21/04/26(月)23:43:08 「愛、... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1619448188406.jpg 21/04/26(月)23:43:08 No.796739904
「愛、おい愛」 ゾンビィも眠る丑三つ時のことである。 視界の端で動いていた手が止まったので、ソファに隣り合って座る《愛》を肩で小突いた。 「寝るな起きろ。仕事はまだ終わっとらんぞ」 アイドルに夜遅くまで事務作業を手伝わせておきながら随分な仕打ちだという自覚はあった。 だが手伝いたいと言い出したのは《愛》の方だ。 この場合、中途半端に投げ出すことこそ本意ではないだろう。 それでも睡魔が《愛》を解放する様子はなかった。 大きく船を漕ぐ頭が勢い余って取れてしまうのではないかと、見ているこちらが心配になってくる。 程なくして、止まり木を見つけた小鳥のように《愛》が頭を落ち着かせたのは……俺の肩だった。 「おい、いい加減に――」 この位置関係からでは《愛》の表情までを窺い知ることまでは出来ない。 ただ、すぐ傍で聞こえる寝息があまりにも穏やかだったものだから。 「ったく、今夜だけじゃい」 俺は今までよりも僅かに弱い力で、ノートパソコンのキーボードを叩くのだった。
1 21/04/26(月)23:43:52 No.796740130
《愛》の協力を得て取り組んでいた今夜の仕事は、あと一息というところまで来ていた。 不慣れながらよく頑張ってくれたと思う。 完遂を目前に寝落ちしてしまったことを、《愛》は失態と受け取るだろうが、それでいい。 ゾンビィよ、失敗から学べ。後悔から蘇れ。 お前達はいつだってそうしてきたはずだ。特にお前はな。 そんな念いなど知る由もなく俺の肩にもたれかかって眠る《水野愛》は、文字通り腐ってもアイドルである。 職権の濫用も公私の混同も炎にくべて、その寝顔を一目拝むことが出来たら。そんな雑念が頭を過ぎった矢先。 《愛》の痩躯がぐらりと傾いたかと思えば、あっけなく倒れ込んだ――今度は俺の、膝の上に。 「ちょっ」 息を呑んだ。流石にこれはまずい。 何がまずいって、寝ぼけた《愛》が今にも俺の太ももに噛みつこうと大口を開けているのがまずい。 その後迅速かつ穏便に引き起こしたお陰で、犠牲はズボンに出来たヨダレ染みだけに抑えられた。 「ったく…今夜だけじゃい」 それでも起きる様子のない《愛》を寝室のベッドに放り投げて、残りの仕事に取り掛かった。
2 21/04/26(月)23:45:07 No.796740530
「……これでよし、と」 小一時間後、ようやくすべての作業を終えると、疲れがどっと押し寄せてきた。 この干満差は有明海のそれに匹敵する。もう目を開けてさえいられない。 ソファに横になって干潟のように、もとい泥のように眠ってしまいたかった。 だが寝室の《愛》を起こして他の連中が寝ている大広間に帰さなくては。 重たい足取りで寝室へ向かった俺を待っていたのは、先刻と変わらず呑気に眠る《愛》の姿。 ただしベッドの真ん中に転がしておいたはずのその身体が、今は片側に寄っていた。 まるで、もう半分を誰かのために空けているかのように。 「……」 冷静な判断ではなかったことを、ここに白状しよう。 本来ならば《愛》を蹴飛ばし怒鳴り散らし廊下に放り出すところだ。そうしなくてはならなかった。 それなのに俺は愛に布団を掛けて、目覚ましをいつもより少し早めにセットした。 「……本当に、今夜だけじゃい」 そろそろ切実に明日が欲しいので、寝るとする。 ―――――《巽幸太郎》の日記より
3 21/04/26(月)23:46:06 No.796740854
パタン。 最後のページを読み終えると、日記を元あったベッド脇のテーブルへ戻す。 水野愛は、目が覚めると真っ先に自分の身体を確認した。ぺたぺたと念入りに。 なんら異常も、欠損も、着衣の乱れもないことを認めると、もぞもぞとベッドの上を転がる。 このベッドがまた大きくて柔らかく、端から端まで移動するのにも難儀した。 自分たちが使っている煎餅布団とは雲泥の差である。有明海の干満差のように。 ようやくベッドを這い出たところで、愛は先程の日記を見つけた。 そして、床に転がって眠る巽幸太郎も。 幸太郎は着替えもせず、サングラスさえも外さず、死んだように眠っていた。 その姿があまりに無防備で、にも関わらず窮屈で苦しそうに見えたものだから。 愛は、おもむろにその手を幸太郎のサングラスへと伸ばして――舌打ち。また引っ込めた。 「……こんじょーなし」 それだけを呟くと、愛は幸太郎の身体を跨いでドアの方へ向かう。 目覚まし時計はもう止めてある。 せいぜい皆からどやされてしまえばいいと思いながら、愛は足取り軽く幸太郎の部屋を後にした。
4 21/04/26(月)23:48:37 No.796741594
抱きなんし!!!
5 21/04/26(月)23:53:24 No.796743087
だまらんかい気ぶり花魁!
6 21/04/26(月)23:57:10 No.796744244
こいついつもグラサンの仕事手伝い呼んな
7 21/04/26(月)23:59:22 No.796744891
この怪文書の感じ懐かしい・・・!
8 21/04/27(火)00:01:04 No.796745433
愛幸怪文書久しぶりに見た…
9 21/04/27(火)00:05:07 No.796746787
幸太郎はん!!あんさんは甘い!!!!!
10 21/04/27(火)00:10:37 No.796748691
あーーーっ!! 甘いでありんす!!
11 21/04/27(火)00:22:59 No.796753069
公式による幸愛ソロ活動描写という養分を供給した気分はどうだ?
12 21/04/27(火)00:28:12 No.796754721
幸愛よかね…
13 21/04/27(火)00:32:43 No.796756060
それが彼の最期の言葉だった…
14 21/04/27(火)00:40:18 No.796758209
だけっ!だけっ!だきなんしぃぃぃ!!!!
15 21/04/27(火)00:42:04 No.796758721
>それだけを呟くと、愛は幸太郎の身体を跨いでドアの方へ向かう。 そのまま跨りなんし!
16 21/04/27(火)00:44:23 No.796759382
うわああああ懐かしい!
17 21/04/27(火)00:45:47 No.796759745
はぁああーーー!! 抱きぃなーんし 抱きなんしー!(ヤッサヤッサヤッサヤッサ) 抱きなんしー!!! 抱きなんしー!!!(ササ) 抱きなんしー!!! 抱きなんしー!!! (ハ ヤッサ ヤッサ) (ハ ヤッサヤッサヤッサヤッサ) はぁあ 抱きなん抱きなんしー!!! それ抱きなんしー!!! 抱きなんしー!!! (ハ ヤッサ ヤッサ) (ハ ヤッサヤッサヤッサヤッサ)