリー!20年ファンやってる人がパッチ作っただけあって「義務・団結・宿命」を主題にしたストーリーが濃厚で堪らない! というわけでヒマしてる「」は是非プレイしてみてくださいね! ググれば続きのストーリーとかしっかり出てきますよ!

20 21/04/28(水)22:30:55 [s] No.797316649

駄目だエモが多過ぎて即興で魅力書けねえ!

21 21/04/28(水)22:32:07 No.797317049

キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!